少額で始められる中古戸建て投資!メリットと初心者が失敗しやすいポイントを解説

不動産投資というと、区分マンションや一棟ものアパートが一般的ですが、中古戸建て投資というものもあります。

インターネットなどでは、「区分マンション投資は儲からない、不動産で儲けるのであれば中古戸建て投資」という宣伝をたまに見かけますが、中古戸建て投資とはどのようなものなのでしょうか。

戸建て投資とは

戸建て投資とは、文字通り、中古の一軒家を購入し、賃貸に出して賃貸収入を得る投資です。更に、最近では「ボロ戸建て」投資というのもあります。

中古戸建ては築40年以下で数百万円程度から購入できますが、ボロ戸建てになると、築40年を超えますが、数十万円、場合によっては数万円から購入できるものもあります。

戸建て投資のメリット

メリット1:少額で投資ができる

戸建てというと、都内の新築物件であれば、7,000万円くらいのものもありますが、中古戸建てであれば、立地は郊外にはなりますが、数百万円から投資ができます。更に、ボロ戸建てであれば、数十万円から投資ができます

ただし、中古戸建て物件はリフォームが必要な場合がほとんどですので、リフォーム費用も頭に入れて投資を行う必要があります。

メリット2:利回りが高い

郊外の物件ですので、家賃は比較的安いものの、物件価格も安いことから、高い利回りが期待できる場合もあります。月の家賃が5万円でも、物件価格が500万円に抑えることができれば、グロス利回りは12%です。

メリット3:投資回収が早い

このように利回りが高ければ、毎年の家賃収益で、早い時期に投資資金の回収ができます。

都心の区分マンションを購入すれば、35年ローンで借入金を返済していきますので、それに比べると高利回りの戸建て投資は、より短期間での回収が可能です。

メリット4:入居期間が長い

都心の単身用のワンルームマンションは、学生や比較的若い会社員の方が入居しますので、卒業・転勤・結婚などで引っ越す場合があり、入居期間はそれほど長くありません。

しかし、戸建てはファミリー層が入居しますので、独身よりも入居期間が長くなる傾向にあります。入居期間が長いというのは、一旦、入居者が見つかれば空室リスクが抑えられるということです。

メリット5:自主管理がしやすい

戸建ては、共用部分の清掃や修繕の必要がないため、管理がとても簡単です。従って、戸建ての場合は、管理会社を入れずに自主管理にしている方が比較的多いのが特徴です。

自主管理であれば、管理費用を節約することができます

メリット6:節税になりやすい

中古戸建ては木造建築が主ですが、木造建築物の法定耐用年数は22年です。22年を超えた物件を取得した場合、減価償却年数は4年となります。

築22年を超えた築古の物件であれば、建物部分の減価償却費を大きくとることができますので、戸建て投資で赤字を計上し、所得税額を節税する効果が期待できます

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メリット7:マンションなどとはニーズの違う層が取り込める

戸建てはペットと住みたい方のニーズを満たすことができます。最近は、ペットを飼うことができるマンションも増えましたが、小型犬などで、頭数も限られています。

コロナ禍で在宅ワークの方も増えましたが、ライフスタイルを見直して、郊外に広い住居を求めて移住してくる人も増えてきています。

メリット8:地域によっては流動性が高い

資産運用型のワンルームマンションなどと違い、戸建ては、投資よりも自分で住みたい「実需」ニーズが取り込めるため、地域によっては流動性が高く、空室になったとしても、売却するという選択肢があります。また、建物を壊して更地で売却するという選択肢もあります。

戸建て投資のデメリット

デメリット1:金融機関から融資が出にくい

中古戸建ては、金融機関からの担保評価が低い傾向にあります。金融機関は、法定耐用年数を基準に担保評価額を算定しますが、木造建築物は法定耐用年数が22年と、マンション(鉄筋コンクリート造)の47年に比べると、非常に短くなっています。

金融機関によっては、法定耐用年数が過ぎている物件は担保価値がないとみなしているため、中古戸建て投資は融資が付きにくい投資です

従って、中古戸建て投資は、総額は数百万円で済みますが、基本的には自己資金のみで投資するものと考える方が良いでしょう。

デメリット2:リフォームに手間と費用がかかる

中古戸建ては、比較的きれいなものもあれば、ボロボロのものまであります。

使いだしてみたら不具合が出たり、リフォームを進めてみたら、シロアリの被害が見つかって水回りを全て交換することになったなど、リフォームにかかる費用を見積もるのは、なかなか難しいです。建物の築年数も考慮したうえで、ある程度の多めに予算を取ることが必要です。

DIYでリフォームができるような方であれば、かなり費用も節約できると思いますので、腰を据えてDIYの技術を身に着けるのも一つの手です。

デメリット3:買い進めることが難しい

中古戸建て投資は、基本的には自己資金で買い進めるしかありません

区分マンションや一棟アパート投資であれば、それほど自己資金が多くなくても、金融機関からのローンを利用して、買い進めることができますが、中古戸建てはそのようにはいきません。

投資回収が早い中古戸建て投資ですが、買い進めて部屋数を増やすには時間がかかる投資です。

デメリット4:建物に問題が発生する可能性がある

前述した通り、リフォーム中にシロアリ被害であったり、配管・雨漏りの問題が見つかる可能性があります。更に、築古物件ですと旧耐震の場合もあり、地震による被害が懸念されます。

また、建物自体が再建築不可であったり、建築基準法に違反している物件もあります。このような物件ですと、融資はもちろんのこと、転売することも難しくなります。安い物件には、安いなりの理由がどうしてもあります。

マンション・アパート投資との違い

区分マンションやアパート投資は、ローンによるレバレッジ効果を狙った投資です。家賃収入はローンの返済に充当されるため、ローンが残っている間は、キャッシュフローは若干のプラスか、場合によってはマイナスです。これは、当面のキャッシュフローよりも、老後の資産形成を主な目的とした投資だからです。

しかし、中古戸建て投資は、自己資金で、高い利回りを狙った投資となります。築年数的にも、老後まで保有できるものは少ないので、途中で物件を入れ替える必要があります。このように、不動産の収益を重ねることにより、年間の収益をもとに少しずつ資産を増やしていく投資となります。

戸建て投資が向いている方・向いていない方

中古戸建て投資は、リフォームや建築に関するスキルが必要です。従って、あくまでも不動産は副業で、あまり時間や手間をかけたくないという方には不向きです。

DIYが得意であったり、建築関係の仕事が好きで、中古戸建て投資に時間とお金をかける方は向いているでしょう。将来的に不動産投資を本業にして、アーリーリタイアを考えている方向けの分野です。

ファンドマネージャーからのアドバイス

老後の資産形成に向けて、資産運用や投資に取り組まないとならない時代になりましたが、本業も含めて、何にどれだけの時間を費やすのが最も効率的でしょうか?

本業が忙しいサラリーマンの方などは、積立型の投資信託への投資や不動産投資が、あまり手間がかからなく、効率が良い投資と言えるでしょう。もし、時間に余裕があるのであれば、株式投資やFxに時間をかけることもできるでしょう。

中古戸建て投資も、成功すればとても面白い分野だと思います。区分マンションや一棟マンションと性格が違う投資ですが、ある程度の自己資金が必要であり、手間がかかり、それなりのリスクもあるというと、株式投資やFxと比較すべき投資かも知れません。

株式投資やFxと比較しながら、中古戸建て投資に取り組むべきか考えるべきだと思います。

投資に使える時間には限りがありますので、その時間の中でどのような投資が効率的で自分にあっているかを考えて投資分野を決めるようにしましょう。不得意であったり、時間がかけられないのであれば、その投資分野はあきらめ、投資信託など、人に任せる投資を選択するもの一つの手です

戸建て投資で失敗しないためのホームインスペクション

ホームインスペクションとは、住宅診断や住宅検査とも呼ばれているもので、住宅を対象として建物の施工不具合の有無や劣化状態を確認する建物調査を指しています。また、広い意味では、建物の不具合(雨漏りや建物の傾きなど)の原因及び被害状況の調査をすることをインスペクションと呼ぶこともあります。

2018年4月の宅建業法の改正により、ホームインスペクションに関する事項が追加されました。これは、中古住宅を売買する際にホームインスペクションを義務化するまでには至っていませんが、買主にホームインスペクションの斡旋を希望するかを聞くことを義務付けていたり、また、ホームインスペクションを実施しているのであればその内容を義務付けるなどしています。

ホームインスペクションは、日本ではまだ導入段階ですが、中古住宅の流通量が多い、欧米では当然のように利用されています

ホームインスペクションの費用は4~6万円が相場のようなので、中古戸建て購入の際には、多少の経費を払ってでも、ホームインスペクションを利用して、建物の正確な状態を把握することも必要かと思います。

まとめ

中古戸建て投資は、自己資金での投資が基本となりますが、不動産投資の中では高利回りを狙えるチャンスがあります。かたやリフォームや建築に関して、ある程度の知識が必要となりますので、不動産投資をあくまでも副業と考えている方には、少し荷が重い投資になるかもしれません。

DIYや建築に興味がある方にとっては、面白い投資かと思います。不動産投資でアーリーリタイアを狙う方は、一度、検討してみても良いかとは思います。ただし、他の投資との比較もして決めるようにしましょう。

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