不動産投資をするにあたり、多くの方が不動産投資ローンを組むことになるかと思います。しかし、ローンは借金です。早く返せば返すだけ、物件の利回りは上がっていきます。そこで余裕がある時に積極的に使っていきたいのが繰り上げ返済です。
しかし、銀行側にとっては、出来るだけ長くローンを借りて貰い、金利で儲けたいというのが本音です。そのため繰り上げ返済には手数料があったりと、仕組みを知らないと損をすることもあります。そこで今回は、不動産投資ローンの繰り上げ返済で損をしない方法をお伝えします。
不動産投資ローンの繰り上げ返済とは
不動産投資ローンの繰り上げ返済とは、文字通り不動産投資ローンを本来返すべき金額よりも多く返していくことです。繰り上げ返済を行うと、その分返済期間も短くなり、返済額も減るため、ある程度余裕が出てきたら、繰り上げ返済をしたいと考える人もいると思います。
知らないと損をする！繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済には、実は2種類のタイプがあります。「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類です。
返済期間短縮型は、繰り上げ返済をしても返済額は変えずに、返済期間のみが短くなる方法です。例えば、100万円のローンを年間10万、10年間で返済している場合、50万円を返済して残りの期間を5年間にするというイメージです。支払い期間が短くなるので、利息を大きく削除できます。
対して返済額軽減型は、返済期間はそのままですが、月々の返済額を減らすことがでいます。100万円のローンを10年支払いで毎年10万円返済していた場合、50万円を返済したら、月々の返済金額が5万円に減額されるというイメージです。返済額が減るので、手元に残せるお金が多くなります。
繰り上げ返済のメリットとは
繰り上げ返済には良い点もありますがデメリットもあります。自身の状況と合わせて、しっかりとメリットとデメリットを把握することで、一番有利な選択を取ることができます。
総返済額が減る
繰り上げ返済の目的として、やはり金利を減らし、総返済額を減らしたいというものが大きいでしょう。繰り上げ返済を行うことで元金が減るため、その分支払い総額は減額されます。
月々の返済額を減らせる
繰り上げ返済を行うことで、総返済額が減ります。結果として、月々の返済額を減らすことが出来ます。ローンは不動産投資の支出の中でも大きなものです。返済額が改善されることで、利回りも改善されます。
変動金利のリスク管理になる
不動産投資をするうえで考えなくてはいけなのが、金利の変動リスクです。金利が1％上がっただけで返済額が数百万あがるという可能性は十分にあります。繰り上げ返済をし、総返済額を減らしておくことで、金利変動リスクを減らすことができます。
繰り上げ返済のデメリットは
繰り上げ返済にもデメリットはあります。
手数料がかかる
始めにお伝えしたとおり、銀行としては出来るだけ長い期間ローンを利用してほしいという思いがあります、そのため繰り上げ返済については手数料がかかる場合があります。せっかく繰り上げ返済をしても、手数料分を考えると得してない、そんなことがないようい手数料を確認しておきましょう。
確定申告額が変わる
繰り上げ返済をすることで、ローン返済額が減り、所得が増えます。そして金利が減ることで経費も減り、確定申告額が変わることになります。不動産投資を節税対策としてやっているという場合は、税金が上がってしまうことも頭にいれて繰り上げ返済を行う必要があります。
低金利の場合は効果が薄い
繰り上げ返済の一番のメリットは利息が減ることです。しかしもとから低金利のローンだった場合は、その効果が薄くなります。手数料負けしたり、節税効果から考えると、デメリットの方が大きい、といった状態にならないように注意が必要です。
繰り上げ返済をする時に気を付けるポイントとは
繰り上げ返済にはメリットだけでなくデメリットもあることはわかったと思います。では、繰り上げ返済はどういった時に行うべきなのか、ポイントをお伝えしたいと思います。
修繕費などキャッシュを確保する
繰り上げ返済をするということは、それだけ手元からキャッシュがなくなるということです。しかし、繰り上げ返済をすることで、修繕費など本来なくてはいけないお金を用意できなくなっては本末転倒です。繰り上げ返済をしても、十分なキャッシュを手元に残せるのか、しっかりと検討しましょう。
2件目の可能性を考える
もし、今後新たに物件を購入し、ローンを組む予定があるという場合は、頭金を確保しておく必要があります。繰り上げ返済を行ったことで、頭金を用意できないとなると、2件目の購入が難しくなってきます。2件目の可能性をしっかりと考えておきましょう。
利息が高い物件から返済する
もし複数物件を運用していて、手元に繰り上げ返済を行う資金があるという場合は、出来るだけ利息が高い物件から返済していくようにしましょう。そうすることで、繰り上げ返済の効果もより大きくなります。
まとめ
繰り上げ返済は、上手く利用すれば物件の利回りをあげるための有効な手段になりますが、手元からキャッシュがなくなることになるので、注意が必要です。しっかりと自らの状況を把握し、最も適切なタイミングで行うようにしましょう。
