老後資金 貯蓄方法は?

老後資金は年金だけで十分足りるのか?または貯蓄が必要なのか?誰もが思う老後の問題です。これは人それぞれ仕事の状況、家族構成また資産状況によって違いますので一概には言えませんが、用心して貯蓄をしておいたほうが、何もしないよりは安心だということではないでしょうか。では、用心して貯蓄する方法とはどのような方法があるのでしょうか。いくつか参考になるだろうことについて記述していきます。

1生活をエンジョイして老後の貯蓄するには投資が一つの方法

一部の外資系企業などはストックオプションなど株価に連動して受け取れるシステムなどがありますがまだごく一部の企業で、大半の会社は給与+ボーナスという旧来の報酬制度になっています。通常、老後資金の形成は毎月の給与の一部やボーナスを貯蓄していくと思いますが、例えば毎月3万円、ボーナス(年2回として)時10万円ずつ20年間貯蓄をすると金利を考慮しないでも1120万円に増えますが、それでも老後2000年問題と言われる余裕のある生活のために必要な2000万円には到達しません。もちろん退職金などもあるでしょうが、住宅ローンの返済など全部が残るかどうかはわかりません。現在の低金利が続くようならば預金をした金利収入などあてになりませんから、現役世代にエンジョイした生活を送りながら老後の蓄えを作るには、いろいろな方法で運用して手持ち資金を増やすことが一つの方法だと思います。もちろん投資には何かしらのリスクがありますが、近年の低金利下においては投資をしないことがかえってリスクになることも考えられます。というのはインフレになることも考えられるからです。日本政府は達成はできていないものの年間2%を物価上昇目標にしています。ここしばらくは、この年間の物価目標に到達していませんが、数年の平均ではプラスで推移しており、今後もエネルギーやその他資源価格の上昇、労働賃金の上昇によって物価は上がっていくことも想定されます。さらに預金金利は年間0%に近い状態で推移しています。物価が上昇すれば同じ生活をするためにはさらに多くのお金が必要ですから、預金をして金利をもらうだけでは相対的な資産の価値は減少していると考えられます。

2 どのような投資が老後の貯蓄には適切なのか

では老後の貯蓄には具体的にどのような方法が適切なのでしょうか?投資の方法にはいろいろありますが、やはりインフレを超える上昇期待がありかつ一定の安定性がある投資が必要だと思います。具体的には株式や不動産、債券など代表的な資産を複合的に分散投資して、かつ日本円だけではなく通貨をやや分散しておくのが一つの方法かと思います。

(1)株式投資

投資方法の中では株式投資はやはり王道です。世界経済は景気不景気の波はあるものの基本的には成長を続けています。それを一番反映しているのが株式です。特に先進国の株式はそれぞれの企業の栄枯盛衰はありますが、経済全体としては長期的に見れば少しずつ成長を続けてきたからです。株式はただ利益が出れば株価が上がるとは言えませんが、利益の成長によって株価上昇の可能性は高くなります。例えば米国のニューヨークダウ平均の推移をみるとITバブル崩壊やリーマンショックなど一時的な暴落はありましたが、10年単位の長期で見ればそれを飲み込んで消費者物価の上昇を上回っています。長期的に見れば先進国株式全体は預貯金をしておくよりは上昇確率が高いので一定の資金をそこに分散して投資しておくことは資産形成においてとても効果のあることと思います。

(2)不動産投資

不動産投資は株式投資と並んで老後の資産形において重要な要素だと思います。特に日本の不動産価格も価格の上下動はあるものの1990年のバブル崩壊時を除いては超長期的に安定して上昇しています。。また、多くの人が自宅用に不動産を保有しますのでその不動産が上昇するだけで保有資産は上昇します。例えば5000万円の自宅が30年後に1億円になったと仮定します。自宅ですから簡単に売却はできませんが、老後になってそれを売却して、不動産価格が安い地方で5000万円で自宅を再購入して残りの5000万円を生活に充てることもできます。
また、投資用不動産は賃貸収入とローンの支払い額が合致すればそれほど大きな持ち出しが無く、ローン終了後にはその家賃が収入として入りますから老後の生活資金を増やすことができます。

(3)その他

他にもFX(外国為替証拠金取引)などいろいろと投資対象商品はありますが、基本的には価格の変動が大きくボラティビティがあるので長期投資というよりは短期投資でサヤ抜きをすることが中心になりますから長期投資にはあまり向かないと思います。ただし、今後はグローバル化がさらに進展しますから円通貨だけで構成される投資対象に投資をするのでは無く、例えば米国株投資をして米ドルを保有するなどFXではなく多角的に通貨を保有することは資産の安定化に大切なことだと思います。
また商品市場の中でも安定的な資産である金は長期投資には妙味のある資産だと思います。これはインフレになると上昇する傾向があります。

3具体的な投資について

上記に記述したように、株式投資や不動産投資を軸に投資のポートフォリオを組み立てていく方法が一般的にはわかりやすいと思います。それぞれ同様な方法が良いのかを考えてみたいと思います。

(1)安定的な株式投資の方法

多くの人は昼間仕事をしているでしょうから、株式市場をずっと監視していることなどまずは不可能だと思います。そのような方が株式投資をするのであれば個別株式に投資をするよりは
ETF(株式上場投資信託)にように日経225やTOPIX連動など全体平均に連動するもの、またもっと対象を絞りたければその業種ごとのETFなどに投資をしていくのが長期投資には適していると思います。さらに購入時点での価格が高いか安いかは相場や景気状況によって様々なので、投資時期を何度にも分けて分散投資するのがよいと思います。特に少額から積み立てで投資しようという場合は毎月一定の額を投資していけば割高なときも割安なときもありますが平均して購入できます。もし大きな資金を保有していてそれを株式投資をしたいならば一度に購入するよりは期間を空けて数回、または数十回に分けて購入することでその期間の平均的価格で投資ができます。保有期間はできれば超長期で10年単位の期間を保有することで世界経済や企業の成長が株価に反映されると思いますのでより安定した投資になると思います。
因みに私自身も株式を保有していますがポートフォリオの大半を米国S&Pに連動するETFと米国高配当株にだいたい半分ずつを連動するETFに充当しています。これにより年間配当は平均して2%後半を享受することができます。このほかに配当を確保するためにディフェンシブ株の代表的銘柄や大手銀行株、REIT を保有し、他に少額ですがIT系の株式に分散して投資をしています。これによって株式全体では年間2%後半の利回りを得ながら、その成長を長期的に楽しもうと考えています。

(2)不動産投資の具体的な例

不動産投資はサラリーマンの方など昼間の仕事があって投資を考える時間が限られている方にとっては適している投資だと思います。ただし、具体的に投資を行う時には時間をかけてしっかりと物件の吟味して投資を決定することが重要です。その物件の所在地、専有面積や土地の保有面積(マンションの場合)、付近の賃貸相場の状況、管理費や修繕積立金(マンションの場合)、固定資産税などのコスト他自分でしっかりと検証するべきです。またコストを引いた利回りがどのくらいでローン借入の返済と税金を考慮してキャッシュフローがマイナスにならないかなど自分の生活にかかる資金も考慮しながら検証することが大切です。自宅用不動産を購入する場合でも物件の検証がよくやっておきべきです。
具体的に自分が購入時に行った経験ですが、まずは地図や電車、地下鉄の路線図を見て土地勘がある場所を選定して、その後インターネットで物件を探します。すぐには見つからないとは思いますが、各不動産会社は検索通知機能がありますから、条件を設定しておいてその範囲の中の売却物件が出たら通知が来るようにしておきます。その中で興味があるものがあれば問い合わせをして資料一式を請求してその資料から物件内容を確認します。その後販売を担当している不動産業者でも他の不動産業者またはインターネット上でもよいのですが周囲の賃料状況を確認し、自分なりの収益、費用、減価償却、税金などを計算しして表を作成します。その後不明点は仲介する不動産業者に依頼して解決していきます。最終的には売買時に不動産業者から受領する重要事項説明書を確認して風水害の可能性やその他注意事項も含めて最終チェックしていきます。不動産は物件ごとに条件が違うかもしれませんが、一つの参考としてください。

4まとめ

老後投資はできれば若いころから長期戦で臨むのほうがよいと思います。時間を味方につけることができるからです。一つの会社に生涯就業して、比較的大きな額の退職金をもらいそれを老後資金に充てるというような従来の設計図はなかなか描きにくくなりました。自分でしっかりと考え設計して、ETFなどを活用した株式や不動産を中心に考えて、分散を心がけて超長期的にじっくりと資産形成することも豊かな老後生活を見据えた一つの有力な方法かと思います。

 

 

 

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