不動産登記の住所変更と登記費用を初心者にも分かりやすく解説します

「引っ越して住所が変わったけど、保有している不動産登記も何かする必要があるの?」

不動産登記簿には、不動産の所在地、構造、面積、権利関係の他、所有者の住所や氏名が記載されています。

不動産自体の所在地を変更することはできませんが、引っ越しにより所有者の住所が変わったり、結婚などにより姓が変わった場合は、登記の変更手続きをする必要があります。

住民票を変更したからといって、不動産の登記も同時に自動的に変更されることはなく、別途、不動産は不動産で変更登記をするということです。変更登記をしなくても罰則はありませんが、売却などの際には、その時の住所にしておく必要があります。

転勤が多い方は、その都度、住所変更するのは面倒と思われるので、次の売却の際にまとめてでも良いとは思いますが、変更が複数回の場合は、変更の履歴を住民票などで証明する必要があり、履歴が残っている期間を考えると、5年以内に一度は住所変更の手続きをやっておく方が良いでしょう。

また、固定資産税・都市計画税の納付通知書は、市町村の資産税課で管理しており、住民票の変更と連動している場合が多いですが、そちらはそちらで、手続きが必要かどうか、市町村の窓口で確認しましょう。一般的には、納税通知書に同封されている「変更事項連絡はがき」で通知することで事足ります。

不動産登記簿の住所変更方法

不動産登記簿の住所変更は、法務局に書類などを提出することで変更ができます。所有権の移転や抵当権の設定登記と違って、それほど難しいことではありませんので、自分でもできます。自分で変更するのが不安な方や、時間が無い方などは、専門家(司法書士)に依頼することもできます。

自分で変更する

不動産登記簿の住所変更を自分でする最大のメリットは費用の削減です。では、どのように住所変更をしたら良いのでしょうか。

①必要書類

◇登記申請書
◇住民票(もしくは戸籍附票)

住所変更登記は管轄する法務局に、上記の2種類の書類を提出することでできます。住民票は移転の履歴を証明するために使用しますので、2回以上の住所変更があった場合には、戸籍附票を利用します。

住民票・戸籍附票で住所変更の履歴が確認できない場合は、別途上申書や不在証明書、印鑑証明書などの準備が必要です。面倒な手続きともなりかねませんので、変更履歴を確認できる公的証明書の発行期限内に手続きを行いましょう(5年内に一度は行うと安心です)。

②登記簿の住所の確認

不動産登記簿に記載されている自分の住所が不明であれば、まずは、不動産登記簿を入手しましょう。不動産登記簿(登記事項証明書)は、全国どこの法務局(出張所)で閲覧・入手可能です。郵送やオンラインでも、請求・受け取りができます。

③登記申請書の作成

住所変更登記の登記申請書は自分で作成したもので大丈夫です。

こちらの法務局のホームページに各種申請の様式・記載例が載っています。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

そのうち、敷地権付区分建物(マンションなど)に関する記載例です。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001189404.pdf

提出する住民票に関しては、マイナンバー記載が無いものなどの指定がありますので、注意事項などをご確認ください。

④登記所への提出方法

上記の書類に必要な金額の収入印紙を購入し、貼付の上、管轄する法務局に直接持ち込むか、郵送で提出しましょう。収入印紙は郵便局や一部コンビニで購入可能です。郵送の場合は、切手を貼った返信用封筒を同封します、送付する封筒には「不動産登記申請書在中」と記載し、書留にて送付します。

不動産登記簿の住所変更登記には、いわゆる権利証、登記識別情報を添付する必要はありません。

⑤登記完了したら

登記にかかる日数は、おおよそ1~2週間くらいです。申請書などを法務局に持参して提出した場合は、登記完了後、登記申請書に押印した印鑑を持参して登記済証を受け取りに行きます。郵送であれば、返信用封筒にて受け取ります。

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専門家(司法書士)へ依頼する

自分で変更することが不安であったり、費用を払ってでも、手間や時間を節約したいと考えられる方は、専門家(司法書士)に依頼をすることも可能です。実費となる登記費用の他に、司法書士の報酬が発生しますので、見積もりを出してもらって、トータルの費用を確認しましょう

。司法書士は、インターネットで簡単に探すことができます。会社や自宅の近くの司法書士であれば、何かと便利でしょう。大手の事務所でも個人でやってらっしゃる方でも、どちらでも構いません。

住所変更登記の費用

実費として必要な不動産登記簿の変更に関する費用は以下の通りです。司法書士に依頼する場合は、これに司法書士の報酬が加わります。

項目 費用
登記事項証明書発行手数料 600円(窓口請求・交付)
500円(オンライン請求・送付)
480円(オンライン請求・窓口交付)
住民票もしくは戸籍の附票発行手数料 住民票:200~400円
戸籍の附票:200~400円
(それぞれ、地域によって異なります)
収入印紙代 不動産1件につき1,000円
(マンション・アパートなど、土地と建物の両方を変更する場合は、合計2件で2,000円となります)

まとめ

不動産登記簿の住所変更方法や費用についてご紹介いたしました。司法書士に依頼も可能ですが、住所変更手続き自体はそれほど難しくありません。費用も、実費だけでは、2,000~4,000円程度です。司法書士に依頼すれば、更に、報酬は10,000円近くはかかってくると思いますので、この記事をもとにご自分で変更手続きを行ってみてはどうでしょうか?

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