NISAで始める資産運用!!メリットやデメリットを徹底解説します。

「貯蓄から投資へ」という言葉を耳にしたり、目にする機会が増えています。しかし、日本人の家計金融資産を見てみると、依然として、投資よりも現金・預金が主なものとなっています。

なかなか投資が浸透しない中、政府は、投資に対する非課税制度などをスタートし、投資への動きを後押ししようとしています。

この低金利の時代ですので、老後のお金のことを考えると、やはり投資による資産運用は必要です。この非課税制度を利用して投資をお得に始めるために、NISA(ニーサ)について、メリット・デメリットなどを解説して行きます。

低金利の今だから非課税制度を利用して資産運用を始めてみよう

この低金利の状況では、預金で資産を増やすことは、ほぼ不可能です。資産を増やそうと思えば、ある程度のリスクを取ってでも、株式や債券、投資信託などの金融商品、または、不動産などに投資をするしかありません。

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そんな時だからこそ、少しでも賢くお金を増やす仕組み作りをしたいですよね。しかし、預貯金の利息も、投資信託や株式の配当、売却益には、20.315%の税金がかかります。

リスクを取って投資をしてようやく利益が出ても、約20%は税金として持ってかれてしまいます。

しかし、NISAやiDeCo(イデコ)の制度を利用すれば、利益や配当金に対する税金が免除となり、資産運用を有利に進めることができます。

NISAは最大10年までの投資ですので、中期的な資金運用として、iDeCoは退職後を見据えた運用として、それぞれ利用目的が異なりますが、この非課税制度を利用して資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?

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NISAとは何か

NISAとは、2014年1月からスタートした、少額からの投資を行うための非課税制度です。

一般的には、資産運用で得た利益に対しては、20.315%の税金がかかります。しかし、一定の条件をクリアすれば、NISAを利用すると、その税金が免除されます。

例えば、投資信託に投資した場合、普通分配金と売却時の譲渡益が非課税になります。

現在のところ、NISAの制度は2023年まで継続して実施される予定です。

NISAの概要は以下の通りです。

利用できる方 日本にお住まいの20歳以上の(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数 1人1口座
非課税投資枠 新規投資額で毎年120万円が上限(非課税投資枠は最大600万円)
非課税期間 最長5年間
投資可能期間 2014年~2023年

出典 金融庁ホームページより

NISAのメリット

NISAの最大のメリットは、NISA口座で購入した金融商品(株式や投資信託など)の配当金、譲渡益などが非課税になることです。

少額からの投資が可能で、5年間、NISA口座で年間120万円の範囲内で投資した金融商品から得た利益(配当金や譲渡益など)に税金(20.315%)がかかりません。

5年間で年間120万円ですので、総額600万円の投資の利益が非課税になるということです。

なお、その年の非課税投資枠(120万円に満たない分)があっても、翌年に繰り越すことはできませんのでご注意ください。

NISAのデメリット

しかし、NISAを利用する上で気を付けなければならないこともあります。

まずは、NISAは一人で一口座しか開設できません。手数料を見ながら、この商品はこの証券会社でといったことができません。ですので、どこの金融機関で口座を開くかというのは重要です。金融機関は一年単位で変更は可能ですが、手間はかかりますので、最初開設した口座を利用し続けるというのが現実的でしょう。

また、NISAは新規投資が対象なので、保有している株式や投資信託をNISA口座に移管することはできません。

また、NISA口座で取り引きした損益は、他の口座(特定口座や一般口座)などと損益通算ができません。また、損失が出たとしても、翌年以降に繰り越すことはできません。

NISAは投資した年から5年間以内に限り、税務的な優遇措置が得られます。従って、投資した株式や投資信託が値上がりしていた場合、5年以内に一旦売却して利益を確定する必要があります。(別途後述するロールオーバー制度を取ることにより、売却のタイミングを延長することもできます)

つみたてNISAとは

つみたてNISAは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年1月からスタートした非課税制度です。

なお、「NISA」と「つみたてNISA」を併用することはできません。(どちらもiDeCoとの併用はできます)

制度設計自体は、ほぼNISAと変わりませんが、非課税期間が20年間と長く、そのかわり、非課税枠は毎年40万円と少額で、更に、非課税対象となる投資商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られています。インデックス型投信やETFなどです。従って、個別銘柄の株式に投資をして値上がりを狙うような投資には向いていません。

NISAを利用するか、つみたてNISAを利用するかは、自分の投資スタイルやライフプランに合わせて、決めるようにしましょう。

ジュニアNISAとは

ジュニアNISAは、未成年の方でも非課税制度が利用できるよう、2016年1月にスタートした制度です。

制度自体はNISAをモデルに設計されており、非課税期間も5年間と同様ですが、非課税投資枠は年間80万円であったり、18歳までは払い出し制限があったりなど、未成年に合わせて条件が設定されています。

子供の教育費の中では、高校卒業から大学入学にかけてが最もお金がかかる期間と言われています。そのような教育にお金がかかる時期の備えとして、ジュニアNISAを活用するのも良いでしょう。

ジュニアNISAを利用すれば、家族全員がNISAを利用できることになります。

NISAの始め方

NISAを始めるには、金融機関に口座を開設する必要があります。その流れはどのようになるのでしょうか。

①口座開設の金融機関を選定する

NISAは、ほとんどの金融機関(銀行、証券会社など)で取り扱っており、NISA用の口座を開設することができます。

手数料や扱っている投資信託に内容をよく確認して、利用したい金融機関を選定して、口座開設の手続きを取りましょう。NISA口座は一人で一口座しか開くことはできません。また、1年単位で金融機関を変更することはできますが、それはそれで手間がかかりますので、長く使うことを考えて選ぶようにしましょう。

なお、つみたてNISAを始める場合は、利用できる投資商品が限定されています。対象となる投資商品はネット証券の方が、取り扱いが多いので、つみたてNISAを始める方は、ネット証券がおすすめです。

②口座開設手続き

口座開設は、一般的な口座開設手続きとほぼ変わりません。NISA口座専用の用紙・画面から登録手続きをしますが、ここで、NISAかつみたてNISAにするかを指定します。

ちなみに、金融庁の調べによると、2019年12月時点で、NISA口座はつみたても含めて、約1,365万口座開設されているとのことです。つまり、国民の約10人に1人はNISA口座をもっているという計算です。

口座開設に合わせて、本人確認とマイナンバー確認書類の提出が必要となります。

NISAは非課税制度ですが、税務署などへの届け出は、金融機関が行ってくれます。

③口座への入金と注文

金融機関から口座開設の完了通知が来たら、指定された口座に資金を送金して、自分の口座に入金されれば、注文を出して、取引を始めることができます。

NISAの注意点

実際にNISAを利用するうえで注意するポイントがいくつかあります。

非課税枠の上限と有効期限

NISA口座での非課税枠には上限があります。年間120万円で最大で600万円です。スタート日は口座開設日ではなく、実際に投資をスタートした日からになります。

しかし、計算は年単位で1~12月を1年と数えますので、2021年12月から投資を開始しても、2021年は1か月でも、1年とカウントします。従って、有効期限の5年間は2021年から2025年12月までです(実際には2021年12月から2025年では、4年1か月ですが)。そのため、”最長”5年間という表現が使われています。

また、年末をまたぐ取引には注意が必要です。その取引をどの年にカウントするかは、受渡日が基準となります。株式などは、取引日(約定日)から3営業日に受け渡しが行われます。従って、年末近くに注文を出して約定しても、受け渡しが翌年であれば、翌年の枠にカウントされます。

ちなみに、120万円は残高でなく、投資実行金額ですので、保有している有価証券を売却しても非課税枠が復活するということではありません。

非課税枠の未使用分

1年間で120万円の枠を使いきれなかったとしても、翌年にその分を繰り越すことはできません。従って、次の年を迎えた時点で、非課税枠がリセットされるので、そこからまた120万円の枠を使って投資を開始することになります。

ロールオーバー制度

NISA口座を利用できるのは5年間ですが、5年間の非課税期間が終わる前に、ロールオーバー手続きを取ることにより、更に5年間、非課税口座で保有し続けることができます。

つまり、非課税期間が終了する際、NISA口座で保有している金融商品に関しては、「ロールオーバーする」、「売却する」、「課税口座に移す」の3パターンが選択できます。

保有している金融商品が購入時から順調に配当を出して、値段が上がっていれば、ロールオーバーする方が有利ですが、ロールオーバー後に値下がりしてしまうと、ロールオーバーする前に売却するか、もしくは、一般口座に移して売却し、他の利益が出ている金融商品と損益通算する方が良かったことになります。

このように3パターンのうち、どれを選択するべきかというのは、正解がありません。積立として長期保有している金融商品であればロールオーバーし、値上がり益狙いの投資であれば、ロールオーバーしないということもありだと思います。

口座開設は2023年まで

現在のNISAの制度では、口座開設は2023年までになります。

なお、2024年以降は新NISAの制度がスタートする予定で、概要も決まっています。新NISA制度は、より安定した長期投資向きの設計となっています。

ファンドマネージャーからのアドバイス

NISAには、いろいろと制約がありますが、非課税というメリットは大きいので、資産運用を始めるのであれば、NISAを利用しない手はありません。

資産運用が本業であれば、一般口座で損益通算を利用する方が良いですが、ほとんどの人は資産運用は副業だと思います。

他の記事でも解説していますが、副業として行う資産運用は、分散投資・長期投資・積立投資がお勧めです。この観点からみると、つみたてNISAで資産運用を始めるのは理にかなっています。

2024年から始める新NISA制度も、より積立投資を後押しするものとなっています。

筆者も若い頃、仕事の合間を見つけて株式を売り買いしてみましたが、なかなか、利益を出すのは難しいと思いました。成功した投資は、長期トレンドで上昇する流れに身を任せることでした。

まとめ

NISAは2014年からスタートした、金融商品の配当益や譲渡益が一定期間非課税になる制度で、既に国民の約10人に1人が、専用口座を開設している制度です。

金融商品の利益に対する税金は、一般的に20.315%ですので、非課税になるメリットは大きいです。資産運用を始めるのであれば、NISAを利用するのがお勧めです。

現行のNISAは2023年で終了してしまいますが、2024年からは新NISAの制度がスタートします。資産形成のために、つみたてNISA、新NISAを利用して、積立投資でコツコツと将来への備えをしましょう。

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