株式投資は資産運用の王道!!投資初心者のための基礎知識を徹底解説

資産運用を始める上で、株式投資は最も中心的は運用方法と言えるでしょう。

というのも、世界の株式市場の時価総額は約67兆ドル(2021年6月現在)、1ドルを110円で換算すると約7,400兆円の投資市場があるからです。因みに日本の株式市場の時価総額は約700兆円なのでそのうちの約10%程度となります。

これだけの大きな市場ですから、投資の選択肢も多く、いろいろな投資方法が考えられます。この記事では株式投資の基本的な知識や方法について解説して行きます。

そもそも株式とは

株式とは、株式会社が資金を出資した個人や法人に対して発行する有価証券のことです。

その株式発行は、企業が事業を行うために必要な資金を集める手段のひとつで、例えば研究開発や、会社が工場の建設、店舗出店など必要な資金を集める際に行います。

株式発行によって集められた資金は、銀行借入や社債と違って、返済の義務は無く、出資した株主は返済の代わりに、保有株式の割合に応じて経営に参加ができ(株主総会への参加など)、会社が生み出した利益に対しては、保有株式数に応じて配当がもらえる権利を持ちます。

また、企業が成長して企業価値が上がったときには、その株式を売却して利益を得ることができます。

資産運用の対象となる株式投資とは、各国の取引市場に上場している上場株式が対象となります。上場企業は、より多くの資金を多くの投資家から調達するために、取引市場が定める多くの基準(会社規模、将来性、内部統制など)を満たして上で、取引市場に上場し、その株式は取引市場を通じて投資家間で自由に売買できるようになります。

上場株式の発行体である上場会社は、各取引市場が定めた規程やその国の法律(商法、証券取引法など)に基づき、株主(投資家)が会社の経営状況を把握することができるように、適時開示のルールに基づき、決算発表を行い、同時に経営方針なども開示します。更に、株主総会を開き、特に重要な議題は、その総会で議決をして決定します。

株式を保有するメリット

株式で投資された資金は返済義務はありません。その分、発行会社は、株主に対して、さまざまなメリットを提供してくれます。

①配当

企業は利益が出た場合、または、利益が出ていなくても剰余金がある場合など、その一部を株主に配当として還元することができます。特に上場企業の場合は、配当することで株主の支持を得ることできるので、配当を重視する企業が多いようです。

因みに日本の日経平均で言えば2021年3月基準で株価に対して年間約1.77%の配当率となっていますので、預金や債券よりもかなり高い水準と言えます。

②株主優待

株主優待とは、発行企業が株主に対して自社商品を提供したり、株主優待価格で関連するサービスや商品を提供することを言います。

投資家の中には、株主優待で大きな利益を受けている方も多く、株価や会社の財務内容などでなく、株主優待の内容で投資を判断する方もいらっしゃいます。企業側もそれを考慮して、さまざまなバラエティーに富んだ株主優待を提供しています。

因みに日本国内の上場企業の約40%の企業が、株主優待制度を設けています。

③キャピタルゲイン

上場株式は原則的に取引時間内であれば、市場で自由に売買できます。売買価格は、常に秒単位で変動します。これは、投資家の買いたい価格と売りたい価格が均衡して価格が決まるからです。

そして、株価が上がったときに株式を売却することで、投資家は値上がり益、つまりキャピタルゲインを得ることができます。もちろんキャピタルロスが出ることもありますが、投資家はこのキャピタルゲインを狙って株式を購入します。

株価は前述した買いと売りの需給により決まりますが、この需給はその企業の業績や将来の成長性、市場に金利動向、資金に需給など多くの要素によって変動します。

株式投資は、これら3つのメリットを提供することで、元金の保証もなく、資金の返済義務もありませんが魅力的な投資商品として、投資家を引き寄せています。

株式投資の始め方

①証券口座の開設

株式投資を始めるにはまず証券会社に口座を開設する必要があります。

証券会社には本支店の店舗を持っている一般の証券会社、ネット上で口座を開設できるインターネット証券などがあります。前者の場合は、通常は窓口に行きマイナンバーカードや身分証明書などの本人確認書類を提示して、更に口座開設申込用紙などを記入して口座を開設します。

インターネット証券の場合は、マイナンバーカードや身分証明書など本人確認書類のアップロードなどは必要ですが、店頭に行かなくてもネット上や郵送で口座開設が可能です。

口座開設にあたっては、自身の税務申告処理の方法により、一般口座、特定口座(源泉あり)、特定口座(源泉無し)のいずれかを選択します。

特定口座にすると証券会社が年間の損益をまとめて計算し、源泉ありにすれば他の所得の多少にかかわらず、年間の株式取引の収益金額の20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)相当額を口座から証券会社が徴収し、税務署への支払いを済ませてくれます。

この方法をとれば、原則確定申告が不要になりますので、一般投資家の方にはこの方式がお勧めです。

②資金の送金

口座開設が完了したら、自身の銀行などから、証券会社が指定する口座に資金を入金します。証券会社は受け取った資金を、投資家ごとの口座に振り分けますので、その手続きが完了すれば、自分の口座の資金で株式を購入をすることでできます。

③売買開始

口座を開設し、資金が入ったならば、投資銘柄を決めて注文を出します。注文を出すには、対象となる銘柄・売買株数・価格を決めます。

  • 株数

株式は単元株と言って最低発注する単位があります。1株の場合もあれば1,000株の場合もあり銘柄によって様々です。通常はこの単元株によって最低発注量が決まり、その倍数の単位で発注することとなります。

証券会社によっては株式ミニ投資の取り扱いがあり単元未満、例えば100株が単元でも1株購入することができます。

まずは、購入する予算金額を決めて、直近の株価から何株くらいか買えるかを計算し、その範囲の中で何株発注するかを決めましょう。

  • 注文方法

次は、価格と注文方法ですが、注文方法には「成行注文」と「指値注文」があります。

成行注文は相場での売り買いの流れに価格決定を任せる方法です。大型株で売買量が多い銘柄では、それほ大きなブレは無いとは思いますが、小型株で売買量が少なく売り買いの価格差が大きい銘柄は、成行注文だと思ったより買値が上がってしまうこともありますので、注意が必要です。

指値注文は、買いたい価格に希望購入株数を指値をしては注文するものです。買いの場合は上限価格、売りの場合は下限価格を指値して発注します。 指定した期日内にその価格に到達しない場合は、購入または売却できなくなるので、どうしても購入、または売却したい場合は、成行注文ほうが安心です。

投資銘柄の選定方法

株式投資をするには、上場している数多くの銘柄から、投資する対象を選択しなければなりません。しかし、何を基準に投資判断を決めるのかは、とても難しいと思います。以下に代表的な選択基準について紹介します。

①指標を参考に決める

株式を評価する代表的な指標としてPERやPBRなどがあります。

PERとは株価収益率(Price Earnings Ratio)と言って、1株当たりの純利益に対して現状の株価が何倍であるかを表示したものです。株価が1,000円で、一株当たりの利益が100円であれば、PERは10倍という計算になります。

PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であると言えます。

日本の株価をみると、PERは、現状では平均で12~15倍といったところです。中には、PERが8倍などの株もあり、一見、割安のように感じるかもしれません。しかし、株式の評価は、現在の業績だけでなく、将来の成長期待も含めて価格は形成されます。

今は利益が出ていても、成長が期待できなく、将来的には減益もしくは赤字に転じるかも知れないといった銘柄は、PERが低くなりがちです。

逆にIT銘柄などは、成長性が期待できるのでPERが100倍以上に達することもあります。

また、PBRという純資産倍率(Book-value Ration)というものもあります。これは企業の1株当たりの純資産に対して、株価がその何倍になっているかの指標です。PBR1倍ならば株価は純資産価値と同等であり、それ以下ならば純資産価値より低いことになります。

これも、PBRが大きければ割高、PBRが小さければ割安という判断になります。

日本にはPBRが1倍以下の銘柄が多くあります。PBRが1倍割れということは、もし、今会社を解散して資産を全て換金し負債を支払った残り(いわゆる純資産です)を株主に配当した場合、株価以上に配当が受け取れるという状態です。つまり、解散価値が株価を上回っているという状態です。

成長性が見込めず、将来、純資産が減少するかもしれないと考えられている銘柄、バランスシートが信用されていない銘柄などがこの傾向にあります。逆に、これも成長が期待されるIT企業などは、PBRが10倍以上のものも珍しくなく、これは、急成長により利益が拡大し、それに伴い純資産も拡大すると見られているということです。

他にもいろいろな指標がありますのが、初心者の方は、まずは、PERとPBRを参考にしてみてください。

②チャートを見て決める

株式にはチャートと言って、一定期間の株価の動きを折れ線グラフのような形で表現した図表があります。

チャートを見ると、その期間の株価の上下動や売買動向がよくわかります。チャートにもいろいろな分析方法があり、例えば○○日移動平均線と言って、○○日間の平均株価をグラフにして、日々の株価の動きと比較し、急激な上がりすぎや下がりすぎをチェックする方法があります。

他にもMACD、一目均衡表、騰落レシオ、ボリンジャーバンドなど株価の動きを指標で表すものがいろいろありますので、ネットなどで分析方法を研究してみてください。

③配当や株主優待などのメリットで選ぶ

企業は利益が出たり、配当できる剰余金が確保できていると、一定レベルの配当金を株主に対して、支払います。

その期の利益の金額に対して、どの程度の割合で配当しているかというのは配当性向と呼ばれ、また、配当金を株価が割った金額は配当利回りとなります。日本証券取引所が発表している資料によりますと、東証1部の加重平均利回りは、2021年7月で1.97%とのことです。

こちらは、平均値ですので、5%以上の株式もありますし、逆に無配の株式もあります。一般的には、5%以上の株式は、企業の成長による株価の上昇よりも、安定した高配当政策で株主に利益還元を行い、株価を維持しようとしている会社が多いのが特徴的です。もしくは、市場が企業のその成長戦略を評価していないため、株価が上昇していないということもあります。

しかし、高配当を持続しながら、ゆっくりではありますが、成長を続けている会社もあります。

現状の低金利の環境では、株式投資は、社債や国債よりもずっと高い配当が期待できるものもあり、配当利回りを重視して投資する方法もあります。

また、多くの企業は株主優待制度を行っています。例えば、鉄道会社であれば、自分の路線の無料乗車券を株数に応じて配布したり、他にも自社製品などを無料で株数に応じて配布する企業もあります。

株主優待品の価値を金額に換算すると、年利数%になる場合もあります。株主優待品を目当てに株式投資をする方もいらっしゃいますので、株主優待制度は株価を下支えしてくれます。

このように、純粋に株価の値上がりでなく、配当や株主優待などのメリットを重視して銘柄を選択する方法もあります。

株主優待のお勧めブログはこちら

かぶ太郎の株主優待ライフ

ファンドマネージャーからのアドバイス

株式投資は、ある程度の価格の変動がある、どちらかといえば、ハイリスク・ハイリターンの投資の部類に位置付けられます。従って、リスクがあることを十分理解して投資しなければなりません。しかし、リスクを負うのに相応なメリットもあります。過去の実績を見ると、株式投資は、債券、預金などに比べ、長期的な平均収益は高く、インフレヘッジにも役立っています。

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日経平均の推移 出典 ウィキペディアより

また、現在のような超低金利環境下では、預金金利や国債の金利より、株式の配当金は平均して高い状態ですから毎年の配当収益も魅力的です。

では、投資初心者が株式投資のリスクをコントロールして、リスクヘッジする手段としては、どのような方法があるでしょうか。

①分散投資

株式投資はなるべく多くのセクターや銘柄、またはいくつかの国に市場に分散して、1銘柄が下がっても他がそれを補うようなポートフォリオを持つことが分散投資です。逆に1銘柄が暴騰して大きくキャピタルゲインを得たとしても全体では大きな収益にはならなくなりますが、リスクヘッジができて株式市場全体の成長を享受することが可能です。

分散投資は、銘柄や業種以外にも、通貨、地域、時間(投資するタイミング)においても、分散させるべきと考えられます。

②長期投資

デイトレードという、その日購入した銘柄を当日中に売却して、日々利益を獲得する方法があります。個人デイトレーダーが株式専門雑誌にデイトレードの方法を紹介したり、セミナーを開催したりしていますが、資産運用はあくまでも副業で、本業の仕事を持ち、その合間の時間に投資をする個人投資家は、デイトレードに割ける時間は十分でないので、そのような方法はあまり向いていないと考えられます。

副業として株式投資をする方は、成長が見込める企業の株式を長期で保有して、株価の成長を享受したり、もしくは、高配当を持続している株式を保有して、長期にわたりその配当を享受することで、安定した利益を取っていく方法が良いでしょう。

もちろん、長期で保有していれば、保有している間に、リーマンショックやコロナショックと同等の暴落もあるかもしれませんが、収益力のある企業の中には、そのようなイベントを乗り越えて、再度、大きな利益を計上し、その結果、株価を戻している実例が多くあります。

③定期的な積立

①で分散投資について解説しましたが、1つの魅力的な株式を見つけても、一度に投資予定の資金全額を投資することは賛成できません。

その時の株価が底値であるかが、分からないからです。今が底だと思っても、そこから更に下落してしまうこともありますし、突然、その銘柄(会社)に悪いニュースが発生してしまうこともあります。そのため、一つの銘柄に投資するとしても、金額と時期を数回に分けて分散して投資することがお勧めです。

ある程度機械的に、毎月など一定の期間を期間を空けて、何度にも分けて一定の金額を投資することで高値買いを防ぐことができます。

一定の金額で買っていくと、ある時は10株買えますが、株価が2倍になったときは5株しか買えません。逆に株価が半分になれば20株が購入できますので、平均すると安定した価格で購入できたことになります。この投資効果はドルコスト平均法と呼ばれ、昔から活用されている投資方法です。

④ETFを活用する

ETFとは上場投資信託のことで、株式、債券、不動産など多くの種類が市場に上場しています。一般投資家が自分自身で銘柄を探すことはとても難しいことですし、証券会社なども推奨銘柄を鵜呑みのするのも好ましくないと思います。分散投資にしてもどこにどれだけ資金を分散するのかとても難しい選択です。

ETFの場合、日経平均や日経225(主要な225銘柄)、NYダウ、S&P500(S&Pが選定した主要500社)、マザーズ、ナスダックなどの指数に連動した商品、それぞれのセクターの指数に連動した商品、不動産REIT指数に連動した商品など多くの銘柄やセクターに分散した商品が多数あります。

これらを積立のように時期を分けて購入することで上記①、②、③を比較的に簡単に行うことが可能です。また、運営手数料も一般の投資信託に比べて安い設定になっていますのでコスト面も安心です。

株式投資は、ハイリスク・ハイリターン投資に位置付けられますが、過去の実績を見ると、世界経済、日本経済、企業の成長とともに平均株価は上昇してきました。今後も株価は大きな上下の動きはあるかとは思いますが、過去と同じように上下動を繰り返しながら成長していくと予想されます。

また、コロナ禍から経済を立て直すために、世界的に資金供給が増加しており、今後、インフレ懸念も考えられるので、株式投資は、運用益狙いとともにインフレヘッジできる一つの方法です。長期的に安定した資産を築くためにも、今後も、株式は最も主要な投資対象であり続けるでしょう。

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まとめ

資産運用の一環として投資を始めるのであれば、まずは、株式投資がお勧めです。市場自体も大きく、取引に関する法規制が整備されていて、初心者でも安心して開始できる環境が整っています。

初心者でも取り組めますが、株の世界はとても広く深く、銘柄の選定方法、取引方法など、世界中の多くの人が、今でも必勝法を模索しています。

株式投資はあくまでも副業としての投資ですので、長期分散投資を心がけて取り組むようにしましょう。

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