少額の自己資金で大きく儲ける!不動産投資のレバレッジ効果を徹底解説

不動産投資について調べ始めると必ず出てくる言葉が「レバレッジ」です。

不動産投資に限らず、投資の世界においては、少ないリスクで大きなリターンを得たいと考える人は多いでしょう。レバレッジは、この考えを実現化してくれる強力なツールです。

レバレッジ効果をうまく活用することで、同じ投資予算額でもより大きな投資利益を得ることができます。

一見、難しく見えるレバレッジですが、意味と効果を理解することで、不動産投資の戦略の幅はより広がっていきます。ここでは、レバレッジの意味から、不動産投資におけるレバレッジのかけ方や注意点を解説して行きます。

レバレッジと不動産投資

レバレッジの意味

レバレッジ=LEVERAGE(英)とは、英和辞典で調べると、名詞では「てこの作用、てこ装置、力、影響力、借入金」、動詞では「利用する、てこ入れする、借入金で投機させる」と出てきます。

小学校の理科で、力点・支点・作用点を学んだと思いますが、てこを用いると小さな力で動かせないような大きいもの、重いものを動かすことができます。投資の世界においては、「小さな金額で大きな金額の資産を運用する」ということになります

レバレッジという言葉を最も良く聞く投資はFX(外国為替証拠金取引)でしょう。

FXでは、取扱会社によって違いますが、証拠金として入金した金額の5~20倍くらいの金額の外貨を取引することができます。

しかし、値動きも激しいことから、証拠金の追加が求められたり、強制的に売却されたなんてことも聞いたことがあるでしょう。それだけですと、何となくレバレッジは危険な感じがしますね

不動産投資におけるレバレッジ

不動産投資におけるレバレッジとは、少ない自己資金に加えて金融機関からの融資(不動産投資ローン)を利用することで、当初の自己資金では実現できないような大きな投資と投資効果を得るというものです。

例えば、自己資金が500万円で購入できる投資用不動産はなかなかありませんが、金融機関から2,000万円を借り入れることができれば、2,500万円の不動産を購入できます。

つまり、500万円の資金に金融機関からのローンと言うレバレッジを利用して、2,500万円の投資を行うというものです。株式投資では、このようなことは難しく、500万円の資金で2,500万円分の株式を購入することは不可能でしょう。

不動産投資でレバレッジ効果が得られる理由

では、なぜ不動産投資ではレバレッジ効果が得られるのでしょうか?

理由1:担保価値としての不動産

金融機関は融資の際に担保を取り、融資の返済が行われなかった場合など、万が一の事態が生じれば、担保を売却して融資金を回収します。

不動産投資にあたり、金融機関のローンを利用する際、当然、購入する物件は金融機関の担保に供されます。

逆に考えれば、金融機関は投資する不動産の担保価値・収益性が高いと考えていることから、不動産購入価格の70~80%、場合によっては100%近い金額を融資します。

これは、金融機関がこれまで融資・回収した実績を自分で分析し、不動産投資への融資は焦げ付き(失敗)が少ないと認めているからです

金融機関も何も好んで焦げ付きが発生するようなものへの融資はしません。しかし、株式投資や他の投資ではこうは行きません。つまり、金融機関は、他の投資は相対的に失敗するリスクがあると考えている訳です。

理由2:投資利回りとローン金利の差

不動産価格が上昇し、利回りが下がっているとは言っても、投資利回りは、融資金利より高い状況に変わりありません

都心のワンルームマンションのネット利回りが3%だとしても、融資金利は2%ぐらいで、まだ1%の差額があります。

当然、空室により家賃収入が入らなくリスクもありますが、家賃収入が安定していれば、ローンの支払いに困るような状況には、なかなか陥ることはありません。つまり、借りる側にとっては、常に有利な状況にあることから、レバレッジを得ることができます。

レバレッジ投資のメリット

メリット1:投資効率を上げることができる

レバレッジを活用することで、投資効率を上げることができます。自己資金を少なく抑えることで、より効率よく運用資産をの規模を拡大できるというものです。

以下、具体的な例で計算してみましょう。
<仮定の条件>
自己資金:1,000万円
物件利回:4%
ローン金利:2%

①全額自己資金で投資する場合

自己資金1,000万円で1,000万円の不動産を購入します。年間の収益は、1,000万円×4%=40万円です。

②ローンを4,000万円利用する場合

自己資金1,000万円とローン4,000万円で5,000万円の不動産を購入します。年間の収益は、5,000万円×4%=200万円です。
ただし、ローンの金利がありますので、こちらを控除します。ローン金利は、4,000万円×2%=80万円です。
従って、金利差し引き後の年間収益は200万円-80万円=120万円です。

つまり、ローンを活用すれば、年間の収益は80万円、運用資産の規模も4,000万円アップすることになります。

収益でアップした80万円は手元に残るのではなく、借入金の返済に充当される部分がほとんどとなるので、キャッシュフローとしてプラスになる訳ではありません。

しかし、将来的に5,000万円の規模の不動産を手に入れようとしたら、全額自己資金で運用するのと、最初からローンを利用するのでは、スピード感は全く変わってきます

単純計算ですが、ローンを利用する場合の年間収益120万円を4,000万円の返済に充当した場合、4,000万円÷120万円=33.33年 つまり、34年くらいで完済できますが、全額自己資金では34年で40万円×34年=1,360万円のお金が貯まるだけです。

少しずつ、手元資金で買い増して複利運用できれば良いですが、不動産の現物を少額で買い増しすることは、なかなか難しいことから、資産規模5,000万円を目指すのであれば、ローンのレバレッジ効果を利用して、スピードアップを図るのが有効な手段と言えるでしょう

メリット2:団信を目いっぱい利用することができる

不動産投資ローンを借り入れる際に、一般的には団体信用生命保険(団信)への加入が条件となります。

団信に加入すれば、契約者(借入人)が死亡や高度障害状態となった際には、保険がローンの残債を返済しくれますので、ご家族には借金の無い不動産が残ります

ご家族の方は、これを売却してまとまって資金を手に入れることも可能ですし、そのまま保有して、家賃収入を得ることもできます。

このように、不動産投資ローンを利用したレバレッジは、保険効果を狙うことができるというメリットも存在します

デメリットとリスク

いろいろとメリットがあるレバレッジ投資ですが、当然のように、リスクやメリットもあります。

リスク1:キャッシュフローリスク

不動産投資ローンは借金ですので、毎月の利息支払いや元金返済が発生します

これは家賃収入などで、ほぼ賄うことができ、他の経費の支払いもあるので、現状の金融環境・不動産市場では、月々の持ち出しは、多くても、せいぜい、2~3万円といったところでしょう。

この金額は、レバレッジの比率が高くなればなるほど、大きくなります

退去にともない、家賃収入が入らなくなることもありますし、修繕が発生したりなど、不動産投資には、さまざまなキャッシュフローリスクがあります。

レバレッジ比率が高く(ローンの割合が大きく)、毎月の手出しが自分の収入や預貯金に比して大きいと、このようなリスクイベントが発生した場合、金融機関への支払ができなくなってしまうリスクがあります

キャッシュフローリスクを抑えるには、最初の投資であれば、自己資金をある程度入れて、月々の持ち出しがプラスとなるようにすることと、目先の利回りよりも、家賃収入が安定して入ることが期待できる物件に投資することです。

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リスク2:金利上昇リスク

今は歴史的な低金利とは言え、レバレッジのもととなる不動産投資ローンは、利息の支払いが生じます。返済終了期間まで固定金利で借りていれば安心ですが、おそらく、ほとんどの方が変動金利を選択されているでしょう

今の日本の経済・金融情勢を見ると、低金利の状況はまだまだ続きそうです。しかし、コロナ禍でアメリカを始めとした各主要国が大規模な財政出動を競うように開始している影響で、アメリカの長期金利は上昇傾向に転じました

金利が上昇し家賃利回りをも超えてしまうと、マイナスレバレッジの状態となり、レバレッジを掛ければ掛けるほどキャッシュフローがどんどんマイナスになるという逆回転が始まります

変動金利の場合、ローン金利は月々、もしくは何か月か一回の変更となりますが、金利が上昇したからと言って、その分、家賃に転嫁することは難しいですし、そもそも、賃貸契約は一般的に2年間なので、金利同じタイミングと幅で家賃を上げることは不可能です

このように、レバレッジにより金利上昇リスクを抱えていることを十分理解したうえで、早めに固定金利に切り替えたり、繰り上げ返済を利用して、ローン金額を減らしておくというリスクヘッジも検討しましょう

注意点

注意点1:追加で資金が必要になることはある

デメリット・リスクの部分でも解説した通り、ハイレバレッジにはメリットがあるものの、相応のリスクがあります。

「僅かな自己資金と毎月少ない持ち出しで、不動産オーナーになれます!!」などの不動産営業マンの甘い言葉に乗って投資を始めてみたものの、空室が発生したり、家賃が下がったり、修繕費用がかかったりなどで、結局は持ち出しが多く、金融機関への返済が滞ってしまうリスクもあります

また、サブリースで家賃収入が安定していると安心していたら、サブリース先が倒産してしまうなどの事件も起きています

レバレッジをかけても、長期の資金シミュレーションと必要な資金の確保は必須です。

注意点2:誰でも融資を利用できる訳ではない

不動産投資ローンは、誰でも利用ができる訳ではありません。

金融機関が借入人を審査し、購入する不動産の担保評価を行います。審査と担保評価の両方が条件を満たした場合、高いレバレッジを利用することができます

金融機関により借入人の審査は、年収・勤務先・勤続年数・年齢などの他、預貯金の金額まで幅広く調査されます。

一般的には25歳~55歳で、上場企業勤務、勤続3年以上、年収500万円以上であれば、審査は通りやすいと言われています。

ただし、融資の金額が出るからと言って、金利が高くなると効果は薄まります。レバレッジは、物件利回りとの差額に旨味がありますので、今の状況であれば2%より高い金利でしか借りられない方は、自己資金を多く入れて、レバレッジは低くしておきましょう

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注意点3:誰にでも向いている訳ではない

不動産投資初心者や収入・預貯金に余裕が無い方は、レバレッジを高めるのは向いていません

最初の投資であれば、月々の持ち出しがマイナスにならない程度(固都税の支払いも含めて)には自己資金を入れるべきですし、空室リスクを考えれば、半年から一年分の空室が発生しても大丈夫なよう、自己資金を確保しておきましょう。

金利が上がることも、家賃が下がることも、管理費・修繕積立金があがることもあります。不動産投資のキャッシュフローが身をもって体験して、2件目、3件目となれば、ハイレバレッジに挑戦するのもアリだとは思います

まとめ

不動産投資のレバレッジ効果についてご理解いただけましたでしょうか?

不動産投資は、投資初心者に対しても、金融機関が投資金額に近い金額まで融資してくれるという特徴があります。これは、他の投資ではなかなか無いことです。金融機関が不動産投資ローンは比較的安全な融資と過去の融資・返済実績から判断しているからでしょう。

不動産投資は、レバレッジ効果が得られて、資産規模を増やしやすいメリットや団信の保険効果もありますが、やはり借金ですので、キャッシュフローなどのリスクは存在します。

いきなり、ハイレバレッジな投資はせずに、最初は自己資金を十分に準備し、慣れてきたら、ハイレバレッジ投資に挑戦するよう、段階を踏んで行きましょう

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