マンション?一戸建?~マイホームを持つことについて考える

「マイホームを持つ」~住む場所を保証されているということは、動物が自分の巣を持つことと同じように安心感を持ちます。

持家比率は、日本約61%、米国65%前後、英国63%前後と言われていて、世界的にある程度の収入がある人は、一定の年齢になると居住用住宅を購入するようです。

自宅を保有しない人の中でも、転勤が多くて保有できない人、将来親と同居をしなければならないので保有する必要がない人などがいますから、それらを除くと、持ち家の志向は依然として高いと思われます。

日本人の今までの傾向としては、結婚して子供が生まれマイホームを購入し、その後子供が成人して家を出て行っても、買い換えることなく、生涯同じ家に住み続けるというパターンが多かったと思います。

しかし、ライフスタイルの変化に伴って、マイホームを買い替えていくことは、特に大都市では当たり前のようになってきている感じがします。

また、新築志向にも変化が見られ、中古物件に対するアレルギーも減少しています。東京や大阪の都心部においては、新築物件の高騰や供給数が足りないことから、中古マンションの重要が高まっています。

社会やライフスタイルの変化に対応するため、必要な時に必要な場所で必要な大きさで生活しようという合理的な考えで、一生涯賃貸住宅で暮らそうという人も増えていますが、この記事においては、それでもマイホームを持つことについて解説して行きます。

マイホームを持つ安心感

マイホームを持つメリットは何といっても、住む場所が保証されるということだと思います。

家賃を払わなくても住み続けられるし(住宅ローンの支払いがあるとは思いますが・・・)、比較的自由に改装などの手直しもできるし、自分のわがままに自由に使いこなせることです。

特に住宅ローンを完済してしまえば、家賃負担を考慮しなくて良いので、年金生活になったシニア層には大きな安心感を与えます。

また、購入した物件によっては、将来的に物件価格の上昇を期待できる可能性もあり、資産形成にも役立つことになります。

資産形成に役立つ物件の特徴

では、資産形成に役立つ物件はどのような物件でしょうか。

日本においては、今後も人口減少が進み、2040年頃には現在の1億2500万人前後から、1億人を下回ると見られています。

しかし、人口が減少しても、即座に住宅需要が減退するということではありません。現在も、単身や夫婦2人世帯の割合が増加していることにより、世帯数自体は増えています。

また、人口減少は全国一律に起こるわけではなく、地方都市や郊外で急速にその影響は出てきますが、大都市は人口減少のスピードが緩やかで、東京などでは増加する地域もあると予想されています。従って、大都市の単身や夫婦2人世帯が住むような広さの物件が資産形成に役立つと予想されます。

具体的には、大都市などの利便性が高い立地で、2~3人が住むのに十分な程度の広さのマイホームを購入し、その後、世帯人数が増えれば、広目な物件に賃貸で移り、マイホームは賃貸に出し、子供達が独立した段階で、元のマイホームに戻るか、マイホームを売却して、自分の好きな地域・方法で老後を過ごすのが良いと考えられます。

マンションと一戸建では、将来的に資産価値の違いはあるか

では、マイホームを持つにあたって、マンションと一戸建どちらが良いのでしょうか?また、将来的に資産価値を保持できるのでしょうか?それぞれ、メリット・デメリットがありますので、以下で解説して行きます。

マンションの場合

一般的なマンションの法定耐用年数は47年ですので、マンションが建築された当初は、50年を超えることはできないと考えられ、現に一部では、築年数が50年を超えたマンションは建て替えが行われました。

しかし、最初にマンションが建築されて以来約60年が経過し、いまだに手直しされながら、使われている物件も数多くあり、立地の良い古いマンションはヴィンテージマンションとして、今も人気が高く、高値で取引されています。

特に最近では、新築物件の値段が高騰し、更に、供給される戸数が減っていることもあり、中古物件の価値が見直されつつあり、活発に売買されています。

一部の物件は築年数が30年以上でも、新築時の販売価格を上回って取引されているほどです。

マンションは、毎月、管理費・修繕積立金を支払う必要があり、その金額もそれなりのものになって来ます。一戸建てもリフォームなどが必要な場合もありますが、掃除などは自分で行いますので、維持費という観点では、一戸建に軍配が上がると思います。

しかし、管理費などがかかっても、管理がしっかりしていて、立地な間取りが良い物件は、築年数を経ても資産価値を維持しやすいのがマンションと言えるでしょう。

一戸建の場合

一戸建は木造建築が多く、法定耐用年数は22年と、マンションに比べてぐっと短くなります。

つまり建物部分の資産価値はマンションに比べて早く減ってしまうということです。築年数が30年を超えてくると建て替えも視野に入ってきますが、土地の価値が上昇していれば、解体し更地にして売却するということも可能です。

解体費用もそれなりにかかりますが、土地代としては価値が残りますので、資産価値の減りは早いですが、下値はしっかり維持されるのが一戸建と言えます。

また、一戸建であれば、マンションのような月々の管理費や修繕積立金も必要ないので、20~30年のトータルコストで考えれば、一戸建の方がメリットがある可能性もあります。

また、最近はリフォーム技術も上がってきており、建て替えをしなくても、リフォームで済ませて上手に長く住むということも選択肢に入って来ています。

立地の良い都内において一戸建を取得することができるのであれば、土地代の分だけ資産価格を保つことができますが、地方都市では、マンションの方が資産価値を保ちやすいかも知れません。

まとめ

60歳を過ぎると住居に関して考え方がずいぶんと変わってきた気がします。

一番大切なのは居心地が良いこと。広さも適度が良く、間取りも部屋数は多く要らなくなりました。掃除など管理が面倒だからです。また、部屋が広すぎると、必要以上の荷物をため込んでしまい、将来の終活もより大変になってしまいます。

35年の住宅ローンを組んでマイホームを購入する方も多いでしょうが、35年のうちに、社会やライフスタイルは大きく変化し、自分の価値観やマイホームに求めるものも変わってくると思います。

マイホームの購入にあたっては、30年後、40年後、こういった変化が起こりうることを想定して、マンション・一戸建を選択し、また、住み替えることも想定すれば、資産価値が保てる物件を意識して物件探しをしてみるのはいかがでしょうか。

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