固定資産税評価額とは
固定資産税評価額とは、「固定資産税評価基準」をもとに決定される不動産の基準価格のことです。
所有している不動産にかかる固定資産税や都市計画税、不動産を売買・贈与で取得したとき、または建物を新築・増築したときに都道府県が課税する不動産取得税のほかに、登録免許税、相続税は「固定資産税評価額」をもとに計算されます。
固定資産税評価額は土地や建物などの不動産の価値を評価した額です。
毎年1月1日時点に所有している不動産に課せられる固定資産税だけでなく、さまざまな税金の金額を決めるうえでの指標となります。
評価額を決める基準は、土地と建物で異なり、土地の場合は「売買実例価格」、建物の場合は「再建築価格」となります。
売買実例価格とは実際の市場で取引される価格、再建築価格は現在建っている建物を全く同じ構造、材料で建て直した場合にかかる費用を意味します。
なお、固定資産税評価額は3年ごとに「評価替え」が行われ評価額が更新されるため、評価替えの前後で納税額が変化する可能性があります。
固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額の調べ方は既に所有している不動産の場合と、これから取得する不動産の場合で異なります。
既に所有している不動産の場合
既に所有している不動産の固定資産税評価額を調べる方法は主に3つあります。
課税明細書
所有している不動産の評価額は市町村(東京23区の場合は東京都)から送られてくる「課税明細書」で確認できます。
課税明細書とは、毎年6月頃に届く固定資産税の納税通知書に同封される書類のことです。課税明細書の「価格」欄に記載されている数字が、固定資産税評価額にあたります。
固定資産課税台帳
課税明細書を紛失してしまった場合には、役所で「固定資産課税台帳」を閲覧することで評価額を確認できます。固定資産課税台帳には、固定資産税の課税対象となる土地や家屋の所有者、所在地、価格などが掲載されています。
固定資産評価証明書
「固定資産評価証明書」でも固定資産税評価額を確認することが可能です。
固定資産評価証明書とは、固定資産の所有者や所在地、課税標準額などが記載されている書類のことで、申請書と本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)、手数料などの必要書類を提出すれば全国の市役所で入手できます。
これから取得する不動産の場合
これから取得する新築住宅の固定資産税評価額は、正確な金額を知ることはできません。これは、まだ家が建っていない新築物件の場合、固定資産税評価額が算出されていないためです。
固定資産税評価額の決定方法
固定資産税評価額を決める方法は建物と土地で異なります。
土地の場合
土地の評価額を決める主な流れは以下の通りです。
[ 1 ]地域の区分けをし、指標とする街路を決める
[ 2 ]街路に隣り合う宅地から標準宅地を決める
[ 3 ]公示価格の7割を目安に標準宅地の時価を設定する
[ 4 ]街路の路線価(ある道路に面する1㎡あたりの土地の価格)を設定する
[ 5 ]宅地の奥行における補正を行う
形状やエリア、周辺環境などが影響するため、土地は広さが同じでも評価額は異なることが一般的です。
建物の場合
建物の固定資産税評価額は「再建築価格方式」を利用して計算されます。
再建築価格方式とは現在の建物を、全く同じ材料と構造で建て直した際にかかる費用を算出して評価する方式です。
再建築価格方式ではまず、建物の再建築費用を部分別に算出し、それを合計して建物全体の費用を求めます。さらに、家屋の経年劣化を考慮した補正率を乗じることで固定資産税評価額を算出します。
なお、建物の構造や材料なども評価額に影響するため、建物は地域や敷地面積、延床面積が同じであっても、評価額が異なる場合があります。
建設のためにかかるコストが高いほど、評価額も高くなることが一般的です。たとえば、木造よりも鉄筋コンクリート造や鉄骨造のほうが高評価になる傾向があります。