不動産投資で重要なキャッシュフローとは?計算方法とプラスにするためのポイントを徹底解説!!

不動産投資における基準として、「利回り」「坪単価」などがありますが、「キャッシュフロー」はそれ以上によく使われる指標です。

不動産投資を成功させる上で、キャッシュフローをいかに高めるか、また、マイナスのキャッシュフローをいかに抑えるかは需要な鍵です。

キャッシュフローとは、現金(キャッシュ)の流れ(フロー)のことで、月々に得られる収入から支出を引いて手元に残る資金(もしくは流失する資金)です。

この記事では、キャッシュフローが不動産投資においていかに重要であるかということと、その計算方法を説明して行きます。

不動産投資におけるキャッシュフロー

通常、キャッシュフローを計算する際は、月々の現金収支で考えますが、不動産保有中に発生する収入と支出は以下の通りとなります。

キャッシュイン(収入)

  • 毎月入るもの
    ①家賃収入
  • 入る可能性はあるが、あまり計算できないもの
    ②礼金
    ③更新手数料
  • 一時的に預かっているもの
    ④敷金
    ⑤保険費用
  • 他の収入次第では戻ってくる可能性があるもの
    ⑥税金

キャッシュアウト(支出)

  • 毎月支払うもの
    ①管理費、修繕積立金(マンションの場合)
    ②管理会社への手数料
    ③ローンの利息と元金返済
  • 年単位で支払うもの
    ④固定資産税・都市計画税
    ⑤保険費用
  • 発生に応じて支払うもの
    ⑥空室募集経費
    ⑦修繕経費
    ⑧確定申告報酬(税理士に納税手続きを依頼する場合)
  • 他の収入次第では支払う追加で支払う可能性があるもの
    ⑨税金

キャッシュフローの計算方法

一般的にはキャッシュフローは、月ごとの現金収支で計算します。上で解説したもののうち、太字で記したものを用いて計算します。

(一か月の)キャッシュフロー=収入(家賃)-支出(管理費、修繕積立金、管理会社への手数料、ローンの利息と元金返済)

よく不動産会社の営業マンが、「この物件は収支プラス」ですとか、「収支マイナス約10,000円」と言ってるのは、この式によるものです。

しかし、厳密に言えば、固定資産税・都市計画税は毎年支払うものですし、保険費用(火災保険・地震保険)も数年払いの方法も取れますが、基本的には定期的な支出が発生します。

つまり上記のキャッシュフローの計算方法はあくまでも目安であり、その他、定期的に支払ったり、発生に応じて支払うものがありますので、「収支がプラス」だから一切の持ち出しは無いと考えるのは危険です。

厳密にキャッシュフローを計算するのであれば、以下の式で計算すべきでしょう。

厳密なキャッシュフロー=収入(家賃)-支出(管理費、修繕積立金、管理会社への手数料、ローンの利息と元金返済、固定資産税・都市計画税と保険費用の1ヵ月相当分、修繕・募集予備費の期間按分

修繕・募集予備費の期間按分に関しては、保有している不動産のタイプや築年数によって異なり、計算が難しいので、とりあえず、今の段階ではかかる可能性があると認識していただくことで大丈夫です。

キャッシュフロー計算が重要な理由と注意点

不動産投資は長期的な投資です。また、株式投資であれば、投資した後に追加で経費がかかることはありません。しかし、不動産投資は、常に収入と支出が発生する投資です

株式投資であれば、投資した銘柄の値動きだけに注意しておけば良いですが、不動産投資は、不動産自体の値動きは少ないので、価格の変動にそこまで気にする必要はありませんが、収入と支出の状況、つまりキャッシュフローの状況により気を配る必要があります。

理由その1:投資の基準となる

キャッシュフローは、「利回り」や「坪単価」と並んで、投資の際の基準となります。

上記で解説したように、あくまでも目安ではありますが、月々の支払いがプラスかマイナスか、またはいくらになるかというのは気になるところです。

また、売却する際の価格はその時にキャッシュフローが基準となりますので、いざ売却する時に高値が付くよう、キャッシュフローは多いに越したことはありません

当然、家賃や管理費もありますが、次に購入する人が良い条件でローンを調達できるかも重要です。金融機関の担保評価が高い物件ですと、次に購入する人にとってもキャッシュフローが良い物件と言えるでしょう。

理由その2:資金計画突然の出費(キャッシュアウト)に備えることができる

不動産投資においては、さまざなリスクがあります

空室リスク、修繕発生リスク、金利上昇リスク等、キャッシュフローにインパクトを及ぼすリスクの発生に備えて、その資金を不動産投資の収入で賄えるか、また、一部もしくは全部を給与収入を源泉とした預貯金から支出することが必要なのかを把握しておく必要があります。

月々の(マイナス)キャッシュフローの幅が、自身の収入には大きすぎで、預貯金が確保できない場合もありますので、キャッシュフロー計算をすれば、そもそも自分の収入やライフプランの中で投資を実行すべきかどうかを判断することができます。無理は禁物です!!

また、キャッシュフロー計算における注意点は以下の通りです。

注意点その1:他の収入と混ぜて考えない

全ての支出と収入を同じ銀行口座で管理してしまうと、一体、不動産投資でどの程度のお金が入ってきたか、また、どの程度の支出があったのか分からなくなってしまいます。

実は、キャッシュフローが悪化していたものの、銀行口座には給与収入などがあり余裕があったので、後になって気づいたなんてこともあります。

また、アパート投資など部屋数が多ければ、預かる敷金も多くなります。しかし、敷金はあくまでも預かっているお金ですので、自由に使えるお金ではありません。利息と元金返済、修繕費用に使ってしまわないようにしましょう。

基本的には、不動産投資をした場合には、別に専用口座を作って、キャッシュフローを把握すべきでしょう

注意点その2:キャッシュフローの変化を予測すること

不動産投資で物件の選定基準でキャッシュフローが大切であることを説明してきましたが、キャッシュフローのみで物件の良し悪しを考えてしまう方が、時々いらっしゃいます。

築年数が古かったり、地方の物件は、一見、キャッシュフローが良く見えますが、空室が長く発生したり、修繕費用がかかったりなどで、キャッシュフローが悪化するリスクが高いと言えます。

逆に新築マンションは、キャッシュフローがマイナスのものがほとんどですが、キャッシュフローは安定しています。

立地によっては、家賃が上がる場所もありますので、むしろキャッシュフローが改善するなんてこともありました。

キャッシュフローの変化に関しては、不動産会社の方でもシュミレーションを作ってくれますので、分からない方はよく相談しましょう。キャッシュフローは、時間の経過とともに変化するのを頭に入れておきましょう。

キャッシュフローをプラスにする要素

キャッシュフローは年々変化していくものですが、現状維持、もしくはプラスにするにはどうしたら良いでしょうか。

その1:家賃収入

一般的には、投資した不動産の家賃収入は物件の経年劣化とともに、少なくなると言われています

また、空室になるリスクも高くなります。近隣に新しい物件が供給されて、賃貸ニーズが変わらなければ、需要と供給の理論で、当然、古い物件の需要は下がります。

では、家賃収入を維持・アップするにはどうしたら良いでしょうか?

まずは「立地」の良い物件を選ぶことです。賃貸ニーズが旺盛な利便性の高い駅で、新しい物件が供給されにくい駅に近い物件は家賃が下がりにくい傾向にあります。

また、新線の開通や都市整備により、今後人口の増加が見込まれるような地域は、逆に家賃が上がる場合もあります。立地はキャッシュフローに大きく結びつきますので、物件選びの一番の条件にしてください。

更に、設備や管理状況も重要です。セキュリティ対策が万全な物件(オートロック、監視カメラ、道路付けなど)や便利な設備(浴室乾燥機、宅配ボックスなど)は、賃貸人気が高い物件と言えます。

その2:銀行ローン

銀行への月々の支払いを少なくするのは以下の方法です。
①借入金額を減らす(頭金を多くする)
②借入期間を長くする
③低い金利で借りる

できれば、頭金を多く準備すれば、月々の支払いは楽になります。

築古の物件ですと税務上の耐用年数(鉄筋コンクリート造であれば47年)の問題もあり、借入期間が短くなってしまい、利回りは高いものの、キャッシュフローは新築とあまり変わらない場合もあります。

不動産投資用のローンは住宅ローンと違い、低い金利への借り換えは難しいですが、手元に余剰資金があれば、繰り上げ返済して、ローンの金額を減らし、更に、プラスになったキャッシュフローで繰り上げ返済を行うといった、キャッシュフローの好循環を生み出すことができます。

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不動産投資ローンとは投資用不動産に対する貸付のことで、10~35年程度の長期でかつ元利均等返済が可能な借入です。また、一般の住宅ローンは自宅として居住する物件の購入や改築のみに適用される借入です。こ...

その3:管理会社

賃貸管理会社の手数料をよく確認しましょう。

月々の手数料が安くても、更新手数料や礼金は賃貸管理会社が全て受け取るような場合もあります。逆に、月々の手数料が高くても、礼金や更新手数料は自分で受け取れる場合もあります。

トータルで考えて、どの方法が特になるのか計算してみましょう。

また、修繕に関する保険的なものが付いている管理会社もあります。

新築であればあまり必要はないと思いますが、築20年近い中古物件ですと設備更新の時期にもあたりますので、そのような保険的なものを付ければキャッシュフローに関するリスクは低くなります。投資した物件のタイプや築年数に合ったプランにしましょう。

また、管理会社は賃貸に強い会社であれば、空室リスクや家賃値下がりリスクを回避することができます。

見た目の手数料だけなく、管理会社の特徴・業歴・規模やその他の付帯条件をよく確認してキャッシュフローを維持するのに役立つ管理会社を選びましょう。

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まとめ

ここまで不動産投資におけるキャッシュフローの計算方法、考え方を解説しましたが、キャッシュフローは不動産投資において最も重要な指標となります。

これは、取得前・取得後、更には売却時まで関わってきます。

常にキャッシュフローの状況を把握し、上下を予測・コントロールしていくことが、必要です。

投資初心者の方にとっては、なかなか難しいことだとは思いますので、最初は立地の良いマンション投資など、キャッシュフローが予測しやすい投資から始めるのをお勧めします

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