ライフ プランとは

人生100年時代になり、年金だけの生活に不安を感じる今日では若いうちからライフプランを描いておきたいと思っている方は多くなってきていると思います。また、結婚や出産などがあると自分だけではなく家族の生活も考えるとなおさらでしょう。本章ではライフプランをどう考えていくべきかということについて書いていきたいと思います。

1ライフプランを考える上での前提

(1)ライフプランは何年を基準に考えるべきか

人間の一生は人によって様々ですが、2020年の平均寿命は男性では81.64歳、女性では87.74歳です。これがさらに伸びてくると予想されているのでライフプランを考えるならば男女ともに90歳ぐらいまで寿命があると仮定して考えておくことが必要と思います。

(2)就業期間はどのくらいなのか

就業できる期間を考えると大学卒業して23歳で就業したとして65歳まで働く想定でも42年間です。今後就業人口の減少でかつ高齢者も元気なので70歳、80歳まで働けるかもしれませんが、AIやロボットの進展でもしかしたら相当な職種で仕事を人からAIやロボットに移行されて人間が仕事をする範囲が狭まる可能性もあります。今の前提ではやはり23歳~65歳までの43年間を就業期間と仮定しておくのが妥当かと思います。そう考えると人生の半分以上は労働をせずに生活を維持することが必要となりますのでやはりライフプランはしっかりと持っていたほうがよいと思います。

(3)ライフスタイル

ライフプランはその人の生活様式、結婚時期、子供を設ける時期、共働きか否かなどいろいろな要素で変わってくるので一律に決められることがとても難しいです。人それぞれが一定の予想や統計を基にしてそれぞれ自分に合ったプランを考えなければなりません。

2実際にライフプランを作ってみよう

実際にはどのような形でライフプランを作るか、一つの例を下記に参考例を作成して一部を記載しました。これは夫30歳、妻28歳で結婚して、その後2人の子供を設け、自宅を購入するパターンです。収入は夫が年収500万円、妻が350万円の共働きです(所得税、住民税など考慮していない)。また住宅価格は5000万円でかんがえている一般的な家庭の例です。

 

ライフイベント表参考例(一部)
家族年齢 イベント 費用(万円)
長男 長女
2022 30 28 結婚 200
2023 31 29 自動車購入 300
2024 32 30
2025 33 31 0 長男誕生 20
2026 34 32 1
2027 35 33 2 0 長女誕生 20
2028 36 34 3 1
2029 37 35 4 2
2030 38 36 5 3 自宅購入 5000
2031 39 37 6 4
2032 40 38 7 5 長男小学校入学 20
2033 41 39 8 6
2034 42 40 9 7 長女小学校入学 20
2035 43 41 10 8
2036 44 42 11 9
2037 45 43 12 10
2038 46 44 13 11 長男中学校入学 120
2039 47 45 14 12
2040 48 46 15 13 長女中学校入学 120
2041 49 47 16 14

これを見るとわかる通り、家庭を持つと生活費のほかにも意外と費用がかかるのがよくわかります。この先でも長男、長女が高校、大学と進学するごとに入学費用がかかり、毎年の学費もかかります。また、数年ごとの自動車の買い替えや自宅の改装、補修なども想定されます。

3ライフプランを基にキャッシュフロー表を作ってみました

さらに上記のライフプランニングに沿ってキャッシュフロー表を参考例を作成して一部を記載してみました。これを見ると具体的にどのような収入があり、費用がかかるかが毎年ごとによくわかります。それによってその家族の収支が一生涯おいてどのような変化していくのかがひと目でわかるようになります。

 

キャッシュフロー表参考例(一部)
2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
経過年数 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 6年後 7年後 8年後
夫の年齢 30 31 32 33 34 35 36 37 38
妻の年齢 28 29 30 31 32 33 34 35 36
長男の年齢 0 1 2 3 4 5
長女の年齢 0 1 2 3
ライフイベント 結婚 自動車購入 長男誕生 長女誕生 自宅購入
夫の収入 500 515 530 546 563 580 597 615 633
妻の収入 350 361 371 382 394 406 418 430 443
その他収入
収入合計(1) 850 876 902 929 957 985 1,015 1,045 1,077
生活費 360 371 382 393 405 417 430 443 456
住居費 180 180 180 180 180 180 180 180 180
車両費 330 30 30 30 30 30 30 30
保険料 30 30 30 30 30 30 30 30
その他の支出 120 120 120 120 120 120 120 120 120
一時的な支出 20 20 5,000
支出合計(2) 660 1,031 742 773 765 797 790 803 5,816
年間収支(1-2) 190 -155 160 155 191 188 225 243 -4,739
貯蓄残高 0 -155 5 160 351 540 765 1,007 768
住宅ローン残高 4,500

あくまで参考ですから、世帯の状況、収入など考えて自分なりの表を作成するとよいと思います。

4 ライフプラン、キャッシュフロー表を見ながらどうやってプランを修正していくのか?

これらの表を見ると生活費、教育費、住宅費など一生を通じてかかるであろう費用がおおよそではありますがわかってきます。また、キャッシュフローなどが今の時点でどの程度になるかわかるので転職などの時にも収支を考える上でとても役に立つと思います。この表を基にこれを修正しながらここが足りない、この費用を別の費用に回そう、などいろいろと考える上でとてもわかりやすくなります。
不足する場合や貯蓄を増やしたい場合の具体的な方法は

(1)節約する

例えば生活費の部分をどうやって節約できるか毎月使っている費用を精査したり、住宅ローンの金利を見直したり、保険費用を見直したり、いろいろな方法が

考えられます。

(2)収入を増やす

今の時代は副業を認めている会社も増えてきました。また、資産運用をして収入を増やすツールも一般の人にもずいぶん普及しています。節約だけではなく

もっと日ごとをして稼いだり、運用をして稼ぎを増やすチャレンジをしたりと考えられることがいろいろあると思います。自分の生活スタイルや性格などもありますので

自分に合う方法を考えてみてください

 

5 ファンドマネージャーから見たライフプランとは

不確実な時代になって遠くの将来の設計まで考えるのは意味が無いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、不確実だからこそ指針と管理しやすい

わかりやすい表が必要です。そのためにライフプランを作成し、予想のキャッシュフロー表を作成することはとても有意義だと思います。

また、これらの表は作成したら終わりではなくそれが始まりです。定期的に、かつ大きな変化があったときは見直しをして最新の状況を盛り込んだ資料にしておいてください。

さらにライフプランは自分の世代だけではなく上下の世代にも関係します。両親から相続をすることもあるでしょうし、逆に介護費用や医療費を負担することもあるかもしれません。子供の世代においては結婚して住宅を購入する場合などの一部の費用を負担することもあると思います。それらは不確定要素ではありますが、その時々に表を修正することが大切です。

そしてライフプランはそれに縛られるのではなくそれを利用してよりよい生活を送るためのツールであることを忘れないでください。例えば、子供が中学受験で評判の良い中学校に合格したと仮定します。ライフプランで子供の中学校入学で20万しか予定していないので学費が足らないのどうしようか迷ったときなどは、他の費用から学費に回せないかなどライフプランやキャッシュフロー表を利用すれば入学金や毎年の学費を捻出する方法を考えることもわかりやすくなると思います。

他にも貯蓄についても運用を組み込むことでインフレヘッジ、また資産増加の可能性が十分考えられると思います。キャッシュフロー表は貯蓄がどの程度あるのか、毎月どの程度貯金ができるか、またそのリターンの期待値、リスク度合いなど考慮した上でその中でどの程度まで投資に回せるのか考える資料の一部としても役立ちます。

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