アパート経営のメリットの一つに節税対策が挙げられます。物件の維持費や設備投資費など、アパート経営に関わる様々な費用を経費として計上することで節税効果が期待できます。
ただし、一体どこまで経費にできるのか、またどのように会計処理をすることで利益を最大化できるのかわからないという方も多いはずです。今日はアパート経営で経費に出来るもの、出来ないもの、また賢く経費を計上、節税し、利益を最大化する方法をお伝えします。
アパート経営で経費にできるものは
アパート経営で経費に出来るものはだいたい決まっています。経費に出来るものを計上しないのは損ですし、逆に経費に計上出来ないものを経費にしていると、脱税になってしまいます。
- 固定資産税・都市計画税
- ローンの利息
- 各種保険料
- 管理・委託費
- 交通費
- 広告宣伝費
- 通信費
- 修繕費
- 専門家報酬
- 消耗品費
- 減価償却費
固定資産税・都市計画税
土地、建物を所有していると固定資産税、都市計画税がかかってきます。税所得税や住民税は経費として計上出来ないので勘違いしてしまうかもしれませんが、固定資産税、都市計画税は経費として計上することができます。
固定資産税は、地方自治体が決める土地・建物の評価額に、それぞれ1.4%をかけた金額、都市計画税は、固定資産税評価額に0.3%を乗じた金額となります。固定資産税評価額は、各市町村が算定した金額となりますので、役所などで確認してみましょう。
ローンの利息
不動産投資を行う時は、多くの方がローンを組んでいると思いますが、利息については経費として計上することができます。
ただし、土地に関する部分の利息は経費として計上することができない点に注意しましょう。
保険料
不動産投資にかかわる保険料は、経費として計上することができます。火災保険、地震保険など加入している保険を確認しましょう。
ただし、保険料については年度ごとに分ける必要があります。10年分の保険であれば1年ごとに1年分の保険料となる点に注意しましょう。
管理・委託費
土地、建物に関わる管理、委託費は経費として計上することが可能です。不動産管理会社に依頼している管理、委託費があれば、経費として計上しましょう。
ちなみに、管理、委託費は、家賃の5%程度までが正常とされています。もし高すぎるようであれば見直しを考えてみましょう。
広告宣伝費
アパート経営の集客のために使った広告宣伝費は、経費として計上することができます。チラシを配ったり、ホームページをつくったりといった費用も広告宣伝費となります。
交通費
アパート経営に関わる交通費は経費にすることができます。アパートまでの交通費や、備品購入のために使った交通費などです。ただし、アパート経営に関わる部分のみとなりますので、ご注意ください。
通信費
インターネット回線などをアパートに設置している場合は、その通信費を経費として計上することができます。また、アパート経営に関わる郵便の経費、取引先との電話代なども経費にできます。
修繕費
アパートを修繕した際に費用は経費として計上することができます。災害などで壊れた個所を修復した、利用により摩耗した部分を修復した、ペンキの塗りなおしなど、修復に関わる費用が該当します。
専門家報酬
司法書士や税理士への報酬など、専門家への報酬は経費として計上することができます。確定申告で税理士に依頼した、登記を司法書士に依頼したなどの報酬があれば、忘れずに計上しましょう。
消耗品費
アパート経営に関わる細かい買い物などは消耗品費として計上しましょう。ちょっとした備品の購入だったり、ペンやノートなど。ただし、耐用年数が1年未満もしくは取得価額が10万円未満の備品等の代金となる点に注意しましょう。
減価償却費
物は使えば使うほど価値が減少します。例えば、車は経過年数が多いほど一般的に価格が安くなりますよね。こういった時間の経過による価値の下落を経費として計上できるのが減価償却費となります。
減価償却費は、実際に支出はしていないものの、費用として計上でき、節税効果が大きいです。ただし、計算方法が複雑なので、もし可能なら専門家の方にお願いするのがいいかもしれません。
経費にできないもの
経費にすることが出来るのがあくまでもアパート経営に関わる部分のみです。例えば通信費などは、家庭用携帯も一緒に使っているという場合は、家事按分といった形で使用分のみを経費として計上できます。また、同じ税金でも所得税や住民税は経費とすることは出来ません。
利益を最大化するためのポイント
利益を最大化するためには、経費として計上できるものはしっかりと計上することはもちろんですが、やはり一番は売り上げをあげることです。経費には節税効果があると言っても、売り上げを上げなくては利益は出ません。節税しようと経費ばかりがかさんで利益がでないとなっては本末転倒です。まずは売り上げをしっかりとあげることができたら、節税も意識していくといいでしょう。
また、個人よりの法人化した方が経費として計上できる範囲は広がります。所得が900万円を超えるようになったら、法人化を検討してみてください。