不動産投資といってもいくつか種類があります。投資する不動産のタイプ別に大きく分けると、「ワンルーム投資」、「ファミリータイプ投資」、「アパート投資」、「戸建投資」の4つが代表的なものです。それぞれの特徴と、メリット・デメリットを説明していきます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の投資目的に合致した投資を選択しましょう!!
ワンルーム投資
ワンルームとは文字通り、1K、1DKなど、部屋が一部屋の単身者向け賃貸マンションです。面積は20~30㎡とファミリータイプに比べるとかなり狭く感じますが、小規模な不動産であるため、他の不動産に比べると、比較的少ない投資資金で始めることができます。
また、ワンルームマンションは、駅近の好立地な物件が多く、最近では単身者の数も増えていることから、賃貸需要は底堅く、安定した家賃収入が期待できます。従って、長期での収益シミュレーションが立てやすいというメリットがあります。
管理に関しても、入居者に関する管理を不動産会社に委託することもできますし、共用部の掃除や修繕などの建物の管理は管理組合を通じて、管理会社に委託しているので、ご自身の手を煩わすことはほとんどありません。このように、比較的安定した運用で、手がかからないので、不動産投資が初めての方に特に向いている投資と言えます。
ただし、これはどのタイプの不動産にも当てはまることですが、空室リスク、家賃滞納や修繕(エアコン、給湯器など)など、キャッシュフローに影響を及ぼす事態が発生すると、思わぬ出費が発生するリスクはあります。
ワンルーム投資のメリット
①小規模は不動産であるため、投資金額が少なくて済む
②物件によっては、全額融資を受けることが可能で、自己資金が少なくて始めることも可能
③立地が良い物件も多く、安定した運用、手がかからない運用が可能
ワンルーム投資のデメリット
①空室、家賃滞納により賃貸収入が無くなったり、修繕により思わぬ出費が発生することがある(これはどのタイプの不動産にも共通すること)
②安定した運用が可能な半面、自ら家賃や物件の価値を上げるような工夫はしにくく、利回りは他のタイプの不動産に比べると低い
③管理組合の規則があるため、使用方法は制限されている。また、管理費・修繕費が上がることもある
アパート投資
アパート投資は、アパート一棟丸ごとを所有するものです。最大のメリットは何といっても土地が手に入るということでしょう。また、所有者は自分一人ですから、自分の裁量で運用することができます。
アパート投資は比較的利回りが高い投資ですが、一棟を購入するということは、通常であれば投資金額は大きくなります。また、投資金額を抑えようとすれば、立地条件や建物のランク(建築費)を妥協する必要がありますので、その分、空室リスクも高くなりますし、建物自体の劣化も早くなります。
ただし、立地条件が悪くても入居率が高い物件もありますし、修繕を加えることにより入居率を改善させることもできますので、目利きによっては良い投資となる可能性もあります。つまり、アパート投資は不動産投資の経験が豊富な方向けのハイリスク・ハイリターンの投資と言えます。
アパート投資は高所得者の「節税」目的での投資としても用いられます。郊外の木造アパートは、土地が安く、建物金額の割合が高く、減価償却の期間も短いので、給与所得を圧縮することが可能です。
アパート投資のメリット
①土地が手に入るので、資産性が高い
②全室が空室となる可能性は低いので、空室リスクは低減できる
③利回りが高く、キャッシュフローが良い場合もある
④木造建物であれば、減価償却による節税メリットも狙える
アパート投資のデメリット
①投資資金が大きくなる。投資資金を抑えようとすると、立地・建物のランクが落ちるため、空室リスクが高くなる。投資初心者には不向き。
②木造建物が多く、マンションに比べると、建物の劣化が早く、修繕費用が多くかかる。
③ワンルームマンションのように立地の良い物件はほとんどない。
戸建投資
戸建投資とは、一戸建ての住居(家)に投資するものです。ファミリー層は引っ越しする機会が低いことから、長期の入居期間も期待できるので、長期安定運用が可能です。
しかし、退居後の空室リスクもありますし、修繕費用もかかるので、投資にあたっては、間取りや地域、周辺の施設(学校・スーパーなど)を確認し、家賃の水準と賃貸ニーズを事前に調査することが必要です。
郊外にはかなり低価格の物件もありますので、小さい資金で大きな投資利益を狙うこともできますが、空室リスクや修繕費用は想定通りに行かない場合も多いので、戸建投資をするのであれば、その地域を良くわかっていたり、修繕費用などの見積がきちんとできるリフォーム業者とお付き合いがある方などに限られるでしょう。
戸建投資のメリット
①長期安定運用を期待できる可能性がある
②思わぬ掘り出し物のような物件がある
③空室になれば、自分の居住用として利用することもできる
戸建投資のデメリット
①地域や物件の状態によっては、空室後に新たな入居者が見つけにくい場合がある
②リフォーム、修繕費用が予想外にかかる可能性がある
ファンドマネージャーからのアドバイス
ここまで色々なタイプの不動産投資を紹介してきましたが、気になるものはありましたか?
不動産投資にあたっては、ご自身の投資の目的(将来的な資産形成、手元資金の資産運用、もしくは副業としての収入源)、投資経験、リスク許容度、不動産にかけられる手間・時間を良く考慮して投資対象を決めることが必要です。
ネットの広告には、少額資金で高収入を狙う不動産投資を謳うようなものもあり、目を引かれますが、基本に立ち戻って、投資の目的やリスク許容度などを見つめなおしましょう。おのずと自分に最適な不動産タイプの正解が見つかるはずです。
それぞれの時代に流行りの投資(少し前なら民泊など)がありますが、個人的にはオーソドックスな従来型の投資が安全だと考えています。当然、収益性を求めたい気持ちもありますが、オーソドックスな投資の中で収益機会を探していけば良いと思います。
まとめ
不動産投資にはメリット・デメリットがありますが、投資する資産の種類によってその内容が違ってきます。自分の投資目的や投資経験、投資にかけられる手間や時間を考慮して、投資先を判断しましょう。