アパート経営の資金はいくら必要?具体的なコストと必要資金について考える

アパート経営を検討されている方の多くはローンで大きな金額を借りて大きな投資をすることを考えていると思います。ローンを借りると一言で言っても銀行とどのような交渉をするのか?条件設定をどのようにするのか?またどのような費用がかかるのか?など疑問も多いと思います。ここではアパート経営の資金について解説して行きます。。

1 アパート経営の初期費用はどのくらいかかるか

アパート経営を始めるあたりどのようなコストがかかるかを整理します。

  • 土地代金
  • 建物代金
  • 外構費用
  • 土地を買った場合または中古で土地建物を買った場合の不動産仲介手数料
  • ローン事務手数料
  • ローン保証料
  • 火災保険料
  • 不動産取得税
  • 物件権利登記や抵当権設定に関する登録免許税、司法書士手数料

ざっと上記のような費用がかかります。この費用は、物件の条件によって変わりますが、おおよそでは不動産取得費用(土地、建物、外構)+3~6%と考えてよいと思います。
つまり、新築でも中古でも不動産取得費用が1億円とすれば、600万円程度の別途費用が必要となります。この金額は通常はローン借り入れをするのは難しく、自己資金を充当しなければならないことが多いです。

2 ローンの借入限度と自己資金について

区分マンションへの投資では販売会社の提携ローンを使って、不動産取得費用+諸費用のすべてをローンで調達できる場合もありますが、木造造りや鉄骨造りが多いアパートでは法定耐久年数は木造造りの場合は22年と短く、ローンも20-35年が主流となり、貸出期間はやや短くなる傾向があります。その場合は毎月の返済額も増加しますので貸出金額は減少する場合があります。前述した不動産取得費用も合わせて考えるとローンの調達だけでは総資金は賄えず、投資額の10%~30%ぐらいの自己資金が必要になる可能性もあります。

次に融資金利ですが、居住用の住宅ローンに比べて投資用資金を提供する金融機関は絞られていて、金利は高くなる傾向があり、2%~3%(変動金利)が主流と考えられます。また最近、新築アパート分譲会社と地方金融機関が組んで、郊外の寮のようなアパートを販売したものの、サブリースも付けられず、入居者も入らなかったため、家賃が入らずに、ローン返済が滞ってしまう事例が多く発生しました。これは特殊なケースだとは思いますが、その影響もああり、金融機関のアパートローンに対する審査はやや厳しくなっているようです、例えば年収500万円の方が投資する場合はに1億円の物件を購入させるのはリスクが大きすぎないかと考えるのも常識的な判断かと思います。

収入が多くない方は新築アパート販売会社の金融機関との提携ローンを斡旋してもらったほうが審査はスムーズかと思います。中古アパートはその地域の地方銀行、信用金庫などから高い掛け目のローンが出ることもありますが、借入人の勤務先が大手上場企業や公務員であったり、高額所得者の医者、弁護士などに限られることが多いと思われます。

3 待機資金について

投資の初期に必要な自己資金のほかに、退去やその他事情で収入が減少して、金融機関に返済する資金が足りなくなるリスクの想定も必要です。その場合、すぐに投資したアパートが売却できれば問題無いですが、その状況下では、購入価格より大幅なディスカウント価格でしか売却ができず、その売却代金ではローンの残債が残ってしまうので、結果として、すぐに売却ができない可能性もあります。
そうなる事態も想定して、予め手元資金は必ず確保しておく必要があります。アパート経営は想定利回りが高い分、空室リスクも高い場合があり、規模もそれなりの大きさになるので、いざという時の待機資金も月額家賃の6か月分~1年分ぐらい(投資金額の3%~6%ぐらい)は必要と考えられます。

4 まとめ

アパート経営はそれなりに大きな金額の投資となるので、ローン借入比率を高めて、金融機関から資金を調達できれば、大きな収入増のチャンスとはなりますが、反面ではリスクも大きくなります。本業の収入が安定している方や、他に資産をお持ちの方はアパート経営で、ある程度のリスクを取っても構わないでしょうが、それ以外の方は自分の収入に見合った生活分の資金を収入から確保したうえで、ある程度の余剰資金が発生するのであれば、投資に臨むべきと考えられます。
前述の通り、近年は新築郊外型アパートを建て家賃保証付き(サブリース付き)で販売した会社が倒産して苦境に立った投資家が多数発生した例もありました。もしローンが借りられたとしてもそれがゴールではなくアパート経営の始まりであり、金融機関が支払いの責任は負ってくれることはありません。自らが投資物件の資産性、キャッシュフローを分析して良否を判断して、同時に社会情勢の変化も考えた上で、対策を考えて投資すべきと思われます。
すべてが一様に言うことはできませんが、投資に関する自己資金といざという時の待機資金を合わせて、投資金額の10~30%ぐらいの自己資金は用意してアパート経営に臨みたいものです。

 

 

 

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