不動産投資は誰でも儲かるのか?成功率と成功率を高めるポイントについて解説!!

「不動産投資が成功したかしないか?」これは、どこまでを成功・失敗と捉えるかによって判断が変わるため、一概には言えません。投資した方の全員が成功しているとは言えないでしょうし、おそらく、自分が成功したと感じている方は半分にも達していないでしょう。しかし、不動産は価格の変動が緩やかな分、株式投資やFX(外国通貨証拠金取引)よりは成功率は高いのではないかと思います。どちらにしても投資ですからリスク要素はあります。100%の成功は難しいと思いますが、成功率を高めていくにはどうすればよいかを考えていきましょう。

1 不動産投資の目的

不動産投資の目的として

  • 家賃収入で副収入を得る
  • 家賃収入で生活する
  • 家賃収入で老後の生活資金にする
  • 減価償却費を利用して節税する
  • ローンの団体信用生命保険を利用して生命保険代わりにする

などが考えられます。それぞれの目的によって、投資の仕方やリスク度合いが変わってきます。

(1)家賃収入で副収入を得る

サラリーマンの方で、給料収入をもって生活費を得ている場合、副収入を得る目的の不動産投資収入は、コアの生活資金に充当するわけではないことから、安心して投資ができます。ただし、あまり大きなリスクを取ってしまうと、ストレスが大きくなって本業にも差し支えてしまう可能性もありますので、まずは、区分所有マンションの1室に投資し、徐々に増やしていくなど、リスクをコントロールした投資が良いでしょう。ローンの借入金額は、家賃収入から修繕費などを差し引いた金額で支払いできる範囲で、元利均等返済であれば、安心できると思います。毎月のキャッシュフローが赤字で、給料から補填しなければいけなくなると、何のための投資かわからなくなるので、ローン返済額から管理費や税金など経費を引き、若干は手元に資金が残って、副収入となるように資金計画を立てるようにしましょう。

(2)家賃収入で生活する

不動産収入だけで生計を立てるには、十分な頭金を用意してよくよく計画を立て実行するべきです。不動産購入をすれば、毎月の管理費や修繕費、更には、固定資産税など、様々な費用がかってきます。また、ローン借入は通常は元利均等返済ですから、一定の割合で借入の元本を毎月返済しなければなりません。その分だけ実際の収益より、キャッシュフローは減少してしまいます。これらを計算したうえで、どの程度が残り、それで生活が成り立つかを計算する必要があります。さらに空室が発生し、家賃収入が減少するなどのアクシデントは起こりますから、その分を十分加味した上で、手もとに余裕資金を確保しておく必要があります。もし複数の不動産に投資し、商業・オフィスビルを保有する場合は、それだけではなく、住宅などにも分散して投資するべきでしょう。商業・オフィスビルは、テナント数が少なく、1つ1つの家賃比率が大きい場合、空室時にはキャッシュフローが大きく毀損することがあり、また経済状況に大きく左右されることが多いからです。

(3)家賃収入で老後の生活資金にする

老後の生活資金にする場合は、年金などその方の老後の収入状態によって計画が変わります。例えば、厚生年金のほかに企業年金や民間の終身年金などで十分なキャッシュフローがある場合は不動産収入に大きく依存する必要がないので、ローン借入れが多少多く、返済金額がキャッシュフロー並みになっても大丈夫かとは思います。しかしながらそうでない場合は「(2)家賃生活で生活する」で記述したように、余裕のある資金計画で運営すべきです。また、相続対策として不動産を保有することは、現金のままで保有する場合に比べ、有利な場合が多いですが、あまりに不動産保有比率を高くしてしまうと、有事の時の対応ができません。ローン借入れについても同じようなことが言えます。老後を考える場合は、健康第一で大きなストレスにならないような投資設計をすること、後世の世代のために、あまり複雑なポートフォリオにならないようにしておくことも大切です。

(4)減価償却費を利用して節税する

給与所得や配当所得などが高額の場合は、不動産所得で赤字を出して、損益通算することが可能です。不動産所得が赤字になれば、給与所得や配当所得などと損益通算して所得税が圧縮できて節税することができます。この場合、元々の不動産所得が赤字で、所得が減少してしまっていないかと心配になるかもしれませんが、不動産所得の経費には、減価償却費が含まれており、その分は経費がとなっていますので、キャッシュフローとしては残ります。さらに所得税などを圧縮し、節税につながった分もキャッシュフローのプラスとなりますので、赤字幅にもよりますが、一定レベルの赤字までは、合計のキャッシュフローはプラスになります。これは高額所得の人ほど向いています。
どのような不動産の種類が向いているかと言えば、木造の一棟アパートのように減価償却費が大きく、かつ全体の建物比率が高い物件が良いでしょう。実際に行う際は、税務的な問題もありますので、税理士などの専門家と相談の上、物件の選定や資金計画をしっかり立てるべきです。

(5)ローンの団体信用生命保険を利用して生命保険代わりにする

団体信用生命保険は、ローンの債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になったときなどに、その保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。完済後は、住宅ローンの返済が不要になります。民間金融機関の住宅・不動産投資ローンでは加入を義務付けられていることが一般的です。保険料はローン金利に含まれており、年齢や男女別の保険料の違いはなく、保険金額はローン残額となります。保険金の受取人は融資を受けた金融機関で、その金額でローンの残債が返済されます。保証期間はローンの返済期間に連動し、もし期限前完済した場合はその時点で終了します。このように、保険料は実質的には金利として支払いしているのですが、一般の保険と比べ保険料も割安と思われ、条件も細かく定義されていなく、かつローンと一体となって加入できるので便利な保険です。万が一の時に残債が完済されれば、その物件は借入無し(高額借入の場合は一定レベルまでしか団体生命保険が加入できない場合もあります)となり、遺族には年金のようにキャッシュフロー(家賃収入)を残すことができます。

2 不動産投資で成功率を高めるには

不動産投資は、ただ投資をするだけで万人が成功するというものではありません。投資ですから成功も失敗もあり、そのリスクを取ることで利益を生むと考えられます。では具体的にどのようなことに注意して取り組んでいけばよいのでしょうか。

(1)タイミング

投資はタイミングが大切です。不動産投資も同じことが言えます。具体的にいえば、高い時期ではなく安い時期に買うということです。一般的には10年物国債などの長期金利と投資不動産のコストを引いたネット利回りの差が大きければ価格は安めと考えることができます。また差があまり無かったり、逆ザヤならば価格は高騰していると考えられます。その他にも一般的に物価の動向がインフレに向かうようならば物件価格は上がり、デフレ方向ならば下がる傾向があります。また住宅需要が多ければ物件価格は上がり、少なければ下がります。

(2)投資物件の立地

投資物件の立地はとても大切です。土地は良い場所は将来的には価格が安定していますが、魅力のない場所は下がっていきます。ではどこが良い土地なのかと言えば、
①都心や大都市など今後も人口が増えそうな場所
②駅や高速道路のインター、商業施設などが近く便利な場所
③環境がよく人気のある場所
④地盤が安定していて地震や水害などに強い場所
です。

(3)建物の状態

建物は築年数が古くはないか、メンテナンスがしっかりと行われているか、またしっかりと設計されて建築いる建物か、などをよくチェックしてください。また、新耐震基準の建物のほうが安心です。

<参考>新耐震基準とは
建築物設計で適用される地震に耐えることのできる1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認において適用されている構造の基準です。 新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されています。

(4)ローン

不動産投資を成功させるためには、借入金利は最終利益を左右する大変重要な要素です。低金利で調達できれば、毎月の返済額は少なくなりキャッシュフローがよくなり、最終的な支払総額は驚くほど変わります。不動産投資で金融機関から借入を行う際は金額だけではなく金利もしっかりと交渉して有利な条件で投資をしてください。

(5)近隣の賃貸需要、環境などの情報

まずは情報収集が大切でその場所の状態をしっかりと把握することが大切です。また、ネット上の口コミなどで出てくる周辺情報も生活する上では大変有意義な情報です。例えば、周辺地域の賃貸需要はどの程度あるのか、賃料相場はどのような状態か、よい環境か、近隣に買い物施設、公園、学校、病院などの施設はあるか、などをよく確かめてください。

3 まとめ

不動産投資の成功率は一概にどこまでが成功かは決めにくいのですが、自分の投資目的に合った目線で成功と思えば成功で、それが思うようにならなかった場合は失敗なのではないかと思います。成功率を上げるために上記に書いたような条件をよく検証して投資してください。

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