不動産投資ローンは、不動産投資をするならほとんどの人が利用することになるかと思います。不動産は投資金額が大きいため、金利が1%違うだけでも数百万円という差が出ることがあるので、少しでも有利な条件でローンを組みたいですよね。
ただ、知識がなかったり、タイミングで思うようにいい条件でローンを組めなかったという人もいるかもしれません。そんな時に利用してもらいたいのがローンの借り換えです。
借り換えとは、簡単にいえば他のローンに借り換えることです。今よりいい条件のローンがあれば、借り換えを賢く利用することで、金利を抑え、不動産投資の収益を伸ばすことができるでしょう。本記事ではよりお得に不動産投資の借り換えを行う方法についてご案内させていただきます。
借り換えのポイント
不動産投資ローンの借り換えは、しっかりと行うことができれば金利を抑え、投資の利回りを高めることができます。ここでは借り換えのポイントを解説します。
借り換え前に交渉を
不動産投資ローンを借り換えする場合は、現在ローンを組んでいる会社に全額返済を行う形になります。しかし、貸している業者からすれば、金利を下げていても借りてもらっていた方が得です。そのため、借り換えを持ち掛け金利を下げて貰える可能性があります。借り換えを考える場合は、現在借りている業者に、金利引き下げなどの相談をしてみるようにしましょう。
正確なシミュレーションを行うこと
不動産投資ローンの借り換えは、当たり前ですが総支払額が減らなくては意味がありません。そのためにも、必ず正確なシミュレーションを行うようにしましょう。ローンにも色々な種類があったり、繰り上げ返済もあったりと、なかなか自分で計算するのも大変です。そんな時は各業者が用意しているシミュレーターなどを使ってみましょう。
借り換え先の審査通過を確認する
借り換えを行うには、借り換え先のローンの審査を通過する必要があります。もしも、借り換え先の審査を通過せず、現在のローンの解約を行ってしまうと、お金がないのに一括返済をすることになってしまいます。必ず、借り換え先での審査通過、ローンが組める状態を確認してから、元のローンの解約を行いましょう。
信用情報に応じて借り換えの検討をする
ローンの金利は、借りる場合の本人の属性や信用情報に左右されます。ローンを借りる際は、できるだけ有利な条件でローンを借りるよう比較検討していると思いますので、同じ状況で借り換え先を探しても金利が変わらない場合があります。しかし、年収が上がったり、資産が増えるなど状況が改善されれば有利な条件で借りられる可能性があがります。融資時、属性が悪く高い金利でローンを組んでしまったという場合は、属性が変化した際、借り換えを検討してみましょう。
借り換えのメリット
不動産投資ローンの借り換えのメリット、デメリットを解説します。借り換えにもデメリットがありますので、よく考えて検討しましょう。まずは借り換えのメリットから解説します。
金利が下がる
借り換えの目的なので当たり前ですが、借り換えをすることで金利が下がります。不動産投資は、投資金額が大きいだけに、少しの金利さでも大きな効果があります。1%上金利が下がるのであれば、借り換えを考えましょう。
信用力があがる
借り換えを行うということは、新たに金融機関の審査を通過することになります。一般的に、他の銀行がローンを通過させているということは、信用力を高める指標となります。企業などでも、メインバンクが融資をすると他の会社からも受けられるという現象がありますが、それと同じく、借り換えによってローンの信用力を高め、今後の投資を有利に進めることができます。
借り換え先の特典を受け取れる
不動産投資ローンの借り換えは、借り換え先にとっては競合からライバルが自社の顧客となってくれる絶好のチャンスです。そのため特典を用意している会社も少なくありません。借り換えを行うことでこれらの特典を受けることができます。気になる会社があればぜひ一度確認してみましょう。
借り換えのデメリット
不動産投資ローンの借り換えは、メリットだけでなく、デメリットもあります。
費用・手間がかかる
不動産投資ローンを借り換えるということは、今のローンを解約し、新たにローンを契約することになり、その手続きを行う必要があります。印紙代、登録免許税、登記費用など、少なくない諸費用と手続きは避けられません。借り換えの際は、これら諸費用も含め得するかどうかを必ず考えましょう。
金利が上がる可能性がある
不動産投資ローンは、固定相場制ではなく、変動相場制をとっている会社が多いです。変動相場制であれば、当然金利は変化します。ローン会社の条件によっては、借り換え前よりも金利が上がってしまう可能性があります。どういった条件で金利が変動するのかを必ず確認しておきましょう。
借り換えできない場合がある
不動産投資ローンは、必ず借り換えができるわけではありません。色々探し回って、いい条件のローン会社を見つけたものの、申し込んでみたら借り換えができなかったということもありえます。借り換えを考える際は、出来ない可能性もいれておきましょう。
不動産投資ローン借り換えの流れ
不動産投資ローン借り換えの流れを説明しておきます。
ローンの確認
まずは現在借りているローンの状況を確認しましょう。金利はどのようになっているのか、変動相場制であればどういう条件で変動するのか、現在の返済額と残債、また解約する際の一括返済手数料がかかるかなど。この確認を怠ると借り換えても意味がないという結果になる可能性があるのでしっかりと確認しましょう。
借り換え先の検討
現在のローン状況を確認したら、それに合わせて借り換え先の検討を行います。金利が現在より低くなるか、総支払額はきちんと圧縮されるかなどを確認します。また、出来れば借り換え利用可能と掲示している業者を選ぶといいでしょう。借り換え対応可能な期間であれば、借り換えについて相談することができます。
お勧めの借り換え業者
不動産投資ローンの借り換えは、いい条件のローンがあればぜひ実施していきたいものです。ここでは借り換えにお勧めの業者と特徴を紹介します。(各銀行の諸条件については、あくまでも目安としてお考え下さい。)
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が100%出資を行っています。設立された目的としては、一般の金融機関を補完するものであり、産業の活性化を促すものです。そのため、金利は通常より低く設定されています。
しかし、不動産ローンを受けるにあたっては、投資目的ではなく、不動産賃貸業として受ける必要があります。また、担保評価も厳しく、自己資金を多めに用意する必要がある、返済期間が20年程度と通常のローンと比べて短いなどの特徴があります。
SBJ銀行
SBJ銀行は、韓国の銀行である新韓銀行の日本拠点として設立されました。設立年は2009年と、金融機関としては非常に若い銀行です。特徴としては、日本在住の外国人向けのローンを取り扱う目的だったため、属性が悪くてもローンを借りやすいという点が挙げられます。ただし、自己資金として10%~20%を求められる、また金利がやや高いと言った特徴があります。
スルガ銀行
スルガ銀行は、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」事件で有名になりましたので耳にしたことがある人も多いと思いますが、不動産投資ローンを扱っています。事件の影響もあり、大丈夫かと思う方もいると思いますが、事件をきっかけに体質は大幅に改善され、融資業務を再開しています。スルガ銀行は、ローンを使える年収が800万円以上と高いものの金利が安いのが特徴です。属性がいいというのであれば、積極的に借り換えを考えたい銀行の内の一つです。
オリックス銀行
オリックス銀行は、オリックスグループが運営する銀行となります。オリックスといえば、野球で知っているという方も多いのではないでしょうか。オリックス銀行の特徴としては、不動産の所在地が首都圏・近畿・名古屋・福岡に限られている点に特徴があります。また、金利に変動金利、3年固定金利特約型、5年固定金利特約型の2種類がある点も他の銀行と異なっています。
りそな銀行
りそな銀行は貸出残高で4番目にあたり、メガバンクと肩を並べる銀行です。不動産投資ローンにも積極的ですが、融資エリアは他の銀行よりもかなり狭く、支店がある範囲に限られる点に注意が必要です。またりそな銀行の特徴としては、収益還元法で物件を評価している点にあります。収益還元法で物件を評価するということは、築年数が古い場合でも利回りが高ければ融資を受けられる確率が高くなります。中古でいい物件があるが融資が不安、そんな時はりそな銀行を頼ってみるといいでしょう。