投資初心者があらかじめ知っておくべき不動産投資用語

不動産投資を始めようと思って、ネットで調べたり、実際に不動産業者の話しを聞いてみると、いろいろと専門用語が出てきます。

その都度、専門用語を調べても良いですが、準備として、あらかじめ主要な用語についてはチェックしておくようにしましょう。

物件資料に出てくる用語

まずは、物件資料によく出てくる用語について紹介します。

区分所有権

区分所有権とは、マンションなど、一棟の建物に構造上区分された数個の部分が独立し、住居や店舗、事務所等の用途にすることができるとき、各部分を所有する権利のことを言います。

各部分は「専有部分」と呼ばれ、エントランスや階段、廊下などの「共用部分」とは区別されます。

専有部分については、一般の所有と同様に扱われ、売買することは可能ですが、一棟の一部であることから、所有者から成る管理組合の規約などにより、共同の利益に反するような使用は許されていません。

共用部分については、専有部分の床面積の割合で持分を有し、共同で使用することになっています(共有持分権)。

このように、区分所有建物は専有部分と共用部分から構成されています。また、建物自体は、底地である土地も共有しているため、法律上、各区分所有者はその土地を利用できる「敷地利用権」も持っています。

管理費(共益費)

マンションなどの専有部分を除く共有部分を維持・管理する費用です。

共有部分とは、マンションであれば、玄関や外構、エントランス、階段、エレベータ、廊下、ごみ置き場、屋上、バルコニーなど、専有部分を除くすべてのエリアです。

共用部分の管理は、管理組合が行います。管理組合には区分所有法に基づき、専有部分の所有者全員が入ります。

管理組合は管理業務に関して、多くの場合、外部業者に全てを委託しています。外部業者は日々の清掃業務などの他、施設の運営維持のための修繕計画を立て、それを実行していきます(このあたりは、管理人は別に徴収される修繕積立金が充当されることになります)。

管理組合は、外部業者から業務に関する報告を受ける形が多く、どこをどのように掃除し管理するか、管理費はいくらにするかなどは、管理組合が最終決定はしますが、外部業者がその案を作成します。

オーナーチェンジ物件

賃借人と賃貸借契約を締結したまま売買される物件です。
オーナーが変わっても普通賃貸借の居住権があるので、売主は売却するから
退去を要請することは通常はできませんので、このようなケースが発生します。
メリットとしては購入時からすぐに賃料収入がある、収入があるのでローンが通りやすいなどあります。
デメリットとしては賃借人がいる状態で販売されているため、買主は基本的に室内を見ることができません。よって室内の瑕疵を発見することが難しいです。

また、相場賃料は最初に賃貸した時の状況と現在との周辺相場の差異や建物の劣化具合によって、契約していると違いが出る場合もあります。もし退去した場合、更新した場合の利回りも考えて周辺相場は必ず確認する必要があります。

フリーレント

賃貸をする場合に、所定の月数を家賃を無料にすることです。集客して早く成約するためや賃料を下げないために使われることが多いです。

フルローン

不動産本体価格全額を金融機関からのローンで賄うことです。購入諸経費までもローンで賄うことはオーバーローンと呼ばれます。

サブリース、マスターリース、家賃保証

サブリース・マスターリースとは、一括借り上げ、家賃保証制度のことを言います。

不動産会社は不動産のオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸します。オーナーは入居者がいようといまいと、一定の家賃が保証されるので、空室リスクを気にする必要が無くなります。

また、入退去に関する手続きや家賃の集金業務などもサブリース業者が行いますので、それらの業務からも開放されます。

サブリース契約では、一般的に保証される賃料は、相場の80%〜90%となります。相場家賃からの差額は保険料と考えてよいでしょう。

不動産会社によっては、サブリースのことを、マスターリースと呼んだりします。

集金代行

サブリースに類似したもので「集金代行」という制度があります。これはサブリースと違って、家賃保証はせずに賃料の回収とその他事務だけを所有者に代わって行うものです。これもケースバイケースですが家賃の数パーセントを差し引いて支払う場合が多いです。

団体信用生命保険(団信)

不動産投資ローンを借りる場合に、通常、団体信用生命保険(団信)に加入します。

団信は、ローン返済中に契約者である借入人に万が一があった場合、保険金によりローン残債が弁済される保障制度です。この制度によって、残された家族には、ローンが無い、不動産を残すことができます。

以前は、死亡や高度障害に保証範囲が限定されていましたが、最近は三大疾病やガンも対象となるような保険も登場しました。

節税

不動産投資には家賃で収入を得るいがいにも節税効果があるメリットもあります。不動産賃貸をした場合は個人の場合は確定申告が必要になります。その際に賃貸にかかった費用や建物の減価償却費は必要経費として計上できます。
特に減価償却費は建物の簿価が築年数の経過するごとに一定法則に基づいて減少していく仕組み(鉄筋コンクリート造りは47年、木造は22年)で、実際には資金の支払いが生ずることなく必要経費で計上するので、キャッシュフローが向上します。賃貸物件の購入を検討する時には、その物件の必要経費と減価償却費の額によって、同じ表面利回りでも実際のキャシュフローが相当違いがあるのでこれらをよく検証したほうがよいと思います。

不動産契約に関する用語

売買契約書

不動産の売買をするときに取り交わす契約書です。
通常は契約時に手付金を買主が最終売買日の期日を決めておきます。
宅建業法上で記載すべき主要事項は決まっています。

重要事項説明書

売買契約を締結するまでに不動産会社は買主に対して購入対象物件についての重要事項説明をしなければならないと宅地建物取引業法定められており、契約前に宅地建物取引士が口頭で説明、記名捺印しなければありません。近年は記載内容が細かくなり、相当に長い時間の説明になりますがこれは物件の正しいデューデリジェンスを宅建取引士がやってそれを説明してくれるようなものなので売買時にはよく聞いたほうがよいと思います。また、わからないことは必ず質問しましょう。もし、説明を受けた後問題を感じて売買をしないことも可能です。

下記がその主な項目です。

取引物件に関する事項

取引物件に関しては、登記記録の記録事項、法令に基づく制限、私道に関する負担、
飲用水・電気・ガス、排水施設の整備状況、土地建物建築工事完了時における形状・構造、区分所有建物の場合の敷地に関する権利、共用部分に関する規約等の定めなどです。

取引条件に関する事項

代金、交換差金などの金銭、契約の解除条件、損害賠償額及び違約金、手付金等の保全措置、支払金または預り金の保全、金銭の貸借(住宅ーン)、瑕疵担保責任の履行などです。

その他の事項

法令関係(国土交通省令・内閣府令)、割賦販売などです。また土砂災害警戒区域内の場合、耐震診断を受けている場合なども説明が必要です。

手付金

契約締結時に買主が売主に対して支払うものです。手付金には3つの種類があります。

証約手付

契約締結を証明するために授受される手付金

違約手付

契約違反(違約)の場合、賠償金とは別に没収される手付金

解約手付

物件売買契約の解除に関する手付金

一般的に不動産売買契約で記載される手付金は解約手付で、買主は売主に対して既に支払った手付金を放棄することで、売主は買主から受け取った手付金の倍額を支払うこと(手付倍返し)で売買契約を解除することが出来ます。契約上では、解除手付とされているか確認します。解約手付による契約の解除は、相手方が履行に着手するまでの間であれば可能とされており、相手方が契約に記載されている内容を実行している場合は手付金を支払ったとしても契約解除は出来なく違約となります。

金銭消費貸借約定書

ローン契約書のことで借入する時に金融機関などと締結します。

利回りに関する用語

販売図面、チラシなどに利回り○.○〇%または想定利回り○.○〇%と表示があります。これには管理費などの費用が含まれているかなどわかりにくい点があります。

表面利回り(グロス利回り)

表面利回り年間家賃収入÷購入価格(税込み)
のことで単純に家賃収入を購入価格で売却したものです。グロス利回りとも言われます。
これはわかりやすい指標ではありますが、管理費や固定資産税などの高低で実際の利回りは変わってしまいます。販売図面はチラシなどの広告によく掲載されているのがこの数字です。

実質利回り(ネット利回り)

上記の表面利回りに対して実質利回り(ネット利回り)とは、年間家賃収入から年間にかかる管理費、修繕積立金(アパート、一戸建てなどの場合は修繕費用)、固定資産税、都市計画税など税金を指し引いた数字を、購入価格に購入時の仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、印紙代などを足した数字で割り戻して算出した利回りのことを指します。これは単純に年間の家賃収入を物件価格で割っただけの表面利回りよりもよりかなり正確な利回りです。
 「実質利回り=(年間収入―管理費―修繕積立金(アパート、一戸建てなどは修繕費用)-固定資産税―都市計画税)÷(購入価格(税込み)+仲介手数料+登録免許税+不動産取得税+印紙代などの費用)」

満室想定利回り

賃貸中ならば、オーナーチェンジと言って正確な賃料が表示されますが
空室での投資物件の場合は賃料がけっていしてはいないので、満室想定賃料として利回りが表示されている場合があります。この場合はあくまで想定なので、適正な相場の賃料でなければその賃料で自分で再計算したほうがよいと思います。賃料相場はインターネットで実際に賃貸にでている家賃を見たり、不動産業者に聞いてもよいともいます。

建物構造に関する用語

最後に建物構造に関する用語について解説して行きます。

木造

木造は一戸建てやアパートで多く、躯体を木材で作った構造です。
鉄材に比べ木材はコストが低く建築費が安くできます。日本では春夏秋冬で温度差、湿度差があり、また湿気が多いので水分を吸収してかつ乾燥により収縮する木は日本に適しています。また柱や壁の間に隙間をあるので通気性が良く、一定の湿度を保ちやすくカビなどのも効果があります。
デメリットとしては、鉄筋や鉄骨に比べ地震などの耐久性が低く、音は漏れやすい構造です。現在は木と木のジョイントに鋼材を使ったり、木質パネルを組み合わせるツーバイフォー工法などもあり強度も上がっていますし、防音パネルや防熱パネルなども良い部材がありますから木造の建物も強度、快適性は以前より向上しています。

鉄骨造り

軽量鉄骨造り

鉄骨の厚みが6mm未満のもの鉄骨を躯体に使ったものです。アパートなどが多いです。鉄骨のため強度があり、かつ建設コストは低く抑えることができますが、鉄筋コンクリート造りなどの比べると強度は弱く、大型建物には適しません。

鉄骨造り(S造)(重量鉄骨造り)

厚みが6mm以上の鉄骨を使用する構造でマンションやビルに用いられることが多いです。鉄の分量が多いので建設コストはその分高くなります。

鉄筋コンクリート造り

分譲マンションによく用いられる工法です。鉄筋は引っ張る力に強いのですが熱に弱く錆びやすいです。反対にコンクリートは熱には強く引っ張る力に弱いので鉄筋をコンクリートで覆うことで互いの弱点を補って耐久性を向上させています。また、防音性、気密性が高いです。
デメリットは鉄材、コンクリートを多く使うので建築コストは高くなります。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

高層のオフィスビルやタワーマンションに用いる場合が多く、鉄筋コンクリート造りにさらに鉄骨を追加する構造です。鉄骨、鉄筋、コンクリートの良いところを取り入れられるため、高い剛性と柔軟性を併せ持ちます。鉄筋コンクリート造りより耐震性が向上し、柱や梁も小さくすることができるので使用面積を広くすすることができます。
ただし、上記の建物構造の中では建築コストが一番高くなってしまいます。

 

 

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