不動産投資を始める前に知っておきたい、不動産投資のメリットやリスク(デメリット)について解説します

不動産投資を始める前に、まずは、不動産投資のメリット・リスク(デメリット)をきちんと理解しておくことが大切です。

何となくで始めてしまうと失敗してしまうこともありますので、他の投資との違いやメリット・リスク(デメリット)を理解したうえで、投資に進むことが、成功への近道になるでしょう。

不動産投資のメリットとは

投資には株式、為替(FX)、債券、金、暗号資産などいろいろな種類・方法があります。それらの投資に比べて、不動産投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

不動産投資特有のメリットを中心に紹介していきます。

メリット1:不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資

不動産投資は、投資の中では、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われています。

預貯金・債券など元本保証の投資は、元本が保証されているものが多く、安全性は高いものの、現在はほとんど利息が期待できません。

反面、株式や為替(FX)などは、一年で10%以上の利回りを期待できますが、元本が保証されていないので、大幅に元本を毀損してしまうリスクもあります。

不動産投資は、その中間で、利回り的には年3~5%程度ですが、価格変動もそれほど大きくないので、短期間で価値が大幅に毀損してしまうリスクが低い、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と位置づけられます

メリット2:不動産投資はローンを利用して投資ができる

不動産投資の最大の特徴は、金融機関からのローンを利用することで、少ない自己資金で始めることができるということです

株式の信用取引や為替の証拠金取引でも、自己資金の数倍の取引をすることは可能ですが、FXの最大レバレッジは25倍です。つまり10万円の自己資金で250万円の投資をすることが可能です。

しかし、不動産取引は10万円の自己資金をもとに、金融機関からのローンを利用することで、2,000~3,000万円の物件に投資をすることも可能です。つまり、投資の中では、最大のレバレッジ効果を得ることができるということです。

もちろん、融資を受けるには審査が必要ですが、サラリーマンや公務員で給与収入が安定している方は、審査が通りやすく、自身の属性を活かして投資をすることができるでしょう。

金融機関も不動産投資は安定した家賃収入で元本と利息を回収できる安全な融資と考えているようで、融資に積極的に取り組んでいます。

メリット3:家賃で安定した収入が入る

不動産投資は、投資した物件を賃貸して、家賃収入を得ることができます。退去による空室が発生しなければ、毎月定期的な収入を得ることができます。

この定期的な収入をローンの利息・元本、管理費、税金などの支払いに充てて行くことになります。

債券投資も安定的に利息を得ることができますが、円での運用を前提にすると、現在の金利水準では、不動産投資ほどの利回りを得ることはできません。

株式投資でも配当金が入りますが、毎年の業績によって変動があるため、場合によってはゼロになることもあります。

メリット4:節税効果が狙える

不動産投資は節税効果も狙うこともできます。

サラリーマンの方であれば、投資開始後1~2年の経費を所得から控除できる場合があります。

もともとの所得が高い方にとっては、建物の減価償却費を活用して、その分を家賃や所得から差し引いて節税につなげることができます。

木造の新築アパート投資であれば、全体の投資に占める建物部分の割合が大きく、建物の減価償却期間が22年と、マンションなどの鉄筋コンクリート造りの減価償却期間47年に比べて短いことから、同じ建物金額であれば、減価償却費を倍ぐらい取れるメリットがあります。

更に、相続税においてもメリットがある場合があります。現金でそのまま相続するよりも、不動産で相続し、相続税評価額を抑える方法もあります。

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メリット5:生命保険の費用が節減できる

万一のことに備え、生命保険に加入している方は多いかと思いますが、毎月、数万円の保険料を支払っていて、家計の負担となっている方もいらっしゃるでしょう。

不動産投資でローンを借りた場合は、一般的に団体信用生命保険(団信)の加入を義務付けられます。団信に加入していれば、不慮の事故や予期せぬ事態が起こり、死亡や高度の障害に陥った場合には、保険金がローン残債を全額返済してくれます。

残されたご家族には、ローンの無い不動産が残りますので、売却してまとまったお金を受け取るか、そのまま保有して

今は団信の進化してきており、3大疾病やがんになった時も保障を受けることができるようになってきています。

この制度のお陰で不動産投資によって一定の生命保険に加入しているのと同じ効果があり、投資ともに一挙両得になります。

メリット6:不動産はインフレヘッジ効果がある

日本だけでなく世界的なインフレが問題となっています。資源価格をはじめとし、食料品など身の回りのモノの価格も上昇しています。

日本では日銀のインフレ率目標2%が、なかなか達成できずにいましたが、ここ最近の統計では2%を上回った物価上昇が確認されています。

居住用不動産(マンション、アパートなど)も含めて不動産投資を行っていれば、一般的にはインフレとともに物件価格は上昇しますので、インフレヘッジになります。

更に、ローンでレバレッジをかけていれば、インフレの進行により、ローンの価値は下がりますので、よりインフレの恩恵を受けることができます。

不動産投資のリスク(デメリット)とは

では、反対に不動産投資にはどのようなリスク(デメリット)があるか、紹介していきます。

リスク1:割高な物件を購入してしまうリスク

物件価格が下がりやすい地域で投資してしまう

不動産は賃料収入に基づき、その価格評価がされる投資商品です。従って、物件のキャッシュフローはとても大切です。キャッシュフローの低下は、物件価格の下落につながってしまいます。

キャッシュフローが低下する主な要因としては、賃料が下落することと管理費・修繕費用が上昇してしまうことが挙げられます。

新築時には賃料も高く、満室であったものの、築年数が経過するにつれ、空室が発生するようになり、賃料を下げて募集することが、結果的に物件価格の下落を招いてしまいます。

当然、どの物件も築年数が経てば、新たに供給される物件に比べると競争力は落ちますが、賃貸需要が弱い地域や駅から遠いなど利便性が悪い地域にある物件は、価格が下がりやすい傾向にあります。

市場価格に対して割高な物件を購入してしまう

株式は取引市場を通じて売買されるので、価格は常にオープンです(市場外取引もありますが、限定された取引です)。

しかし、不動産取引は相対での取引となりますので、自分の購入した金額が市場価格に対して適正な価格であるかどうかを知ることは、簡単はことではありません。

不動産業者の勧めに任せて購入してしまったら、市場価格に比べて割高な価格であったことなんていうことは良くあるケースです。

また、販売業者が設定していた賃料やサブリースの賃料が高く、解約後、新規に募集してみたら賃料が大幅に下がってしまうようなケースもあります。

リスク2:売買の手間や手数料が多い

株式の取引は、口座を開設してしまえば、あとはスマホをタップすることで、取引を完了させることができます。これに対し、不動産は、ネット上で取り引きを完結させることはできません。

対面でやりとりされることが多く、更に、売買契約、ローンの借入契約、売買代金の受け渡しや司法書士に依頼する、法務局での所有権、抵当権登記など、手続き自体も多くあります。

更に、鍵の授受、場合によっては賃貸の募集、内装工事など多岐にわたります。

税務申告手続きに関しても、株などの有価証券の場合は、源泉徴収ありの特定口座にすれば、その証券会社で1年分損益をまとめて、かつ、都度、源泉徴収されているので、確定申告が不要な場合もあります。

しかし、不動産で賃貸収入を得た場合は収入、経費、減価償却費などを計算し、確定申告をしなければなりません。

更に、固定資産税の支払いや、管理費、修繕積立金の支払い、火災保険の(更新)手続きもあります。

不動産投資は、投資の分野では、一番手間がかかる投資と言っても良いでしょう。

リスク3:自然災害リスク(地震・水害など)

日本は地震大国ですが、大規模な地震が発生すれば、不動産は建物の一部が毀損したら、最悪の場合倒壊してしまうこともあります。

更に、近年は気候変動の影響で大型台風や強風、水害も起きやすい状態になっています。

築年数が古く耐震性に劣っていたり、地盤の弱い地域に建設された建物、更には、河川や海に近い地域の物件はこれらの自然災害を受けやすいリスクがあります。

不動産投資は長期の投資です。今は自然災害を受けにくいと思っても、30年後、50年後にその地域や世界の気候がどうなっているかは、なかなか予想がつかないでしょう。

リスク4:入居者や室内でトラブルが発生することもある

入居者に関する代表的なリスクは、家賃の支払いを遅延したり、払えなくなったりするリスクです。家賃延滞が3か月以上になれば、賃貸借契約を解除して、立ち退きを請求することができるとされていますが、お金の無い入居者を立ち退かせるのは、実務上、手間とお金がかかってしまいます。

また、入居者が賃貸借契約書を守らず、他の人を同居させトラブルが発生したり、友人を呼んで夜遅くまで騒ぐなどということも起こります。

不動産所有者は大家さんとして、室内で起こる問題を解決する必要があります。トラブルが発生することは、それほど多くはありませんが、一度発生してしまうと、その解決には手間・時間と費用がかかってしまうこともあります。

リスク5:ローン金利の上昇や資産デフレの可能性もある

不動産投資ローンの金利は、変動型の場合、市場の金利水準に連動して上下します。日本は、長らく低金利の状態が続いていますが、資金需給、景気、日本円の信用度の変化により、今後、金利が上昇することもあります。

米国では、今年に入ってからの金利上昇で30年の住宅ローン金利が固定で6%近くまで上昇しています。

変動金利でローンを借りていて、金利が上昇してしまうと、月々の金融機関への支払い金額増えてしまい、キャッシュフローが大幅に悪化してしまいます。

また、景気後退やデフレが発生すれば、物件価格が下がってしまうこともあります。

リスク6:不動産は流動性が低くすぐに売却できない

株式投資であれば、ほとんどの株式は証券取引所を通じて、すぐに売却を執行することができます。

しかし、不動産は、取引市場がないため、株式のようにすぐに売買を執行することは、難しい投資商品です。

売却となれば、まずは、不動産会社などを通じて、買い手を見つける必要があります。更に、買い手が見つかっても、契約や引き渡しの手続きが必要ですので、一定の日数がかかってしまいます。

このように、不動産取引は流動性や換金性が低く、取引価格も分かりにくいというデメリットがあります。

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不動産投資のリスクを抑えるためのコツ

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不動産投資のリスクを避けるための方法として、セミナーに参加したり、本を読んで事前に知識を得ておくなどの方法がありますが、ここでは、それ以外のコツを紹介していきます。

その1:即決はしない

不動産投資の経験が豊富であれば、即決もありかとは思いますが、投資初心者であれば、物件を紹介されてすぐに投資を決めるのは避ける方が良いでしょう。

不動産営業マンは上手いこと言って、その場での決断を促すことが良くあります。こちらとしても、良い物件が他の人に取られてしまう錯覚に陥ってしまいますので、その場で契約してしまうなんとことはよく聞きます。

しかし、その場では決めずに、一度、自宅に帰って、物件や周辺の賃料相場などについてネットで調べたり、実際に現場を見たり、更には、他の人に相談したりして、心を落ち着かせて考えてみましょう。

その2:不動産投資は長期投資として考える

不動産投資は株式投資のように、短期での値上がりを期待して投資するような商品ではありません。

不動産は購入して売却するだけで、場合によっては、取引価格の10%近い手数料や経費がかかる場合もあります。しかし、不動産価格が、短期間でそれほど大きく変動することは非常に稀です。

不動産投資は売買益よりも保有することで賃料収入を得ることが主な目的となる投資商品です。従って、長期投資として、長期間保有しても良いと思われる立地やスペックの物件に投資をすることが大切です。

その3:リスク補完ができるものを利用する

不動産投資には、火災保険・地震保険以外にも投資リスクを抑えることができる方法があります。

延滞リスクであれば保証会社を利用できますし、オーナーとしての手間を一切省きたいのであれば、サブリースと言った方法もあります。サブリースであれば、空室リスクを避けることもできます。

保険と同様に、リスク補完をするには費用がかかりますので、手間と自分が取れるリスクを考えて、どれを利用する決めるのが良いでしょう。

その4:分かりやすい不動産に投資する

不動産投資には、区分マンション投資以外に、アパート・戸建て投資などがあります。

更に、区分マンション投資でも、都内の新築ワンルームマンションから、地方の築古ファミリータイプまで、さまざまです。

利回りが高かったり、売却益が狙えるものは、不動産投資初心者にとっては、ちょっと難しく感じるものが多いと思われます。最初は、最悪、自分が住んでも良いと思えるような分かりやすい不動産に投資してみたらどうでしょうか。

まとめ

不動産投資のメリット、デメリット・リスクについて解説してきましたが、不動産投資には、他の投資とは違う点が多くあります

。株式投資などであれば、投資金額が数万円から始められますので、とりあえずやりながら勉強というのもできますが、不動産投資は、1,000万円以上の投資となりますので、とりあえず勉強ということはできません。

流動性・換金性も低いことから、失敗したから買いなおすということも難しいので、メリット・デメリットも含めて、不動産投資に関することは、なるべく多くの時間を使って事前に知識を得ておくようにしておいてください。

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