不動産投資は、リスクが高い。これから不動産投資を始める人にはそのように写っているかもしれません。不動産と聞くと、どうしても金額も大きく怖いものだというのが多くの人が思い描くイメージです。周りからも、不動産投資なんてやめとけ、そんな風に言われたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、成功するためのポイントをしっかり抑えれば、不動産投資によって資産を築いていくことは可能です。不動産投資初心者のために、リスクを出来るだけ減らし、成功に導くためのポイントを全て解説します。
不動産投資とは
不動産投資には、物件を購入し、賃貸して利益を得る方法( インカムゲイン)、または売却することで利益を得る方法(キャピタルゲイン)の二つがあります。どちらにしても、不動産投資を始める際は、しっかりと情報を収集し、入口とともに出口のイメージを固めておくことも重要となります。
まずは簡単に不動産投資の流れを説明します。不動産投資の大まかな流れは、物件情報を収集し、資金計画を立て、物件を購入、運用を開始するという流れになります。
- 不動産投資の情報を収集する
- 物件を探す
- 資金計画を立てる
- 融資の審査
- 物件を購入する
- 不動産管理会社を決める
投資初心者は、それぞれの段階についてしっかりと正しい情報を集めることが大切です。
1.不動産投資の情報を収集する
不動産投資は、情報収集から始まります。不動産投資といっても多くの種類があります。セミナーや本などで勉強し、自分にとっての最適解を導き出しましょう。正しい知識を身に着けるためにも、必ず複数の情報源を参考にすることが大切です。
セミナーであれば、1種類ではなく、2、3個受けてみる。また本であれば2,3冊読んでみることをお勧めします。また、すでに不動産投資をやっている人が周りにいれば、話を聞きにいってみましょう。今はネットでも気軽に情報は収集できますので、実際に不動産投資をやっている方のブログなどをみてみるのもお勧めです。大事なことは必ず自分で考えて情報を収集することです。業界の用語なども勉強しておくといいでしょう。
2.物件を探す
情報収集が終わったら次にやるべきは物件探しです。物件にも様々な種類があります。戸建て、アパート、ワンルームマンション、中古、新築など物件によってチェックするポイントは異なります。またエリアだったり周辺状況も重要です。東京などの都心だったり、駅に近いなど、条件がいい物件は購入価格が高くなりますが、家賃も高く設定できます。
物件については、書類上だけでなく、かならず現地視察を行うようにしましょう。また、デザイナーズマンションなどは見栄えはいいですが、メンテナンスに手間がかかったりする場合があります。見た目だけでなく収益性もしっかりとチェックしましょう。
3.資金計画を立てる
物件が決まったら資金計画をたてます。不動産というと大変大きな金額になるので、多くの方が融資を受けることになるかと思いますが、融資をどこから受けるのか、また頭金をどれだけ用意するのかなど、重要なポイントが沢山あります。また、不動産購入の資金だけでなく、諸費用も忘れてはいけません。
ローンについても、諸費用も含めたフルローンにするのかなど様々な種類があります。月々の支払いはいくらかなど、収支シミュレーションを行いキャッシュフローをしっかりと計算し、融資金額を決めましょう。収支シミュレーションは、不動産会社が用意してくれると思いますが、向こうは売りたいわけですから、有利になるように出してくることも考えられます。必ず自分でも収支シミュレーションを行いましょう。
4.融資の審査
物件を決め、収支計画を建てたら、ローンの申し込みに入ります。多くの方が不動産投資会社から提携の金融機関からのローンの紹介を受けることになるかと思います。ローンは頭金なしでも組める場合もありますが、一般的には頭金を出来るだけ多くいれた方が金利も下がり、また審査も通りやすくなります。
金利は返済期間、頭金、金融機関によって様々ですが、高くて3%ほどです。ですが、不動産というと1000万、2000万といった大きな単位の買い物ですので、1%の差でも何十万単位の差がでます。できるだけ有利な条件で融資を受けられる銀行をさがしましょう。審査によって、収支計画も見直しが必要になってくると思いますので、状況に合わせて適宜収支計画は見直しましょう。
5.物件の購入
融資が下りる算段がついたら、物件の購入に入ります。ここで大事なのが値引き交渉を考えることです。不動産という大きな買い物ですと、数%の値引きでも大きな金額になりますし、例えば登記費用といった諸費用の値引きだけでも交渉してみる価値はあります。
値引き交渉というとハードルが高い気もしますが、交渉をすることで値引きを引き出せた例もあります。不動産は販売側も大きな利幅を用意しているので、値引きできる余地はあることを覚えておきましょう。
6.不動産管理会社を決める
物件の契約が済んだら、不動産管理会社を決めます。もちろん、自分で管理することもできますが、初心者は不動産管理会社に管理をお願いすることが安心です。管理会社は、賃料の回収や敷地の管理などを行ってくれます。物件購入後は、管理会社が運営の鍵を握るといっても過言ではありません。
特に賃貸で不動産投資を行う場合は、入居者を集められる客付け力が最も重要です。客付け力を見るには、その管理会社の他の物件の入居状況を調べると良くわかります。また、管理費は家賃の3%から8%が一般的なので、その辺りも抑えておきましょう。
不動産投資に成功するためのポイント
それでは、初心者が不動産投資に成功するために絶対に抑えておくべきポイントを解説します。
1.不動産投資への知識をつける
一番重要なことは、不動産投資への知識をしっかりとつけることです。一口に不動産投資といっても、ワンルームマンション投資だったり、アパート経営、中古、新築物件への投資など様々な種類があります。
それぞれのメリットとデメリット、リスクなどを理解し、自分の資金計画と合わせ、どの投資が最適かということを判断するためにも、しっかりと知識を付けることが大切です。
ただ、初心者の方にとっては、何から勉強すればいいのかわからない。といった方も多いと思います。そんな時にお勧めなのが不動産投資セミナーへいったり、また実際に不動産投資をやっている方から話を聞くことです。不動産投資をするということは、ある意味では経営と一緒です。しっかりと商品、サービスを理解し、納得できる状態まで知識を付けましょう。
2.計画をたてる
不動産投資に取り組むにあたり、重要なことはしっかりと計画を立てることです。ローンはいくらぐらい借りればいいのか、何年のローンにするのか、どのように運用するのかなど。といっても大抵は計画通りにいかないものです。
ワンルームマンションにせよ、アパート経営にせよ、空室がでたり、設備投資が必要になったりと、様々なリスクを想定して複数のプランを立てましょう。初心者の方では、どれくらい利益がでるのかといった計算や、税金のことなど難しいことが多いと思いますが、しっかりと勉強し、自分で計画をたてられるようにしましょう。
3.資金に余裕をもつ
不動産投資は、融資を受ければ元手0円でも始めることができます。しかしまったく余裕がない状況で不動産投資を始めると、不測の事態に対応できません。例えば賃貸であれば、10年、20年と不動産を所有することになりますし、売却益を狙う場合でも、不動産は株などと違いすぐに買い手が現れるものではありません。
特に初心者の方であれば、経験も少なく、想定外の事態に対応するのが難しいですが、手元にキャッシュがあれば安心です。必ず資金には余裕を持つようにしましょう。
4.信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産は不動産会社を通して購入することになるかと思いますが、その時重要なのが不動産会社です。多くの不動産会社は真面目に仕事をしていますが、残念なことに、初心者を狙って粗悪な不動産を掴ませる会社がいることも事実です。
評判の悪い会社、やばいといわれる会社は、ネットなどで調べることができますので、聞いたことがない不動産会社などは、一度名前を調べてみるといいでしょう。
不動産投資は物件が最重要です。そのため、物件を紹介してくれる不動産投資会社が信頼できるかどうかを見極めることは、不動産投資をするうえで非常に重要なポイントの一つです。
5.若いうちに始めてもいい
不動産投資をしたいと思っても、年齢が若すぎるため、まだ資産形成などは考えなくていいという人がいます。しかし、不動産投資はローンの年数も融通が効くなど、若ければ若いほど有利になるのです。そのため、もし年齢を理由にまだ始めなくてもいいと考えている方は、逆に若いからこそ、挑戦してみるといった考えを持つようにしましょう。
不動産投資で初心者が陥りがちな失敗と回避策
不動産投資の初心者がやりがちな失敗と回避策をお伝えします。不動産は、一度取得すると簡単に売却したりといったことが出来ません。そのため、失敗しないためにも、入念な準備が必要となります。
1.空室が埋まらない
不動産投資の初心者ですと、なかなか自分で物件の判断ができません。そのため、不動産投資会社の営業をうのみにし、物件を購入したものの、実際は空室がなかなか埋まらない。といったパターンが少なくありません。
空室が埋まらない原因は、例えば相場より家賃が高かったり、また不動産会社が十分な営業を行ってくれないなどが考えられます。しかし、これも自分でしっかりと物件を調べることで回避することができます。周辺の物件の空き状況だったり、家賃相場をよく考えるようにしましょう。
2.家族に内緒で始める
家族に相談せずに不動産投資を始める人がいますが、不動産投資を始めるのなら、家族の理解は必ず必要だと思ってください。例えば、不動産投資でローンを組んでいると、住宅ローンの審査に通らないといった事態が起こる可能性もあります。
また、万が一損失がでた場合に、家計から補填が必要という事態になった場合に、家族から同意をえずに始めていた場合、対応するのが難しくなります。
3.キャッシュフローがマイナスに
例えば家賃10万円で部屋を貸していたとしても、それがそのまま収入になるわけではありません。税金や修繕費の積立、ローンの返済や管理費などが引かれます。さらに災害など不慮の事態が起これば、その分の出費もかさんできます。
初心者の場合は、不動産会社の口車に乗せられ、利回りの計算が当初の想定と異なっていたということもありえます。キャッシュフローの計算などは必ず自分で綿密に行いましょう。
4.粗悪物件を掴まされた
不動産投資でもっとも重要なもの。それは物件です。しかし初心者にとっても最も知識が不足しがちなのもまた物件なのです。中古物件を買ったら、実は大規模な設備投資が必要だったり、入居者に学生をあてにしていたのに、学校が閉校してしまってあてがはずれるなど、知識不足、調査不足で粗悪物件つかまされてしまうことがあります。
相場より割安と思っても、割安ならそれなりの理由があることも考えられます。物件選びは、取得価格など表面上の情報だけに騙されず、周辺状況も含め、必ず納得いくまで調べるようにするといいでしょう。
初心者におすすめの不動産投資は?
不動産投資初心者におすすめは、区分マンション投資です。初心者のうちから、一棟アパートだったり、マンション、また戸建てなど、初期投資金額が大きなものは避けた方がいいでしょう。まずは管理がしやすく、比較的投資額が少額に抑えられる区分マンション投資が初心者には最適です。
すでに他の部屋は埋まっているといった人気のマンションの一室であれば、それだけ空室リスクが避けられる可能性も高いです。不動産投資の中でも、何をすればいいかわらからないという初心者の方は、まず区分マンション投資を考えてみましょう。
おすすめ物件の探し方
また、不動産投資初心者に特にハードルが高いのが、しっかりと利益がでる物件の探し方だと思います。ポイントは色々ありますが、まずは立地にこだわるのが一番かと思います。また営業マンが推してくるからといって、うのみにしないでください。
物件を買う時は、相手ではなく必ず自分が納得できる理由があるかどうかを大事にしましょう。
ポイントを抑えてリスクのない投資を
不動産投資は、取引金額も大きく、また一度始めるとすぐに辞めるということも難しいです。そのため、事前準備が何より大切な投資ですが、逆にいえば、しっかりと事前準備を行うことで、出来る限りリスクを抑えて取り組むことができる投資であるといえます。
本記事を参考に、不動産投資についての理解を深めて貰えれば幸いです。