アフターコロナの不動産価格はどうなるのか?不動産価格決定の要因も含めて解説して行きます。

2020年から始まったコロナ禍ですが、ワクチンの普及によって、ようやく終息への道筋が見えつつあります。2020年初期のコロナパンデミックの際には、全世界の株価の大幅な暴落があり、不動産市場の動きも低迷する兆しを見せていました。

その後、株価は各国政府の財政支援や金融支援により持ち直し、2021年に入ってからは、米国や英国でワクチン接種が始まり、アフターコロナを展望し堅調に株価は推移しています。不動産価格は昨年の低調な動きから一転して、やはり堅調になってきています。

今年後半から来年には、コロナも終息に向かう可能性が高いことから、その場合の不動産市況や価格の動きを占っていきたいと思います。

まずは、不動産価格に影響を与える要因について考えてみる

不動産価格はいろいろな要因で変動します。そのうちの主だったものを上げてみます。

(1)不動産の需要

不動産の価格は需要と供給のバランスによって価格が決まります。まずは、需要の面から説明していきます。

日本においては、長期的には人口減により国全体では、不動産の需要が減少すると想定されます。しかし、都市圏への人口集中の流れから、一部の首都圏などでは人口が増加すると考えられる地域もあります。

一般的には、人口が増加すると予想される地域は需要が増加し、人口が減少すると予想される地域は需要が減少します。そして需要が増加する地域の不動産価格は上昇し、減少する地域は下落すると考えられます。

ただし、東京のような国際都市では、海外の同規模程度の都市における不動産価格と比較されることも多く、これは人口の増減だけではなく、オフィス需要やその他の集積施設の質にも影響します。因みに東京の不動産価格は、ニューヨークやロンドン、シンガポールなどに比べてやや安い傾向にあります。(外国為替のレートによる換算価格にも左右されますが)

(2)不動産の供給

では、次に供給の話しです。需要が一定であれば、不動産価格は供給量に左右されます。一般的には供給が多くなれば、価格は下がり、供給が少なければ、価格は上がります。

ビルなどは古くなれば立て替えますし、地域によっては、再開発で大型ビルが何棟も建築されることもあります。毎年ある程度のオフィスや住宅が供給されますので、再開発計画や分譲計画を新聞などのニュースでチェックしておきましょう。

(3)金利

不動産を購入する個人や企業の多くが、その物件を担保に金融機関から借入をします。その場合、金利の動向が投資収益に大きく影響します。

一般的には金利水準が低ければ金利負担は軽減されるので、購入者にとっては、投資収益も上がりやすくなるので、不動産価格は上がります。逆に金利が高くなれば、金利負担は増加するので、投資収益は低くなり、不動産は買いにくくなり、価格は下がります。

不動産価格は、市中金利とともに政府や日本銀行などの金融政策に大きく影響を受けますので、その動向は注意しておきましょう。

(4)原材料コスト

鉄骨鉄筋や木材、コンクリートなど主要な部材のコストによって建築価格は左右されます。一般的にはこれらの資材コストが上がれば建築コストは上昇します。逆に資材コストが下がれば建築コストが下がります。

近年は老朽化した建物もすべてを取り壊して新築するのではなく、良質の建物は耐震補強や改装を施して温存させる場合もあり、この場合では築年数が古い建物でも価値を保つものもあります。

(5)物価や所得の動向

不動産価格は物価や所得の動向にも左右されます。その国の物価が上昇すれば、多くの物品が上がるのと同じように不動産価格も上昇する傾向があります。

また、国民やその地域の所得が上がれば、購買力が上がりますから、これにスライドして不動産価格も上がる傾向があります。逆に両者とも下がれば、不動産価格も下がることがあります。

(6)天災などのリスク要因

近年は地球温暖化にの進行より、世界各地で水害が増えています。また、日本は地震の被害を被ることもあります。

これらの災害は不動産価格にも影響します。例えば地震の影響で液状化や津波の可能性の高い場所は、そのリスク要因が価格にも影響し、他が同条件の場所に比べて地価は低い傾向にあります。また、洪水や河川の氾濫など水害は年々規模が大きくなっています。都道府県などは、水害の予想図(ハザードマップ)を発表していますが、その水害が予想される地域は、他が同条件の地域に比べてやや地価が上がりにくい傾向もあります。

これらの多数の要因によって不動産価格は左右されますので、それぞれの要因を分析することで、将来の不動産価格は、ある程度は見通すことができます。

 

コロナ禍の不動産価格の動きと不動産への需要に関して

2020年以降のコロナ禍の不動産への影響は、どうだったでしょうか。

(1)不動産価格の動き

コロナ発生直後は日経平均が16,000円台を付けるなど、株価が世界的に大幅に下落したことから、不動産売買の動きも大きく停滞し、価格下落の心配もありましたが、すぐに各国政府が大量の財政支援策により株価も持ち直しました。

ロックダウンにより一般消費は落ち込み、外食や小売り部門など一部の業種では、まだ大きな落ち込みが続いていますが、全体ではそれほど大きな落ち込みなく、持ち直してきました。

不動産は、2020年中盤までのロックダウンまでは動きが少なくはなりましたが、2021年に入ると住宅を中心に活発な動きが出ました。特に郊外の一戸建て住宅などは在宅ワークの増加で需要が増えて人気となったほか、都心の高級マンションも品薄となり人気が出た来たようです。

都心物件は日経平均株価がコロナ前を超えて上がったことや、財政緩和、そして新規販売物件の減少により上昇傾向にありました。

(2)居住用不動産への影響と今後の展望

大企業、IT企業中心に在宅ワークを奨励したことで、毎日通勤をする必要が無くなる一方、家内でのワーキングスペースが必要になってきたことが、郊外や地方への転居が増加した要因になったでしょう。

特に、都心の狭いマンションで暮らす、夫婦共働き世代は、在宅ワークになってワーキングスペースに苦慮していることを考えると、一戸建てなどの部屋数の多い家はとても魅力的かもしれません。

今までは在宅ワーク化はゆっくりと進展すると思われていましたが、コロナにより一気に加速しました。在宅ワーク化は、企業にとってはオフィススぺースや関連コストの削減、そこで働く社員にとっては通勤時間の短縮など、良いことづくめに見えますが、反面、社内コミュニケーションの減退や企業としての価値観の共有、社員は家庭内のオフィススペースの確保など、様々な問題も発生しました。

ニューヨークではコロナが日本より早く収拾に向かっている中で、投資銀行など金融系各社はオフィスへの出勤を再開したと聞きます。これは瞬時の判断を求められる仕事では、在宅でZOOMを用いたオンライン会議によるコミュニケーションでは、ややタイムラグが発生することで大きな成果を逃しかねないという意図が働いてきたのではないかと感じます。

今後コロナが終息に向かいこのような現象が逆に出てきて、全部とは言いませんが従来の出社方式の勤務形態に戻ることが十分想定されます。おそらくはコロナ終息とともに、再び、都心近郊、大都市近郊の住宅に関心が向かうと予想されます。

(3)オフィスビルへの影響と今後の展望

コロナにより多くの企業が在宅ワークを奨励し、オフィス需要が減少する傾向にあります。このため、大手企業でもオフィスの縮小のために移転をするケースもあり、都心のオフィス空室率は上がりました。

空室率が上がるということは、不動産のオーナーにとっては、賃料収入が減少することになるので、オフィスビルの価格は下がる予想されましたが、意外にも堅調に推移しました。

これは、オフィスビル専用のREIT(上場不動産投資信託)の価格の動きを見てもわかります。コロナ時における、国の大幅な財政緩和、中央銀行の低金利政策や国債、株式の購入などの刺激策により、賃料収入が下がったとしても、一定収入を確保できる不動産は魅力的な投資先であり、投資マネーが流入したものと考えられます。現に外資系ファンドは、日本の不動産を長期保有を前提に投資しようと次々に進出してきています。

(2)の前段で述べた通り、在宅ワークはメリットもありますがデメリットもあります。今はメリットが先行して評価されていますが、コロナが落ち着いたころにはデメリットも明確に表れてくると思います。

その時に、各企業は在宅ワーク体制を進めつつも、オフィスへの回帰もある程度は促さざるを得なくなってくるでしょう。例えば週3~4日出勤とする場合、オフィススペースはやや縮小できるものの、一定レベルのオフィススペースは必要となります。

その結果、空室率はある一定レベルで下げ止まり、企業業績の向上や経済活動が活発に戻る中で、オフィスビルの需要減退も下げ止まると予想されます。

ファンドマネージャーから見たアフターコロナの不動産価格は?

ワクチン接種が行きわたり、日本でも意外に早く集団免疫ができる可能性があります。変異種の脅威は今後もわかりませんが、2021年後半から2022年にかけては、コロナが落ち着き従来の生活に近い状態に戻ると想定されます。また、2022年3月期の企業業績は、大幅な増収増益が期待でき、日経平均株価も上昇、日本銀行の金融緩和政策も持続すると予想されます。

この中で、資源や資産と言われるものの価格は上向きになり、不動産価格も上向きになる可能性が高いと個人的には考えています。すでに住宅価格や倉庫などの物流物件の価格は上がっていますが、コロナで大きな痛手を被ったホテルや商業施設の価格も持ち直してくると感じています。

オフィス需要についてもやや空室率の増加は気になりますが、景気の上昇にも後押しされて、価格は上がり気味になるのではないかと思います。しかしこれらはあくまで、ワクチンや治療薬によりコロナが終息に向かうことと他のアクシデントが発生しないことが前提です。

住宅用不動産の見通し

皆さんが最も関心がある住宅用不動産については、コロナ後は、都心や大都市の住宅は従来通り評価されて、物価や景気に連動して上昇する可能性もあると予想しています。

全世界で各中央銀行が大量の資金を市場に供給しました。これをコロナが終息に向かったからと言って、急激に引き締めに向かい、景気の腰を折ることは、そう簡単にはできないと考えられます。金融引き締めが無ければ、金利は依然として低金利の状況が維持されるので、不動産価格にはプラスになるでしょう。

また、市場に大量に供給された資金は、ある程度は不動産投資に向かってくるでしょう。

資材価格については、米国では、在宅時間の増加により、郊外での住宅建設が増え、木材の供給が追いつかない状況になっています。このような動きは他の資材にも影響を及ぼしており、住宅不動産の供給減や価格の上昇が見込まれます。

コロナ禍から経済が回復すれば雇用や所得も回復することから、住宅用不動産は、長期的には上昇して行くことが予想されます。もちろん、災害(地震・水害など)に強い地域であることが必要ですが、新築・中古を問わず、今は「買い」の時期と考えています。

 

まとめ

1.コロナ禍の経済対策として、先進主要国は積極的な財政政策を取っており、株価や不動産価格は、コロナ発生前よりもむしろ値段が上がっています。

2.不動産価格を形成する要因としては、需要、供給、金利、原材料コスト、物価や所得の動向、更に、天災などのリスク要因があります。

3.2020年初頭にコロナ禍が発生してから、株価は一時的に大幅に下落しました。不動産取引も、一時的に停滞しましたが、その後、財政出動などの金融緩和の影響を受け、株価は回復し、不動産取引も活発になっています。

4.コロナにより在宅ワークが進み、オフィスや都心の住宅需要が一時的に落ち込みましたが、コロナが落ち着き、在宅ワークのデメリットなども見えてきたことから、オフィスや都心居住に回帰する動きが見えてきました。

5.コロナワクチンの接種率が上がり、コロナが落ち着けば、住宅用不動産の価格は長期的に上昇していくことが予想されます。今は「買い」の時期と考えています。

 

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