不動産投資を行うにあたって、多くの人がローンを組むことになると思いますが、その時に特に注意したいのが金利です。不動産投資では、時に何千万、何億という金額でローンを組むことも珍しくありません。そのため、たった1%金利が違うだけで、投資金額が何百万円と変わってくることもあります。
そこで今回は、不動産投資ローンの金利を抑え、利益を大きくあげるためのポイントをお伝えしていきます。
不動産投資ローンの特徴とは
住宅を購入するという意味では、不動産投資ローンは住宅ローンと同じです。しかし、住宅ローンを使って不動産投資用の物件を買うことはできません。自分自身は居住しないため、より審査が厳しかったり、また金利も住宅ローンより高めになっているという点に特徴があります。また、不動産投資ローンは別名アパートローンとも言われています。
不動産投資は、いわば事業としてみなされるため、きちんと収益がでるのかという点が非常に重視されます。また本人の属性についても、上場企業や公務員が有利など、信頼性が高い方が有利となります。
比較項目 | 住宅ローン | 不動産投資ローン |
金利 | 低い | 高い |
借りやすさ | 借りやすい | 借りずらい |
金利が低いなどの理由でまれに住宅ローンを使って不動産投資を行う人がいます。しかしこれは重大な契約違反であり、もし発覚すればローンの一括返済を求められるなどの大きなリスクがあります。絶対にやめておきましょう。
不動産投資ローンの金利相場とは
それでは、不動産投資ローンの金利相場をみていきましょう。一般的には、住宅ローンでの金利相場は0.5%~2%、不動産投資ローンでは、1.5%~4.5%程度になっていますが、各銀行ごとに特徴があります。それぞれの銀行だったりローン商品の特徴を把握し、自分にとって一番有利な条件でローンを組むといいでしょう。
都市銀行・メガバンクの金利相場
都市銀行、いわゆるメガバンクとは、一般的に三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3つを指します。都市銀行の不動産投資ローンの金利相場は、0.5%~2.5%程度です。特徴としては、金利は低い代わりに融資基準が厳しいという点です。潤沢な資金を背景に、大規模な融資を低金利で行うことが出来ますが、その分相手も選んでいるという感じですね。他行から借り入れがない、または職業として医師や公務員など属性がいいという場合は、まず都市銀行をあたってみるといいでしょう。
地方銀行の金利相場
地方銀行は、横浜銀行や埼玉銀行など、地方に根差した銀行をいいます。地方銀行は各銀行にそれぞれのローン商品を持っていたり、また物件としてはそのエリアでの物件にしか融資できない場合があるなどの特徴があります。金利には各地方銀行でばらつきがあります。特に不動産投資に強い銀行としてスルガ銀行が挙げられますが、金利は3%~4%と高めです。その代わり融資期間も長く、審査も都市銀行よりは柔軟です。
信用金庫・信用組合の金利相場
信用金庫、信用組合は、地銀と同じく地域で区分される金融機関です。金利については特別安い、高いということはなく、地方銀行と同じように各信金によってばらつきがあります。また、こちらも地域によって融資できる、出来ないがあります。信用金庫や信用組合は、地域の方々が利用者・会員となって相互に発展していくことを目的としています。そのため、何かしらのツテやコネがあると有利になる場合が多いです。知り合いで信用金庫や信用組合を利用している方がいたら、それを利用してみるのもいいでしょう。
日本政策金融公庫の金利相場
日本政策金融公庫は、100%政府が出資している銀行であり、利潤を追及する民間の銀行とはその性格が異なっています。目的としては、日本の産業の活性化だったり、創業支援という目的が大きいです。ローンについても、賃貸用ローンではなく、事業用ローンという位置づけになります。そのため、日本政策金融公庫のローンについては、事業計画を作る必要があります。その代わりに金利が1%~2%の固定金利だったりと、有利な条件で融資を受けることができます。
ノンバンクの金利相場
ノンバンクとは、銀行のように預金の預け入れを行っておらず、貸し出しのみを行っている金融業者をいいます。一般的にノンバンクはその貸し出し資金を銀行から借りているために、金利は銀行より高い傾向があり、金利は3%~4%と言われています。その代わり、審査が早く、また属性も都市銀行に比べて緩いという特徴があります。収益性が高い物件を見つけたのに、都市銀行の審査が通らない、そんな時はノンバンクを活用してみるといいでしょう。
不動産投資ローンの金利を抑えるポイント
では、不動産投資ローンの金利を安く抑えるにはどうすればいいのか、ポイントをお伝えしていきます。
自己資金を多めに用意する
金利は様々な条件で変わりますが、返済が難しいと思われるほど上がります。自己資金の比率が少ないと、貸し手としても返済までのリスクがあります。そのため金利は高くなりがちです。自己資金が多い方が金利は安く抑えることができます。
固定金利と変動金利を使い分ける
状況によって固定金利と変動金利の有利な方を考えて選択することで、金利を抑えることができます。変動金利は文字通り利率が変化する可能性があるシステムです。変動金利は、金利が変化するリスクがある代わりに、金利は低めです。反対に固定金利は金利が変化するリスクはないですが金利が高めになります。金利があがる状況としては、日銀の政策だったり、アメリカの経済状況が考えられます。
属性を良くしておく
金利は属性がいいと低くなります。属性とは、収入がどれだけ安定しているかといった借り手の社会的信用です。例えば、公務員だったり医師だったり、大手企業にと勤めているなどは、いい属性となります。もし転職の予定などがある場合は、できるだけ有利な属性になってからローンの審査に望むようにするといいでしょう。
ローンに強い不動産投資会社を選択する
不動産投資をする場合は、不動産投資会社を通して物件を購入することになるかと思います。その際、一緒に提携ローンの案内をしてくれる不動産投資会社もあります。不動産投資会社によっては、ローンに強い不動産投資会社もあります。ホームページなどを確認し、ローンに強い不動産投資会社を選択することで金利を抑えることができます。
繰り上げ返済する
繰り上げ返済とは、本来の返済額より多くローンを返済することです。繰り上げ返済をすることで、金利に対して返済額を減らすことができます。ただし、繰り上げ返済には手数料がかかったり、手持ちのキャッシュが減るため、適切なタイミングで行うようにすることが大切です。
借り換えを行う
不動産投資ローンをすでに借りていて金利が高いという場合、より金利が低い業者への借り換えも検討しましょう。借り換えとは、ローンをそっくりそのまま別の業者に移すことです。金利が1%違えば数百万と返済額に違いが出る場合もある不動産投資では、より金利が低い業者があれば、積極的に借り換えを行うことで、利回りを上げることができます。
金利が低い時期を狙う
金利は世界の経済状況だったり、日銀の金利など、様々な要素で日々変動しています。2022年6月現在では、日銀が低金利政策をとっていることもあり、金利も低く抑えられています。今後の世界情勢として、アメリカで利上げが始まったのに伴い、日本でも金利が上昇する可能性もあります。
不動産投資ローンを組む場合は、そういった経済状況にも注意し、金利の動向を意識しておき、上がりそうになる前だったり、下がりそうだなというタイミングを狙うといいでしょう。
まとめ
不動産投資ローンをどれにするかということは、不動産投資を成功させるうえで重要なポイントです。ここでも情報をしっかりと集め、自分にとって最適な選択をするということは変わりません。不動産投資ローンは商品も沢山あり、比較検討するのが大変ですが、金利相場を知っていれば、目安をつけてから検討することができると思います。ぜひベストな選択を見つけてくださいね!