アパート経営を成功させるうえで欠かせないのが、正しい利回りの計算です。利回りの計算を正しくすることで、どれくらい利益をだせるのかがわかります。アパート経営に失敗することは利益が上手くだせないこと。つまり、この利回りのシミュレーションが、成功のカギとなります。そこで今回は、アパート経営を成功させるための利回りの計算方法をお伝えします。
利回りの種類
利回りの計算方法を考える前に、利回りの種類について解説します。利回りとは、投資額に対して1年でどれくらいの収益を出せるかという割合です。例えば利回りが10％で、投資金額が100万円であれば、でてくる利益は10万円という計算になります。
また、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。表面利回りとは、物件の購入価格に対して、年間の家賃収入がいくらかという割合です。
表面利回りの計算方法
年間家賃収入÷投資額
表面利回りとは、経費などを考えない表面的な家賃収入の金額をだす際に使える数値となります。対して実質利回りとは、かかった経費を差し引いた金額から割り出した数値です。
実質利回りの計算方法
（年間家賃収入）ー経費÷投資額
不動産投資会社などが表示しているのは、表面利回りであることが多いですが、アパート経営をするうえで考えなくてはいけないのは、経費分も考えた実質利回りの数字です。不動産投資の利益を計算したいという場合は、必ずこの実質利回りから考えるようにしましょう。また、土地持ちかどうか、新築か、中古かでも計算はかなり変わってくると思います。
実質利回りの計算方法
では、早速実質利回りを計算していきますが、実質利回りを計算する際に注意したいのは、正しく経費を計上すること、また、空室の割合を何割かに決めて計算することです。アパート経営は、入れ替わりが必ず発生するため、常に満室分の家賃が発生するとは限りません。大体8割程度物件が埋まっていると考えて、計算するようにしましょう。
例として、家賃5万円で10室のアパートを経営している場合の実質利回りを計算してみましょう。まずは物件の購入価格や購入の際の諸費用などを計算していきます。
土地・物件取得費用・・5000万円
設備投資費・・100万円
不動産登記費用・・50万円
宣伝広告費・・30万円
合計・・5180万円
家賃収入 =5万円×10室×0.8・・40万円
空室率を2割とし、8割の家賃収入が入ると想定します。続いて、経費を計算しましょう。
- 通信費 1万円
- 光熱費 1万円
- 税理士報酬 1万円
- 管理・委託料 5万円
- 修繕積立費 2万円
- 固定資産税 10万円
- 都市計画税 5万円
計・・10万円
経費を上記のように仮定すると、以下のような計算式となります。
（（40万円ー10万円）×12）÷5180万円×100％ ＝ 6.9%
実質利回り＝6.9％となります。中古アパート、特に木造アパートの場合は、物件の傷みもかなりのものになるので、修繕費を多めにとっていてもいいかもしれません。
また、利回りの計算は、ネットでもシミュレーションツールなどがでていますので、ぜひ活用しましょう。
利回りの平均はいくら？
では、一体利回りの相場はいくら程度を目安にすればいいのでしょうか。もちろん、高いことが理想ですが、第42回不動産投資家調査(2020年4月期)によると、大体4％前後が平均となりました。物件選びの基準として、実質利回りを計算した際に、4％前後を下回らないように意識するといいでしょう。
利回りを最大化し利益をあげるコツは？
では、利回りを上げ、利益を最大化するにはどのようにすればいいのでしょうか。利回りは、経費を抑えたり、家賃収入を増やすことで上がっていきます。ここでは一般的に利回りをあげる方法をお伝えしていきます。
賃貸管理を自分で行う
毎月の経費の中で、自分でやれば削減出来るものは自分でやることで利回りをあげることができます。賃貸管理を管理会社に依頼しているという場合は、自分でやることの挑戦してみてもいいでしょう。
通信費などの経費の見直し
月々かかる経費として水道光熱費や通信費を計上していると思います。実は水道光熱費や通信費は、業者の組み合わせで安くなることが多いです。もし、今契約している業者についてよく調べていないという場合は、今一度安い業者や組み合わせがないか見直してみるといいでしょう。
法人化を検討する
家賃収入も合わせた収入が900万円を超えている場合は、法人化した方が節税効果を上げられる場合があります。所得税を減らすことが出来れば、それだけ利回りは上昇します。一定程度の収入を上げている場合は、法人化した所得税での実質利回りを計算してみるのもいいでしょう。
アパート経営の資金の回収はどれくらいが目安？
では、アパート経営の資金の回収はどれくらいを目安にすればいいのでしょうか。不動産投資の場合は、5年から10年くらいが理想の回収期間といわれています。20年、30年と回収期間があると、その間に予測がつかない事態が起こる可能性があります。そのため、10年を目安に回収できるよう、利回りを意識するといいでしょう。
利回りを最大化してアパート経営を成功させよう
利回りを最大化することができればそれだけアパート経営が成功する確率は高まります。正しい計算を行い、しっかりと現状を把握することで、不動産投資を成功へと導きましょう！
