【自宅購入体験談】築35年のマンションを自宅用として購入しました

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この記事では、不動産投資から少し離れ、60歳を間近とした筆者が自宅マンションを購入した体験談です。

都内で自宅を探し始め、いろいろな条件を考えながら、最終的には築35年のマンションを購入するに至った経緯について紹介していきます。

1.自宅購入を思い立ったきっかけと条件整理

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2020年に入り60歳にあと1年、今まで人生の残り時間など考えたことは無かったのですが、コロナが猛威を奮いだし、緊急事態宣言が発令されるなど、自分が置かれている社会環境が大きく変わりました。

外出を控え自宅で過ごす毎日、確率としては1%以下であったとしても、コロナで死亡者が増加するニュースを見ていると、残りの人生をいかにして楽しく有意義に暮らすかを考えるようになりました。

そして、まずはそのために、自宅の住環境を見直したいと思い始めましたので、まずは、自分の住みたい環境についてまとめることにしました。

  • 日差しが差し込む家が欲しい
  • 風が通る家、できればエアコンをかける時間を少なくしたい
  • 買い物が便利で、おいしいお店がいくつかある楽しい街に住みたい

他にも価格・物件条件として、

  • 適正な価格であること
  • 水害、地震など、自然災害の危険性が少ないこと
  • 資産価値がキープできる物件であること

を加えることにしました。実際に物件を見つけるため、これらを一つ一つクリアにすることに、相当の時間と労力を費やしたことは言うまでもありません。

2.環境条件に関して

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上記の6つの条件のうち、まずは、3つの環境条件について、そこに至った経緯を説明していきます。

その1:日差しが差し込む家が欲しい

不動産は、東西南北様々な方向を向いています。

私がこれまで約12年間住んでいたマンションは、公園には面していましたが、北東向きで昼間は窓から太陽を直接見ることができませんでした。

日当たりが良くなくても、防熱もしっかりしていることから、寒さは全く感じませんでしたが、子供のころ育った陽だまりの生活とは大きくかけ離れていました。

東京都心に住んでいるから仕方はないとは思いますが、シニアになってくると、太陽の光が注いで欲しいと感じるようになりました。

この条件を満たすために、窓が太陽の通り道である、東~南~西に面していて、できれば南を中心とした方向の物件が欲しいと、まず感じました。

その2:風が通る家、できればエアコンをかける時間を少なくしたい

私は夏の冷房ですぐに体が冷えてしまうことから、エアコンに頼った生活をやや苦手にしています。

しかし、日本の夏でエアコンのない生活は不可能ですから、出来たら冷房をかける時間を短くしたいと常々思っていました。

そこで窓を開けることができて、開口部が片方ではなく反対方向にもあり風が抜ける家を希望しました。

ここ最近の新築高層マンションは、陽当たりがあっても、残念ながら、窓が大きく開かない構造のものが多く、開いたとしても、開口部は一方の方向のみが多く、風が通るというものはありませんでした。 

むしろ、この条件に合うのは、3~12階建てぐらいの、築年数が古い中低層のマンションでした。

その3:買い物が便利で、おいしいお店がいくつかある楽しい街に住みたい

静かさを考えるならば住宅街でしょうが、買い物が近くでできて、おいしいお店やカフェが近くにあると生活が豊かになる気がしました。

そのためには、徒歩5分以内には、何かしらのスーパーマーケットがあってほしいものです。また商店街がある街には、ほのぼの感を感じることができます。

3.価格・物件条件に関して

次に価格・物件条件に関してです。

その1:適正な価格であること

最近は都心の住宅が随分と値上がりしていて、今の価格が本当に適正な価格かどうか正直疑いたくなる水準まで来ています。

最近の新築マンションは、コンシェルジュやジムなどがついている物件も増え、設備やサービスが充実しています。しかし、それらのサービスは割高な販売坪単価を正当化するような手段にも見えたので、純粋に不動産の価値として適正な価格である物件を探すことにしました。

中古物件の方が、まだ値上がり幅も大きくなかったので、適正価格ということを考えれば、新築よりも中古を検討するようになりました。

その2:水害、地震など、自然災害の危険性が少ないこと

今後も世界的な温暖化による気候変動の影響を受け、これまでの常識では考えられないような大型水害が起こる可能性もあります。

区が出しているハザードマップで水害の可能性がある地域か確認できますが、今後のことも考えて、水害の恐れがある地域から少し離れている場所にすることにしました、

また、地震に関していえば、中古物件であれば、少なくとも新耐震基準(昭和58年築辺りから新耐震基準です)の建物か、それと同等の耐震化補強がされているものを条件としました。

耐震は建物も重要ですし、東京は埋め立て地が多いので、地盤も大切だと考え、地盤が安定している地域、活断層が走っていない地域に限定しました。

その3:資産価値がキープできる物件であること

自宅は収入を生むものでないのですが、いずれは買い替えや子孫に相続する可能性があります。従って、長期的に値上がりはしなくても、値下がりのしにくい物件を探しました。

不動産価格は土地代+建物代+その他インフラ代です。

土地代は、マンションであれば、土地の持ち分を登記簿謄本からチェックし、持分×路線価または市場価格により算出します。老朽化して建物価値が無くなっても、土地の価値がある物件ならば一定の価格が残ると考え、土地代を重視しました。

建物代は鉄筋コンクリート造りの耐用年数47年を基準に、残存価格を算定し、それに周囲の環境、建物の管理状態、周辺の整備状態を考慮して、だいたいの価値を算出しました。

4.都心の中古マンションに絞って物件探しを始める

自宅には一軒家とマンションが選択肢ですが、上記6つの条件を満たしやすいのは「中古マンション」と考え、中古マンションに絞って物件探しを始めました。

物件探しは、まずはネット上で販売されている物件の情報を調べることからです。

自分が検討しているエリアの中で、新築も中古物件も探してみます。ほとんどの販売物件広告には外観、共用部、室内と載っていますから大体の様子はわかります。

また、マンションの場合はその専有面積、バルコニー面積、築年数、価格などをみて興味がある物件を抽出しました。

その後室内に日差しが差し込み、風が通り、近所に買い物便利でおいしいお店がいくつかある物件を絞り込むと数件になりました。

販売、仲介する不動産業者に連絡を取り、現地視察をしました。その中でさらに興味があった物件の資料を請求します。(新築物件は現地視察に行くと一式をもらえました)

実際に物件の内外装を見て周辺を歩いてみるとネット上や頭の中で考えていた内容とは違う情報も取れて見方が変わります。

5.絞り込んだ購入対象物件の詳細データを比較検討する

絞り込んだ数件の物件資料を比較検討しました。適正な価格であること、水害、地盤など危険性が少ないこと、資産価値がキープできる物件を更に絞り込んで最終的に3件が最終候補となりました。

途中で、世田谷区、目黒区、渋谷区の一戸建ても考えましたが、ゴミが毎日出せないこと、都心の山手線内では駅からの距離があること、セキュリティの管理が大変なことなどを考え、やはり都心のマンションに絞り込みました。

6.最終的に築35年のマンションを選択

絞り込んだ3件のうちで、最終的にその中で一番古い、築35年のマンションを最終的に選択しました。築年数が古い以外、他の条件がほとんど合致したからです。

正直築年数は迷いましたが、昭和58年新築でも新耐震基準で大手建設会社が建築していることから、耐震上は新築マンションとはさほど差がないと感じました。

同じ基準でも物件により当然差がありますが、古いマンションは外壁の亀裂が補修されていたりしますのでかえって状態がわかりやすく、この物件はさほど補修がなく、とても良い状態を保っていました。

また内装に関しては、大手不動産業により改装されており、現状やその改装記録を見ても特段の問題はありませんでした。

また、駅までの距離、周囲の環境は問題なく、古くなったおかげで生け垣や樹木の趣が出て管理もよいのであまり古さを感じません。

これから日本も古い建物が増えて、欧州や米国のように100年の共同住宅が売買されるようになると思います。

建物の管理技術も相当に上がってきています。そうなると、古くても良いマンションは内装を変えて住む人が増え、また販売価格も老朽化のスピードほど落ちることはなく、十分に不動産市況の変化に連動する力をもっている気がしました。

新築のマンションもずいぶん見ましたが、ここ最近の原材料費、人件費の高騰で内装が価格の割には安普請かなと感じましたので、見送っています。

タワー系のマンションは、コンシェルジュがいてスタディールーム・応接・宿泊ルームなども付いてはいますが、これまで住んだ経験で、実はあまり使わなかったので私には必要ないと感じました。

また、何よりも開口部が少なく外部の風が室内を流れないので、自然の生活感を味わいたい自分には合いませんでした。

さらに中低層の新築マンションもずいぶんと販売されていましたが、駅や商店との距離を考えると、中古の立地条件の良い物件の方が魅力的でした。

購入した物件の内装は分譲当初の原型はほとんど留めていません。リフォーム技術は驚くほど進化しており、大きく改装されていました。

古いマンションは天高が低い物件も多いですが、ケースバイケースではありますが織り上げ天井と言って天井の空いている空間を天井の一部を高くすることもできます。

リビングなどは10~20センチ、天井をあげるとずいぶん雰囲気が変わります。浴室、トイレなどの水回りは、最新の機材を入れれば、新築と全く遜色がありません。

リフォームはコストはかかりますが、室内の状況は新築マンションとほぼ変わらない状態になると思います。

7.インフレと自宅購入について

コロナ禍で世界中の中央銀行は経済を下支えするために金融緩和を実施し、世界中のマネーサプライは急増、多くのお金が市中に出回りました。

市場に出回ったお金は、低金利環境下、預貯金や債券での運用は難しいことから、株式市場に流れ、その結果、株価は急騰しました。

コロナ禍が収まっても経済が安定するまでは金融緩和は続けられる可能性が高く、そうなれば不動産にも資金が流入することになるでしょう。

食料品、衣料品など、一般の消費者物に関しては、ユニクロやニトリなど、安価で良質な商品を大企業が大量供給しているので、それほど上がらないとは思いますが、中期的には資産インフレになる可能性は高いと思います。

日本の住宅需要は、人口減の受けるかも知れませんが、都心や大都市にはまだ人口が流入しており、安定した地価形成をする予想しています。

ここ数年、日本の不動産価格は上昇傾向にあり、高値圏にはあるものの、今の価格水準であっても、立地が良く、管理状態がしっかりしている物件は、インフレヘッジとして購入しても良いと考えています。

8.まとめ

ここまで、筆者が自宅を購入した経緯を書いて来ましたが、その中で重要と感じたことは以下の3点です。

  • 不動産を購入するには、ネット上だけでなく実際に見て、かつ比較すること
  • 建物はそれ自体だけでなく、周辺環境やその管理状態を見ることが重要
  • 今快適に暮らすこととインフレヘッジを両立できる物件が最適

若い人たちへのアドバイスですが、世界は常に大きく変化していて、これからも変化を続くでしょう。

資産に関しても、現金だけでなく、デジタル通貨・暗号資産の普及、更に、仮想空間の登場でその概念が大きく変わるかも知れません

人生100年時代を迎え、ただ貯金するだけでは、老後の生活もままならなくなると予想される中、何かしらの資産形成が必要になっています。

不動産は、株式投資に比べれば、価格の変動幅が小さく、かつ、居住目的であれば、投資目的であれ、低金利での資金調達がしやすいといった特徴があります。

不動産は資産形成の手段にもなりますし、かつ快適な生活に直結しますので、長期的に保有して損のない物件を購入するというのは、一考の余地があると感じます。

 

 

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