不動産投資と株式投資のメリットやデメリットを解説!あなたにあったお勧めの投資方法がわかります

投資と言えば、まずは「株式投資」を思い浮かべる方も多いでしょう。株式投資は少額で始めることができ、日々換金ができる流動性の高い投資ですが、値動きも大きいので、一般的にはハイリスク・ハイリターンの投資を考えられています。

一方、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資ですが、レバレッジを利用した長期投資ということ、また、投資金額が大きいことから、一般の方には馴染みが少ない投資ではあります。それぞれ、メリット・デメリットがありますので、ここではそれぞれの特徴を解説して行きます。

株式投資とは

株式投資とは、企業が発行する株式を購入し、株式の値上がり益や配当金から収益を得る投資です。

株式投資の収益1:配当金

企業は事業活動を行う資金を主に借入金と株式によって調達します。借入金に対しては、利息を支払い、株式に対しては、事業活動の収益を配当金を支払います。

従って、株式を保有している投資家(株主)は、配当金を得る権利があります。借入金の利息は契約に基づき支払われるますが、配当金は会社(取締役会など)が金額などを決めるため、必ず支払われるというものではありません。

しかし、大企業の配当利回り(年間の配当金額÷株価)は、預金や債券利息などに比べて高いため、安定した配当金を得るために株式投資を行っている方もいます。

例えば、みずほ銀行が属している「みずほファイナンシャルグループ」の株価は、2021年4月23日の終値で1,512.5円、配当金の予想金額は75円です。75円÷1,512.5円=約4.9%と配当利回りはとても高いです。もちろん、1,512.5円の株価は変動しますし、75円の配当予想は0円になることだってあります。

しかし、株式投資の配当金は今の低金利時代、非常に魅力的な水準にあります。

株式投資の収益2:値上がり益

株式を発行している企業の業績や財務状況、更に、世界経済・日本経済の状況など、あらゆる要素によって株価は変動します。投資した株式の価格が上昇し、売却した場合、値上がり益を得ることができます。

みずほファイナンシャルグループの株価は、1年前は約1,200円でした。つまり、一年前に1,200円で買っていて、4月23日に売却していれば、約300円の値上がり益が取れていたということです。

投資方法

株式投資をするなら、一般的には証券会社に口座を開設し、自分の口座に資金を入金し、その入金した金額を用いて、売買の注文を出します。以前は、証券会社に電話して注文していましたが、今はインターネットで自分で相場を見ながら注文を出すことができます。

東京証券取引所に上場している銘柄であれば、平日の9時から15時までの間であれば、いつでも注文は可能です。銘柄や証券会社によっては、時間外での取引も可能な場合があります。

株式には最低投資単位というものがあります。先程、みずほファイナンシャルグループの株価が1,512.5円と書きましたが、最低売買単位は100株です。従って、最小単位で購入するには15万円ちょっとの資金が必要ということです。

他の銘柄では、数万円で投資できるものもありますので、株式投資は手軽に始められる投資と言えます。

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不動産投資とは

個人が行う一般的な不動産投資(ここでは、不動産現物への投資を解説していきます)とは、マンションやアパートを購入して収益を得る投資です。

不動産投資の収益1:インカムゲイン

インカムゲインとは、不動産を保有している間に得られる収益、主に家賃収入です。株式投資の配当金のようなものですが、家賃は賃貸借契約書に基づき、毎月必ず支払われます。

そうなると、預金利息に近い性格になりますが、空室や延滞が生じ、家賃が入らなくなるリスクがあります。現在、都心の中古ワンルームマンションであれば、グロス利回りは4%程度は見込めます。もちろん、そこから運営経費がかかりますが、それを差し引いても、預金利息より、はるかに高い投資利回りが期待できます。

株式投資であれば株式を発行している会社の業績などにより配当金の金額が変わることがあります。例えば、全日空はコロナ禍の影響により、75円だった配当予想が0円となりました。世の中の情勢を考えれば当然ですよね、しかし、コロナ禍の影響で家賃がゼロになるようなことはありません。そう考えると、不動産投資のインカムゲインは景気などに影響を受けにくいと言えるでしょう。

不動産投資の収益2:キャピタルゲイン

投資した不動産が値上がりすれば、売却して利益を得ることができます。株式の値上がり益と同様なものです。3,000万円で購入したマンションが3,500万円で売却できれば、500万円の売却益を得ることができます。

不動産価格は、景気動向、金融政策や周辺環境に影響を受けますので、値動きもゆっくりしたものとなります。従って、短期でキャピタルゲインを狙うような投資には向いていません。

投資方法

不動産は、取引するための市場機能のようなものは無く、買い手が売り手が相対で取引します。従って、個人間のみで売買が成立することはほとんどなく、不動産仲介会社を通じて相手を探すか、もしくは、不動産会社から直接買うか(売るか)が一般的な方法です。

また、不動産取引には法令に定められているルールがいろいろとあるので、契約書を作成したり、登記をしたりなど、手続きが煩雑で手間と時間と費用がかかります。すぐに買いたいと、売りたいと思っても、相手を探すまでに時間がかかり、更に、手続き完了までに時間がかかります。

取引の金額も数百万円から数千万円と比較的大きな金額となります。都心部で立地の良い中古のワンルームマンションを買おうとすれば、3,000万円近くの投資になります。

株式投資のメリット

メリット1:大きなリターンを得ることができる

株式投資の魅力は配当益よりも、やはり値上がり益でしょう。ちなみに、皆様のスマートフォンはiPhoneでしょうか?iPhoneを販売しているアップルもアメリカの市場で上場している企業です。

2016年3月にiPhone SEが発売されましたが、この時のアップルの株価は25ドルにも達していません。現在、iPhone12が販売されている4月23日の終値は134.32ドルです。この5年間で5倍以上です!

このように身近な企業の株式に投資して、5年間で100万円が500万円になることも可能なのが株式投資のメリットです。

メリット2:多様な商品性

アップルは、アメリカの市場に上場している株式ですが、日本からも投資は可能です。このように、株式投資であれば、日本にいながら様々な市場の銘柄の株式に投資することができます。

また、銘柄は株式だけでなく、ハイテク銘柄だけや高配当銘柄にだけ投資したりできるETF(上場投資信託)など、ラインナップは幅広くあります。

メリット3:少額投資が可能

株式は、銘柄によっては数千円・数万円から取引することができます。従って、とりあえず勉強のために始めて、失敗してしまったとしても、損失額を抑えることができます。

また、一つの銘柄への投資金額を抑えれば、いろいろな銘柄に投資する分散投資も可能です。アップルだけに投資するよりも、アップルとグーグルに投資をしておいた方がリスク分散になりますし、更にソニーにも投資をしておけば、国際分散も図れます。

メリット4:換金性・取引コストが安い

株式投資を始めるには、まず証券会社に口座を開設しますが、口座開設や維持するための手数料はかかりません。証券会社によっては、ネット上で全て完結することもできます。

また、売買に関する手数料も年々安くなっており、「大学生は実質無料!!」何ていうのもあります。

日本株式であれば市場が開いている平日の9時から15時の間であれば、いつでも取引は可能です。一部の極端に流動性が低い銘柄を除けば、活発に取引がされているので、市場価格ですぐに売買ができます。

メリット5:おまけの楽しみがある

日本の株式であれば、一部の会社は「株主優待」を実施しています。

株主優待とは、株主に対して配当金の他に企業のサービスや商品などをプレゼントする特典です。株主優待は、今では食料品、日用品以外にも金券などがもらえるケースがあります。

株式投資のデメリット

ここまで株式投資のメリットを解説してきましたが、やはりメリットだけでなく、デメリットやリスクもあります。

デメリット1:日々価格が大きく変動する

株価は日々、大きく変動します。一日で5%変動することは珍しくありません。しかも、市場が開いている時間はその変動を見ることができますので、人によっては気が気ではないでしょう。昨日100万円投資して、朝にその価値が95万円になっていたら、その日は暗い気分でのスタートです。

逆のパターンもありますが、人によっては株価に一喜一憂して、振り回されてしまう人もいるでしょう。長期投資として株価を気にしないで済む人もいれば、賭場のように入り浸ってしまう人も一定数存在します。

デメリット2:予期せぬリスクが発生する

企業が倒産すれば株価は最終的にほぼゼロ円に近い価格となってします。上場企業でも倒産することはあります。昨年5月にはアパレルのレナウンが倒産しています。

また、2018年11月には日産自動者のカルロス・ゴーン会長(当時)が突然逮捕された事件もありました。以来、日産自動車の株価は、他の自動車製造企業に比べると低迷しています。

コロナもそうですが、予期せぬ事件が発生しない年はありません。このようなリスクに備えることは難しく、自分でコントロールすることはできません。

デメリット3:正当な株価評価が得られにくい場合がある

財務体質が良くても、企業業績が良くても株価が上がらない会社もあります。株価は人気投票的な側面もありますので、自分では良い会社だと思っても株価がなかなか上がらないことはよくあります。

株式時価総額という、その会社を株式市場でまるまる買ってしまうにはいくら必要かという数値があります。発行済株式数にその日の株価を乗じて計算します。

洋服の青山で有名な「青山商事」ですが、コロナ禍で在宅ワークが増え、スーツが売れなくなったことから業績とともに株価も低迷し、時価総額は400億円弱となっています。これに対して、青山商事の純資産は1,800億円以上です!!いくら業績が悪化したといっても、さすがに安すぎますよね。しかし、数字通りに行かないのが株の世界です。

不動産投資のメリット

では、今度は不動産投資の方を見ていきましょう。まずは、メリットから解説して行きます。

メリット1:収益が安定している

不動産の賃貸収入は賃貸借契約に基づき賃借人から支払わます。賃貸借契約は通常2年ですから、この間、解約などが発生しなければ、当初の条件で家賃を受け取り続けることができます。

入居の際、賃借人が家賃を支払い続けられるか審査をしていることと、通常は、保証会社や連帯保証人を付けているので、延滞のリスクはそれほど高くはありません。

コロナ禍で飲食店などが家賃が支払えなくなって問題になっていましたが、家賃の支払いが免除となることはありませんでした。ましてや、居住用の不動産であれば尚更です。

空室リスクには注意が必要ですが、都心で立地の良い、小型の物件であれば、安定した入居が見込まれます。

メリット2:ローンを活用できる

不動産投資は投資の中でも唯一、投資のための資金を金融機関から借り入れることができる投資です。不動産投資は多額の資金が必要ですが、一定の自己資金があれば、残りはローンで賄うことができます。最近では、フルローンやオーバーローンなども利用できる場合があり、僅かな自己資金で不動産投資が始めることもできます。

誰でもローンを利用できるということではありませんが、今は金利が低いので、家賃収入からローンの利息と元金の大半を支払うことができます。

これは、不動産投資ローンは家賃収入が安定しており、担保としての不動産の価値もしっかりしていると金融機関が判断しているからです。

メリット3:値動きの変動がゆっくりしている

不動産価格は株価のように日々変動するものでもありませんし、変動幅もそれほど大きくありません。また、突然ゼロになってしまうようなこともありません。

投資用の不動産の価値を算定する手法として、収益還元方式というものがあります。これは、不動産の収益をもとに計算しますが、不動産の収益自体は良くも悪くも安定していますので、価格は動きにくくなっています。

むしろ、最近では不動産価格も経済・金利動向によって変動しています。

いずれにせよ、不動産投資は長期投資として、日々の価格変動を気にすることなく取り組めることから、副業に向いている投資と言えるでしょう。

メリット4:インフレ対策となる

不動産価格は経済・金利動向によっても変動しますが、物価が上がれば、不動産も同様に値段が上がる傾向にあります。

コロナ禍の経済対策として、各主要国が積極的に財政出動を行っており、これだけ多くのお金が市場に供給されると資産バブルとなることが懸念されています。資産バブルとなれば、物価のみならず、不動産価格の上昇にも繋がります。

不動産投資のメリット・デメリットについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。

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不動産投資のデメリット

デメリット1:多額の資金が必要

何といっても不動産投資は多額の資金が必要です。ローンを利用して、自己資金が少なくて済んでもローンは借金ですから、返済しなければなりません。また、投資に使わなくても、リスクに備えて手元資金を準備しておく必要があります。

従って、頭金としてどれくらい使うかは別として、投資金額の1~3割の自己資金は準備する必要があります。

デメリット2:価格が公表されていない

不動産価格は取引する相対で決まるため、実際にいくらで売れるか(買えるか)が分かりません。株式投資であれば、取引時間中、よほどのことがない限り、今の価格近辺で売買することは可能です。

不動産の価格は個別性が高く、全く同じものが取引されるものではありません。同じマンションでも、隣の部屋と同じ価格とは限りません。

デメリット3:流動性が低く、取引コストがかかる

不動産はすぐに購入(売却)することでできません。契約書や添付書類の準備に時間がかかりますので、当事者間でようやく売買条件を決めて、売買の合意ができても、実際の売買が完了するには、通常、一か月程度の時間がかかります。

突然、不動産を売却しなければならないといった事態が生じても、現金化できるまで一か月程度は見る方が良いでしょう。株式投資が、3営業日後には資金化されるのと大きな差があります。

また、株式投資は取引コストが売買金額の1%にもならない場合もありますが、不動産投資であれば、仲介手数料が3%かかる他、登録免許税、不動産取得税などの税金や司法書士の報酬などもかかってきます。

このように、不動産は売買にコストと時間がかかり、値動きも大きくないので、短期で売却益を狙うのは難しい投資です。

デメリット4:災害リスク

不動産投資は、火災・地震・水害といった災害が発生し、建物が毀損したり、空室が発生したりするリスクがあります。火災保険に加入したり、地震に強い建物(構造、築年数など)を購入したり、水害についてはハザードマップを確認することで、リスクに備えることが必要です。

ファンドマネージャーからのアドバイス

筆者は株式投資も不動産投資も行っております。同じ資産運用と考えると、株式投資の方がメリットは大きいです。しかし、株式投資だけですとリスクも高いことから、分散投資のためにも不動産投資も行っています。実際に不動産投資をしてみると、毎月、家賃収入を受け取ることができる安心感がありますし、株式のように毎日株価やニュースを気にする必要ありません。

もし、これから資産運用を始めようという方は、まずは、少額で株式投資から始めることをお勧めします。数万円でも数十万でも構いません。まずは、投資の世界を知るということが必要です。そこから、世界経済、日本経済、金融政策を気にするようにしましょう。

基本的には、株式投資であっても不動産投資であっても長期投資が基本です。日々の値動きに一喜一憂せずに、本業の邪魔にならない程度にしましょう。

不動産投資は、資産運用の他、ローンを利用した老後のための資産形成や節税といった、株式投資とは異なるメリットを得ることもできます。

まとめ

ここまで、株式投資と不動産投資について概要を解説してきました。どちらを選択するということでなく、資産運用は長期での分散投資が基本です。投資が初めてという方は、まずは、証券会社に口座を開いて、気になる会社の株式を数万円分でも購入してみたらいかがでしょうか?

 

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