全世界に投資が必要な理由を世界と日本の経済情勢に沿って解説!!

筆者が若い頃は、米国とソ連の2陣営による民主主義と共産主義の対立を軸に世界情勢が動いていましたが、ソ連を含めた東側陣営の政治体制の変化と中国経済の台頭により、現在は、ロシアに替わって中国が、経済・軍事あらゆる面において米国と対立関係にあります。

更に、人口が世界一となったインドも大きな発言力を持つようになっていたり、アメリカが以前のように世界の警察の役割を果たすことができなくなったことで、中東や様々な地域で紛争が起こり、政治・宗教・経済において、さまざまな矛盾が噴出し、世界情勢の動向はますます不透明になっています。

一方、政治の混乱が続く日本は、GDP世界2位の地位を約10年以上前に中国に明け渡し、今では、3位のドイツにも抜かれてしまっており、少子高齢化社会が進む中でどれだけ成長力を確保できるかが課題になっています。

我々が投資をしていく上で、世界情勢や経済の動向は把握することは極めて大切なことです。日本だけを見て投資戦略を組むことはできなくなってきています。

大きく変わる世界情勢の変遷に関して

まずは、戦後世界情勢の流れをざっと解説して行きます。

その1:東西冷戦の終了とグローバリゼーション化の加速

第二次世界大戦以降、米国とソ連の東西冷戦の中で、米国を中心とした西側諸国は順調に経済成長を続けましたが、社会主義を推し進めたソ連を中心とした東側諸国では経済の発展状況は芳しくありませんでした。

その結果、1991年にはソ連が崩壊して米ソの冷戦は終結し、世界はグローバリゼーション化が加速して、東ヨーロッパの旧ソ連連邦の加盟国も経済発展を始めました。

その2:中国の台頭

中国は1960~1970年代の毛沢東の時代には低迷していましたが、その後、鄧小平が唱えた1978年からの改革開放政策により、その後の数十年で飛躍的な成長を遂げ、約10年前にはGDPで日本を抜いて米国に次ぎ世界第2位となりました。

2040年頃には、米国を抜いて1位になるとの予測もあり、ここ最近は不動産バブルの崩壊や経済成長の鈍化、急速な少子高齢化、更に、若年層の失業率など、いろいろと課題が噴出しているものの、当面、世界は米中を軸に動くと見られています。

その3:内向きになる米国

米国は「世界の警察」として、世界中で紛争が起これば、すぐさま米軍を投入し、世界の安全保障を担ってきました。

しかし、経済的・人的にも負担が大きいことから、2015年には当時のオバマ大統領が「世界の警察官ではない」と宣言し、以降、各地で起きる軍事紛争への介入に関して、消極的な姿勢を示しています。

この流れは、その後のトランプ、バイデン政権でも続いており、米国が内向きになった結果として、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界で起こる紛争は長期化し、更に、その隙を縫って中国が台頭するなど、世界情勢はより不安定になっている中、人口が世界一となったインドを筆頭に、現在ではグローバルサウスと呼ばれる新興国も発言力を持つようになって来ています。

戦後日本経済の躍進と近年における地位低下

上記のようや世界情勢の変遷の中で、日本経済はどのような動きを見せていたのでしょうか。

その1:戦後日本経済の躍進

戦後の急成長期

1945年に第二次世界大戦が終わり、GHQが進駐して占領下の元、米国などの強力な支援の中、1950年に勃発した朝鮮戦争での特需もあり日本経済は急速に回復しました。

その後、工業生産量をさらに伸ばして、毎年10%ぐらいの経済成長率が1973年の石油ショックまで続きました。ちなみに、1968年には日本のGDPはアメリカに次いで第2位になっています。

田中角栄首相が唱えた「日本列島改造論」では、地方への工場進出など、日本全土が好況に沸きましたが、中東での紛争による石油価格の上昇でオイルショックとなり、一時はマイナス成長にまで陥りました。

その後は厳しい金融引締めが行なって安定成長期に移行しました。

安定成長期からバブル経済へ

1985年のプラザ合意後、急激な円高が進み、円高不況に対する懸念から日銀は低金利政策を継続し、国内景気は回復に転じるとともに、低金利と金融機関の過度の貸し出しが過剰流動性を招き、土地などへの投機が行われて空前のバブル景気となり株や不動産が急騰しました。

しかし、バブル対策として、政府が不動産融資対策として総量規制を実施し、公定歩合を段階的に引き上げたことから、1990年にはバブルが崩壊し、株や不動産が暴落、その後、大手証券会社や銀行の破綻が相次ぎ、デフレ経済に陥ることになります。

その2:失われた30年とGDP4位への転落

バブル崩壊以降、日本経済は低迷し、バブル崩壊の処理にはまだ時間を要しましたが、2002年から2008年の6年間続いた「いざなみ景気」は「歴代最長の景気」となりました。

2013年からのアベノミクスにより、金融緩和が進んだことで、株価などの資産価格は上昇したものの、低成長・デフレからはなかなか脱却できず、2010年には42年間守ってきたGDP世界2位の地位を中国に明け渡すことになりました。

更に、日銀の異次元金融緩和とアメリカのインフレ加速から、2022年から急激に円安が進んだこともあり、IMFの予測によると2024年にドイツにも抜かれて第4位に転落すると報じられ、注目を集めています。

1990年以降、低成長とデフレから脱却できないことから、この30年は「失われた30年」と呼ばれています。

2024年以降の世界・日本情勢に関して

その1:減速する世界経済

世界経済は、コロナ禍を経て、経済成長を維持してきましたが、2023年以降、徐々にその成長率は減速し、世界経済成長率のベースライン予測は2022年の3.5%から2023年は3.0%、2024年は2.9%へ鈍化する見込みで、歴史的(2000~19年)平均である3.8%を大きく下回ります。

しかし、世界経済は減速しても、AI・メタバース・EV・自動運転技術など、新しい成長分野が世界経済を牽引して行くことでしょう。

一方地政学リスクとして、ウクライナ紛争やイスラエルのガザ侵攻など世界は紛争が大きくなってきており、更に、中国は2027年までに台湾を併合すると発表しています。

米国や英国などはこの動きを牽制していますが、中台紛争が起きれば、日本には隣国として大きな影響を受けるでしょう。また、台湾は半導体などの主要生産国でもあり、世界の経済市場にも大きな影響を及ぼすことが懸念されます。

その2:不透明な日本経済

日本経済は、失われた30年を経てようやくデフレ脱却が見えてきましたが、世界経済減速の影響は避けられないでしょう。

政府は2024年春闘での大幅な賃上げを期待していますが、大企業は余力があり追随できても、雇用の70%を抱える中小企業がどこまで追随できるかはまだわかりません。

更に、日本には1000兆円を超える国の債務があるので、インフレ対応で日本銀行が金利を上げれば支払金利が増加して国家財政に影響するほか、国債の50%以上を保有する日本銀行は国債の下落により、含み損が発生する可能性も十分にあります。

また、2024年の元旦に能登半島地震が起こったように、日本は地震大国であることを忘れてはなりません。関東大震災よりちょうど100年が経過しましたが、首都圏では、今後30年以内に70%以上の確率でマグニチュード7クラスの大地震 (首都直下地震) が発生すると予測されています。

もし、関東大震災が再来すると、民間企業への被害額 (直接被害額あるいは資産等の被害) は約42兆円と推定されています。これは、阪神・淡路大震災や東日本大震災の被害の約7~8倍に相当します。

これからは世界全体に投資する時代に

これだけ世界情勢・日本情勢が不透明な中で、どの地域に投資するのが正解というのは、なかなか分からない時代になりました。

分散投資は投資の基本ですので、ここは、基本に立ち返って、世界中に投資するというのがお勧めです。

本来であれば、株式だけでなく、債券・不動産・商品(資源、金など)にも分散したいところですが、投資元本がそれほど多くなければ、まずは、株式主体で良いと思います。投資できる金額が増えてくれば、他の種類に進むという手順となります。

国内企業の株式を購入すれば、国内企業もグローバル展開をしている会社も多く、これだけでも、世界投資をしていると言えますが、Google、テスラ、エヌビディア、拼多多など、世界経済を牽引している会社は、日本の株式市場には上場していません。

そこで、よりグローバル化が進んでいる現在では、いわゆる「オルカン」と呼ばれている全世界株式を対象とした投資信託が人気を集めています。

オルカンの国・地域別構成比率は米国が50%以上となりますが、新興国なども含まれていますので、手っ取り早く世界中に投資を行いたい場合は、オルカンから入るのも一つの手だと考えられます。

もし、ある程度自分で地域や業種を決めたい場合は、米国のETFは種類も豊富なのでお勧めです。

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